オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

東京都推進のヘルプマークは、見えない病気や障害を抱えて電車に乗る人の助けになる。

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少なくない数のビジネスマンが、病気やケガを押して、仕事をしていると思います。

病気は外から見えないことが多いし、義足などは服に隠れている。一般の人たちと同じように満員電車で足を踏ん張り、吊革につかまっている人たちには、本当に頭が下がる思いです。

 

そういう人にぜひ知ってほしいのが、「ヘルプマーク」。

私の親友が実際に利用してとても役に立っているので、紹介します。

 

ヘルプマークって、なに?

 外から見えなくても援助や配慮を必要としている人たち、たとえば義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方などが、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるように東京都が作成したマーク です。

どんな人の役に立つのか?

 使う人の身体機能や病状等に基準は設けられていません。☜すばらしい。

ですので、ここからは個人的な見解も含まれますが、

 

・通院しながら抗がん剤や難病の治療をされている方。

・手術後、退院後まもない方、体力が回復していない方。

・義足や人工関節を使用されている方。

・パニック障害等の方。

・不妊治療中で具合がすぐれない方の助けにもなると思いますが、どうでしょうか。

どんなふうに使うの?

通勤かばんにタグとしてつけられます。首から下げるよりも抵抗感がないと思います。

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すっきり目立つデザインです。

 

裏面は、プライバシーもあるので未記入でもOK。

突発的にヘルプが必要になりそうな人は、家族やかかりつけ医の連絡先、ヘルプしてほしい内容(筆談してほしい等)を記入しておくといいでしょう。

どこでもらえるの?

東京都が主導しているものなので、主に都営地下鉄、都営バス、都電の駅で配布されています。置いていない駅もあるので、事前に確認してください。

 

私鉄では基本的に配布されていませんが、都営線の駅で受け取って、私鉄で通勤している人も利用するといいと思います。

 

駅務室まで行かなくても、改札の近くのカウンターでもらえる駅もあります。複数の改札がある駅は、置いている改札とそうでない改札がある場合も。

 

改札から改札への移動がしんどい人もいると思いますので、電話をしてから行ったほうがいいかもしれません。

 

特筆すべきは、病名や症状、誰がどういう目的で使うのかといったことを、一切、告げなくてもらえる点。

「ヘルプマークがほしいのですが」と言えば、すぐに渡してくれます。この英断は、称賛に値すると思います。

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こんなセットです(一例)。

 

(配布駅*変動もありますのでご自身でご確認ください)

都営地下鉄各駅(押上駅、目黒駅、白金台駅、白金高輪駅、新宿線新宿駅を除く)駅務室、都営バス各営業所、荒川電車営業所、日暮里・舎人ライナー(日暮里駅、西日暮里駅)駅務室、ゆりかもめ(新橋駅、豊洲駅)駅務室、多摩モノレール(多摩センター駅、中央大学・明星大学駅、高幡不動駅、立川南駅、立川北駅、玉川上水駅、上北台駅)駅務室(一部時間帯を除く)、東京都心身障害者福祉センター(多摩支所を含む)


京都府、青森県、徳島県、札幌市など、全国での取組が広がりつつあるそうです。全国に拡大してほしいですね。

 

実際に使ってみると……

手術後3週間で、友人は退院。仕事を再開し、通院しながら治療を続けることになりました。体力はまだ回復していないし、薬の影響で体調も優れません。

このマークをかばんにつけて、電車通勤をしています。

 

通勤初日、重い荷物を持つことができないので、小さなキャリーケースに仕事道具を入れて通勤。なるべくエスカレーターやエレベーターを利用しながら移動しましたが、

途中、階段しかない乗り換え駅が。途方に暮れていると、ヘルプマークに気がついた駅員さんが飛んできて、キャリーケースを階段下まで運んでくれたそうです。「本当に助かった」と、感激していました。

 

また、最大の利点は、優先席に座っていても白い目で見られない事だと思います。

 

「このマークを振りかざして、席を譲ってもらおうとは思わない」と、友人は話します。なるべく座れる時間帯を選んで通勤しています。ですが、優先席に座っている時に高齢者や妊婦さんを見かけると、責められているような視線を感じて落ち着かない気分になるそうです。

 

かといって、「私は〇〇の病気です」と、他人に告げたくはありません。 ヘルプマークを付けた鞄を膝にのせていれば、ストレスを感じずに意思表示ができるそうです。 

 

 

ヘルプマークを付けている人を見かけたら

・電車・バスの中で、席をゆずってあげたいものです。

電車が揺れたときに踏ん張れない人、吊革にずっとつかまるなど、同じ姿勢を保つことが困難な人もいます。めまいや吐き気を伴う治療を受けている人もいます。

 

 ・具合が悪そうな人をみかけたら、声をかけましょう。

 

・災害時は、安全に避難するための支援を。

視覚障害者や聴覚障害者等の状況把握が難しい方、肢体不自由者等の自力での迅速な避難が困難な方がいます。

まとめ

ラッシュアワーの通勤電車は、健康な体であっても、つり革に捕まったまま押されて脱臼しそうになったり、胸を圧迫されて窒息しそうになったり、とても過酷なものです。

 

今回、身近な人が「通院しながら仕事をする」という立場になったとき、同じ立場の人たちの大変さを、初めてリアルに感じて、助けになるものを探しました。

そして出会ったのが、ヘルプマークです。

 

ヘルプマークは、5年前の2012年に導入されたものの、たまに駅のホームや優先席の周囲でポスターやシールを見かける程度で、普及しているとは言えません。

 

あなたのまわりに、ヘルプマークを必要としている人がいたら、ぜひ、教えてあげてほしいと思います。