日本では、平昌オリンピックのフィギュアスケート男子は、「羽生&宇野が1、2フィニッシュを決めるだろう」、はたまた「羽生or宇野が金メダルを獲るだろう」といったムードが出来つつあるが、米国では、全米選手権で5種類の4回転を決め、怒涛の310点越え(318.47)を果たしたネイサン・チェンが、期待を一身に集めている。
それ以前のパーソナルベスト(アンダー12クラスで獲った274.98)をドドーンと打ち破り、突如として躍り出たスーパースターに、「史上最年少の全米優勝者」「ライサチェク以来の金メダルか」と盛り上がっているらしい。
本人も、「Now, is an Olympic gold medal possible in PyeongChang in 13 months?」(ってことは、13カ月後の平昌オリンピックで、金メダルの可能性があるんじゃない?)という質問に対して、「I believe it’s possible, yeah,It’s still in the distance for me. There’s so much room I have to improve to make myself at that level, but I think it’s definitely possible.」(可能性はあると思うよ、うん。金メダルを獲るにはまだ改善しなくちゃいけない余地がたくさんあるけど、間違いなく可能性はあるだろうね」と答えている。日本勢にとっては、なかなか怖い存在だ。
そんなネイサン・チェンにメロメロな一人が、Scott Hamilton。そのメロメロぶりが表れているicenetwork「The Scott Hamilton Show」の「2017 skaties awards」を、雑に紹介したいと思う。
ハミルトン師匠の2016-2017シーズン振り返り
2016-20107は、オリンピック前のラストシーズン。独自制を磨き、ほかのあらゆる選手たちを引き離さなくてはいけない、とても重要なシーズンだった。男性で印象に残ったのは、・・・やはり羽生だ。フェルナンデスとの競り合いは見応えがあった。片やショートプログラムが良くて、片やフリープログラムが良くて・・・でも、振り返ってみると、なんと言っても素晴らしかったのは、ネイサン・チェンだ。
ネイサンは、あらゆる面で変革を見せた。世界選手権ではちょっと苦戦したが、全米選手権ではショートとフリー両方でいい演技をした。4回転については、宇野もガシガシきている最中だけどね。だから、男性陣では、オリンピックの前回優勝者(羽生)が世界選手権の金メダルを手にしてオリンピックへ向かい、17歳の米国人(ネイサン)が世界を変えた。そういう年だったね。
ブレーク・スルー・スケーター・オブ・ザ・イヤー
カレン・チェン Karen Chen
Scott おぉ、カレン、おめでとう。なんてエキサイティングなんだ!米国選手権での演技は、本当にすばらしかった。
Photo by Robin Ritoss
カムバック・オブ・ザ・イヤー
TESSA VIRTURE & SCOTT MOIR テッサ・ヴァーチュ&スコット・モイア
Scott これは予想が付くよね~バンクーバーで金、ソチで銀のアイスダンスペアが、数年の休養後にカムバックして、世界選手権で金。すばらしい。
(出典wikipedia)
sound bite オブ・ザ・イヤー (ベストコメント賞)
ネイサン・チェン Nathan Chen
Scott 受賞理由はこちらのインタビュービデオです。
Scott「好きなスケーターはいるの?」
Nathan「えーと、スコット・ハミルトン」
Scott「おぉー!! テンテンテンテン」。
スコット師匠、完全にネイサンにノックダウン。さすが、ハーバード進学希望のネイサン、頭がいいわね。
レジェンド・オブ・ザ・イヤー
クリスティ・ヤマグチ、ミシェル・クワン、ブライアン・ボイタノ、クリストファー・ディーン
Scott おめでとう。同時受賞です。君たちは賞にふさわしいよ。(以上!!)
ベスト・アンサー・オブ・ザ・イヤー
ネイサン・チェン Nathan Chen
Scott インタビュービデオ、スタート!
Scott「好きなスケーターはいるの?」
Nathan「えーと、スコット・ハミルトン」
Scott「おぉー!! テンテンテンテン」。
ベスト・ニューイヤーズイブ・カンパニー
Scott この賞は、大みそかの夜を誰と一緒に過ごしたいかっていう賞だよ。いいかい?(☜いや、そう言われましても、そんな賞、いりまっか?)
ジェイソン・ブラウン Jason Brown
Scott ジェイサン、大みそかはいつも人を招いて家族とクレイジーに楽しむって言ってたけど、僕を気にかけてくれてありがとう。(☜大みそかにスカイプ中継したのかな? まあ確かに・・・ジェイソンと過ごしてみたい気もするが)
ベスト・コリオグラファー・オブ・ザ・イヤー
ジェフリー・バトル Jeffrey Buttle
Scott ジェフは最近の二つのショーで素晴らしい振付をしたね。クリーブランドとナッシュビルで。素晴らしい仕事だったよ、ジェフ。ちょっとワーカホリックだと思うけど、とてもよい出来だった。
(ジェフは、どこにいるでしょーか?)
グレーテスト・フレンドシップ・オブ・ザ・イヤー
アダム・リッポン&アシュリー・ワグナー Adam Rippon&Ashley Wagner
Behind the Scenes with Ashley Wagner & Adam Rippon at SKATING photoshoot
Scott お~、彼らは本当にいい友人関係さ。二人と話したけど、片方が相手のことをああ言えば、もう片方がこう言うって感じでさ。(☜かつては恋人同士と噂された二人ですが、リッポンがカミングアウトした後も、アシュリーがしっかり支えてましたね。このビデオは、雑誌の撮影をする素敵な二人です)
DID that JUST HAPPEN?! moment of the year(信じられない瞬間賞)
Scott もちろん、ネイサン・チェン Nathan Chen!他に誰がいるっていうんだ??今のところ、フリープログラムで5つ、ショートでは2本のの4回転を跳んでいる。観衆が「なんだ今のは。見たかい?」って、唖然としてアゴがはずれるほどすばらしかった。おめでとう、ネイサン。
ライバル・オブ・ザ・イヤー
YUZURU HANYU & JAVIER FERNANDES(羽生結弦&ハビエル・フェルナンデス)
(出典Indiseskating)
Scott 同じコーチについて毎日練習し、あるときはこちらが一位でもう一方が二位、あるときはその逆でというすばらしいライバル関係にある。ただ、ただ、すばしらいよ。そうだろ?
ベスト・ヘアー・オブ・ザ・イヤー
一般的には必要ないけど、スコット師匠には必須の賞「ベスト・ヘア賞」。「ヘアスタイル」ではなく「ヘア」。ココ、ポイントね。
Charlie White チャーリー・ホワイト
Scott ふふふ、まあ、必要ない賞だけどね。チャーリー、君の髪さえあれば、君になれなくてもいいよ。(☜髪以外、顔では互角って言いたいのかな)
ベスト・インタビュー・モーメント・オブ・ザ・イヤー
ネイサン・チェン Nathan Chen
Scott インタビュービデオ、スタート!
Scott「もう一度聞くけど、好きなスケーターは?」
Nathan「スコット・ハミルトン」
Scott「ははは、はは~。そういうわけで、受賞者のみなさん
おめでとうございます」。
以上ですが、この賞には特別な権威も伝統もないことをお断りしておきます。