By Okras (Own work) [CC BY-SA 4.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons
ソトニコワ選手が競技に戻ってくる、というニュースが流れたときは、意外だった。
ソチ以来、まともに競技会で見かけることもなかったので、もう平昌オリンピックを目指すことはないと思っていたからだ。
しかも、因縁の韓国開催。マスコミ&国民からのバッシングやなんやらが待ち受けている場所に、私なら絶対に行きたくない。ソチで獲った金メダルを最後に、勝ち逃げしたいと思ってしまう。
しかし、怪我によるブランクを乗り越えて復帰してくるあたり、ソトニコワ選手はファイターだ。金メダルを獲るような選手は心臓が違うと、俄然、応援したくなってきた。
しかも、コーチを長年お世話になったエレーナ・ブヤノワから、ロシアの国宝、英雄、超英雄のエフゲニー・プルシェンコに変えるというサプライズ付きだ。
普通に考えると、ブランクから復帰して、いきなりメダルを狙うのは難しい気もするが、このバターンは、ソチでのキム・ヨナ選手と類似点がある。
「ソチで復帰したての韓国選手にメダルを獲らせてあげたんだから、平昌では復帰したてのロシア選手にメダルを獲らせてよね」っていう話もありかもしれない。
しかも、コーチは皇帝プルシェンコ。
現役時代の戦績は、「金メダルを。さまなくば死を棄権する」とばかりに、金メダル、金メダル、金メダル、棄権、金メダル、金メダル、金メダル、棄権という感じなのである。
お金も名誉もあるロシアの英雄が、見込みのない選手を引き受けるとは思えない。
もしかすると・・・ありだな。
と思っていたら、そう単純な話ではないようだ。
ロシアのweb版スポーツニュース「rsport」から、コーチ兼皇帝プルシェンコの電話インタビューを部分的に翻訳。
「プルシェンコとソトニコワは2022年を目指す」by rsport
2017年6月18日。プルシェンコ電話インタビュー
アデリナ・ソトニコワは、怪我の後、競技を続けるためにトレーニングに戻ってきた。私たちは、ロシアのナショナルチームのテストスケートに参加する予定でいる。そこで演技を見せて、連盟と専門家たちから成果の診断を受ける必要があるんだ。これは、必須事項さ。
9月にソチでショートとフリーの演技を見せるのに、完璧に元のレベルまで持っていくためには、もっと時間がほしいよ。これは、僕の計画でもあり、アデリナの計画でもある。
練習を始めたばかりのときに、不運にも、彼女はじん帯を損傷して、足に少しひびが入ってしまった。ほとんど練習ができなかったんだ。
現在は練習に入る準備が整って、互いに信頼しているけれど、怪我の精神的影響がどんなふうに練習量に作用するかを、理解しておくことが重要なんだ。
すべてが彼女の心身の健康に問題ないとわかれば、彼女はナショナルチームに戻って、最高レベルの演技をするだろう。アデリナは、すばらしいアスリートであり、すばらしい女性だからね。
ただ、ことを急いて、「すべてがOKだ」なんて言いたくないよ。大変な時期もあったんだ。怪我の後は、たいてい大変なんだ。アデリナはすばらしいファイター。
でも、オリンピックで優勝して、また競技に戻ってくるのはすごく難しい。とくに、最初の復帰が期待通りにいかなかった場合はね。
でも、物語は終わってない。僕らは、平昌の後に、次のオリンピックに向けて準備するつもりだ。もちろん、2018年のオリンピックに集中するけど、それにはとてつもない努力が必要だよ。