オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

シブタニ兄妹、既成概念の壁を破って銅メダルを獲得!

こんばんは。書きたいことはいろいろあったはずなのに、言葉にならないうちに、オリンピックが終わってしまった種子島ぴーです。

 

しかし、これだけは書いておきたい。

マイア・シブタニ&アレックス・シブタニのフリーの演技に感動したこと。そして、彼らの銅メダルが、実はかなりの偉業であったことです。

 

 

 

「誰にだって踊る権利はあるわ」by CBC

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兄妹でアイスダンスをすることに、否定的な人もいるけれど、

私は気にしないわ。

誰にだって、踊る権利はあるのよ。

そりゃあ、曲目に制限はあるけれど、

彼らのダンスは踊る喜びにあふれているわ。

(CBC解説者)

 

マイア・シブタニ&アレックス・シブタニが銅メダルを獲得し、兄弟姉妹のペアとしては、アイスダンスで史上2人目のオリンピックメダリストになりました。

 

私は、彼らのフリー、Coldplayの「パラダイス」が大好きです。音楽の盛り上がりに合わせてぐんぐん力強く氷を蹴って進んでいく2人に、心が躍ります。

最後に2人そろって、空を見上げてバッと両手を広げるフィニッシュもぞくっとします。(シーズンの最初のほうとフィニッシュを変えていますが、オリンピックでやったバージョンのほうが、効いてますよね)。

 

ただ、彼らはもともと、「兄妹」という大きなディスアドバンテージを背負っています。アイスダンスは、「恋人同士が愛の調べにのせて踊るもの」という考え方があるため、兄妹や姉弟でペアを組むことに眉をひそめるジャッジもいます。

というか、多くの関係者が、現在進行形で兄妹ペアに否定的なのではないでしょうか。

 

私は、フリーの演技をCBCの実況で見ていたのですが、女性解説者が冒頭の「兄妹で~私は気にしないわ」と言ったのに対して(このセリフはうろ覚えです)、男性解説者は「へ~」みたいな鈍い反応でした。

コーチのマリナ・ズエワも、「ライバルたちよりも、ジャッジを感動させるのが難しかったと思うか?」と尋ねられ、「そうね。伝統的なダンスは恋愛表現だから。パフォーマンスの多くは、ロマンティックなものよ。私たちは、壁を打ち破って、可能性の扉を開けたのよ。『どんなペアだって表彰台に上ることができる。アイスダンスで成功を収められる。それが兄弟姉妹であっても』ってね」(意訳)と語っています。

 

Obviously, the Shibutanis can’t really do the romantic thing, but their programs are filled with technical elements and slick choreography that is mesmerizing to watch. There is none of the romance that is infused into the acts of the likes of gold medal winners Tessa Virtue and Scott Moir of Canada, but plenty of athletic drama makes up for it.

(意訳)

もちろん、彼らは、本当の恋愛を演じることはできません。
しかし、そのプログラムは、人々を魅了する技術的な要素と、すばらしいコリオにあふれていました。
金メダルを取ったカナダのテッサ・バーチュ&スコット・モイアのような、
ロマンスを連想させる動きはありませんが、たくさんの生き生きとしたドラマチックなコリオが、それを補っていました。

 

“They perform passion, but not passion to be like love passion,” Zoueva added. “(It is) passion between them is how they want to reach their goal. To be in the Olympics, to get an Olympic medal and you can see it. You can see it in choreography it is not necessary to have love passion. Any passion is passion.”

(意訳)

ズエワは、さらに付け加えました。

「彼らの演技はパッションにあふれていましたが、“男女の愛”といった類のパッションではありません。

彼らの間にあるのは、『どのようにして目標を達成するか』というパッションです。
オリンピックで演技をして、オリンピックメダルをつかんだ彼らを見れば、わかりますよね。
恋愛を描いていなくても、コリオからパッションが伝わってくるはずです。どんなパッションであっても、パッションに変わりはありません」

(引用元)
www.usatoday.com

 

怪我や病気など、選手が乗り越えなくてはいけないものはたくさんありますが、採点競技において、「君たちが演技をするのはいかがなものか」という偏見や既成概念と戦うって、すごい勇気ですよね。

眉をしかめるジャッジに点数を低くつけられるとか、芸術性を低く見積もられる可能性もあるわけですから、普通のペアより明らかに優れていないと勝てないかもしれません。

 

確か、「違いは僕らの強みになる」という彼らの言葉がありました。日本でも、リード姉弟が孤軍奮闘していた時代が続きましたが、兄弟姉妹でアイスダンスをやっている選手たちの励みにもなったのではないでしょうか。

兄妹オリンピック史上二組目の兄妹ペア受賞、おめでとうございます!!