オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

話題の「声かけ不要バッグ」を使う人の割合はどれくらいなのか、見に行った。

私は8割くらいの洋服をネットで購入する。

実店舗でショッピングをするのが苦痛でたまらないからだ。

 

店舗の敷地に一歩足を踏み入れた瞬間に、「いらっしゃいませ~。ゆっくりご覧くださいませ~」と言いながら、店員さんが、ゆっくり見させまいと近づいてくる。

そして、一つ目の商品に目をやると、「あ、それ今日、入荷したばかりんなですよ」と、ほぼほぼ無意味な情報を提供してくるので、「あ~、そうですか・・・」と軽く相手をしながら次の商品を見ようとすると、

ササっと店内を移動した店員さんが、「お色違いもございます」と、二つ三つのハンガーを手にして迫ってくる。

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「あっ・・・」と声にならない声を発しながら、店員さんから逃れるように別の区画に移っても、背後からついてくる。

 

商品に手でも触れようものなら、「ご試着もできます」「そちら、短めのジャケットになります」「グレーは完売したんです」など、当たり前ずきる情報、見ればわかる情報、不必要な情報を投げかけてくる。

 

たまに試着室に入ると、着てきた服を脱いでる途中なのに、「お客様~いかがですか」と叫んでくる。早着替え大会か!と、突っ込みたくなるタイミングだ。

 

「洋服が売れない」と言うけれど、こういう接客方法が、客離れを起こしているんじゃなかろうか。ずーっと好きに見させておいてくれれば、2、30分店内でアレコレ考えて、最終的に何か買いそうな気がする。

 

特に女性は、「買い物に行ったからには、何か買って帰りたい」と思う生き物なのだから。

 

そんなことを常々感じていたら、「セレクトショップのアーバンリサーチが、声かけ不要バッグを試験導入」というニュースが流れた。

www.j-cast.com

テレビのニュースで「賛否両論」と耳にしたときは、「ずいぶん大胆だなぁ」と思った。なぜなら私が想像していたバッグは、こんな感じ。

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 こんなバッグを持つ勇気は、私にはないと思ったからだ。

 

しかし、企業がそんな波風立てるようなバッグを採用するわけはなく、実際にはこんな感じ。

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これなら店側とお客さんの間の暗黙の了解で、嫌味はない。

実際にはどのように運用されているのか、ソラマチにある店舗に行ってみた。

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 メンズ、レディース、キッズの洋服のほかに雑貨や家具も置かれ、カフェまで併設された大型店舗だ。

 

ニュースになった「声かけ不要バッグ」は、店舗の入り口にセッティングされていた。「ご自由にお買い物を楽しみたい方は、このバッグをお持ちになればお声がけしません」(☜うろ覚えです。意味としてはこんな感じ)というようなコメントが添えられていた。

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土曜日の夕方、店内には16名ほどのお客さんがいて、対する店員さんは男女4名。

16人中、何人のお客さんが「声かけ不要バッグ」を手にしているのだろうか?

 

店内を見回すと・・・なんと、誰も持っていない。

 

では、「声かけ不要バッグ」を持っていないと、店員さんに声をかけられるのか?

 

私は、「声かけ不要バッグ」を持たずに、店内を回ってみることにした。

 

うーん、なかなか素敵な洋服がいっぱい。

そして、店員さんが声をかけてくることはない。

しかし、ほかのショップとは違う接客に気が付いた。

 

4人の店員さんたちが、きびきびと、とにかくよく動いている。

フォーメーションを組んでいるかのように店内をめぐり歩きながら、「いらっしゃいませ。ごゆっくり御覧ください」「本日、アクセサリー予約会を行っております。どうぞ、ご覧ください」などと、個人に対してではなくお店全体に対して声をかけている。

 

この方法だと、お客さんも"迫られ感"がないし、必要なときは店員さんを呼び止められる。お店側も、万引きなどの被害を防げる。

 

アクセサリー予約会にも、6人ほどのお客さんが"自発的に"群がっていた。

なかなかいい接客だな・・・などと考えつつ、自由に店内を物色すると、ほしいものがいろいろ。

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ミディ丈のワンピース。税込み8640円。涼しげ~

(追記:後日、少し安くなっていたので買っちゃいました。店員さんに追い回されないと、最終的には買い物しますね~。わかりきったことなのに、どうして客を追い回すショップが多いのだろうか)

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メンズのかわいい杢かの子ポロ 税込み6480円

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上品なオフショルダーシャツ 税込み5940円

(写真はサイトからお借りしました。ありがとうございます。)

アーバンリサーチオンラインストア - URBAN RESEARCH ONLINE STORE

 

自由にゆっくり見て回れると、商品が頭に入ってくるというか、店員さんからいかに逃げるかを考えなくてすむので、買い物に集中できる。

 

たぶん、アーバンリサーチは、もともとそんなにしつこい接客をしていなかったと記憶している。接客に自信があるから、「声かけ不要バッグ」を導入できるのだろう。

むしろ、その他のブランドの方々、「声かけ不要バッグ」的なものをご一考願いたい。そうすれば、絶対、売り上げは伸びると思う。

 

いちおう、「声かけ不要バッグ」の問題点をあげておくと、

  • ただでさえ荷物の多い女性が、さらにバッグを持つのは買い物のさまたげになる
  • 何も買わずに店を出る場合、バッグを戻しにいくのが面倒&気まずい