こんばんは。アイスダンスを見ながらブログを書いている種子島ぴーです。
宇野昌磨選手の怪我が少しでも回復するように、できるだけ時間がゆっくりと進んでほしいのですが、なぜだか飛ぶように過ぎていきます。
女子のフリーが始まる前に、昨日の男子ショートで、印象に残った選手について書きとめておきたいと思います。
ロシアの雪豹ミハイル・コリヤダ
「昨日、散髪して参りました!」といった感じのキリッとヘアで、二コリともせずに現れたコリヤダ選手。これこれ、これです!! こういう雪ヒョウのような透明感というか、誰にでもなつかない感じがコリヤダ選手の魅力です。笑うと可愛くなってしまうけどね。
オリンピックのときよりも精悍な顔つきで、しびれるような4T+3T。続きまして、美しき3Lz、キレキレの3Aとジャンプをすべて決めて、遂に100点越え!
本当によかった(涙) オリンピック・アゲインってことになったら、寿命が縮まるところでしたよ。 コーチの表情も、とてもわかりやすいですね。
平昌オリンピックの団体戦2本、個人戦2本でジャンプが散々だったときは、コーチが石化してしまったかと思いましたよ。
しかし、今回は、魔法から解けたかのように、表情がやわらか。
そして、あんなに恐ろしい目にあったオリンピックなのに、コリヤダ選手は「とてもいい経験だった」と振り返っています。
「icenetwork」さんの記事より抜粋意訳
コリヤダは、オープニングの4回転トゥ+3回転トゥを着氷すると、たたみかけるように力強い3回転ルッツとトリプルアクセルを、モーツァルトの楽曲に合わせて跳んでみせた。すべての要素がレベル4.
23歳のコリヤダのプログラム・コンポーネント・スコアは45.22で、ネイサン・チェンより少し高かった。が、テクニカルスコアは54.86で、2位となった。
「やろうとしたことすべてができました」と、2度のロシア選手権チャンピオンは言います。
「プログラムを少し簡単にしましたが、うまく演じられたのでうれしいです。すべてがうまくいきました。今日の僕は、戦闘モードでした。そして、いい気分でもありました。どうやればいいか分かっていることをすべてやって、しかも上手くいったんです」
セントペテルスブルク出身の彼は、プログラムの難易度を下げるために、意図的に4回転ルッツをショートからはずした。このため、ミスなくクリーンな演技をすることができた。
また、コリヤダは、オリンピックは間違いなくとてもよい経験だったと感じていた。
「何が成し遂げられようと、そうでなかろうと、ポジティブな感情しかありません。どのアスリートにとっても、重要な大会です。それは、人生における夢です」
「オリンピックの後、僕はいくつかの決断をし、練習を続けました。奇妙に聞こえるかしもれませんが、表彰台に上がるためには、表彰台に乗ることを意識するべきではありません。やることをやるだけです」
フリーにも、同様の構成で臨むつもりでいる。
演技が終わった瞬間に本人が言った「OK」も新鮮。ロシアの人も「OK」って言うんだな・・・万国共通か。
歌うデニス・ヴァシリエフス
ショートでもっとも音楽性を感じたのは、デニス・ヴァシリエフス選手。すばらしい音楽との一体感!! 体から歌声が聞こえてくるようです。・・・と思ったら、ほんとにデニス自身も歌っていました。
この曲を滑る時は、いつもだいたい歌っていますが、今回は気分が乗っていたのかもしれません。ずっと歌っていたように見えました。
しかし、何と言ってもプッチーニの歌劇『トスカ』。腹から声を出す歌唱が求められます(スケーターでも?)。ジャンプも跳べば、スピンもする。その合間にステップと歌唱。顔がいつにもまして紅潮して、大変そうに見えました。
あまりに気持ち良さそうに歌っているので、何を歌っているのか調べてみました。
ウィキペディアさんとyoutubeさんによると、「妙なる調和」は、教会の壁に絵を描きながら、テノールの男性がはしごの上で歌う曲のようです。オペラに詳しい方、無知はご容赦いただきたい。
「恋人の歌姫トスカと、画のモデルになっている女性と、天はそれぞれに美を与えたもうた。二つの異なる美が調和している。しかし、わが心はトスカに」という愛の歌らしい。繰り返しますが、オペラに詳しい方、私の無知をご容赦いただきたい。
(歌詞)
黒髪のトスカは僕の恋人~♪
もう一人は、金髪の美しい人~♪
それぞれの美しさを一つに溶かし、なんという妙なる調和~♪
(しつこいですが、オペラに詳しい方、無知はご容赦いただきたい。)
黒髪のトスカは僕の恋人~♪ (えっ、黒髪?)
もう一人は、金髪の美しい人~♪ (えっ、金髪?)
それぞれの美しさを一つに溶かし、なんという妙なる調和~♪
・・・これは、もしや・・・2人のための歌?
でもって、ランビエール伯爵の反応もわかりやすい。
オリンピックのショートでデニスが3Aを失敗した後のキス&クライでは、「あ~は~?」って感じで両手を広げて冷酷な表情でしたが、
今回は、最初からお膝がデニスのほうを向いちゃってます。そして、耳元でウィスパー・トーク。近い! 近~い!
あの衣装で登場、ネイサン・チェン
そして、遂に登場ネイサン・チェン!!
意外なことに、オリンピックで大失敗したときの衣装を着ているじゃあーりませんか!!
これはすごい。よっぽど着るものにこだわりがないか、ゲンをかつがないか・・・いや、そんな凡人の考えは失礼だろう。
思うにネイサンは、同じ衣装で同じプログラムを完璧に滑って、ベンジャミン・クレメンタインさんの「ネメシス」と、シェイ=リーン・ボーンさんの振付と、ヴェラ・ウォンさんの衣装と、自分自身の演技の記憶を、すばらしいものに塗り変えたかったのではなかろうか。
ネットのニュース(?)的なサイトに「チェンは〝亡霊の除霊に成功した〟と海外も称賛」みたいなタイトルの記事があったが、その訳はあっているのか??(笑)面白いけど。
icenetworkさんのインタビューから、抜粋して意訳
「世界選手権の出だしには、とても満足しているよ。特に、オリンピックで2度もキビシー、ショートの演技をした後ではね。ショートをもう一度滑る機会があって、うれしいよ。汚名をそそぎたかったんだ。(注:除霊ではないようです)。そして、ついに、ここでやれたことを誇りに思うよ」
ラファエル・アルトゥニアンコーチの元でトレーニングをしてきたネイサンにとって、オリンピックに行くことは夢であり、それがかなった。
「オリンピックに行きたいから、スケートを始めたんだ。だから、オリンピックに行けるのは本当にワクワクしたし、すばらしい経験だった! 開会式はものすごかったし、団体戦でチームのみんなと表彰台に上がったのは、すばらしい経験だったよ。
オリンピック全体を考えればジェットコースターのようだったけれど、すべてのことが、自分が思い描いていた通りかそれ以上のものだった。その経験の一部に自分がいられたことが、とても幸せなんだ」
フリーは、できるだけクリーンな演技がしたいと思っている。どの種類の4回転を何本跳ぶかは決まっていない。
「状況は変わる。フリーまでまだ日があるので、じっくり考える時間があるよ。順位については、過去にもいろいろ意識したことがあるけど、そういうことを考えるとロクな結果にはならなかった。だから、現時点での賢い選択としては、自分がコントロールできることに集中して、試合の場に出ていって楽しむこと、できる限り最高の滑りをすることだと思う」
「オリンピックで多くのことを学んで、それを活かして、ショートの演技に臨んだんだ。やったことは、そんなに変わっていないけどね。演技により集中したことぐらいかな。それが、オリンピックでつまずいた部分だったので。オリンピックの経験は、本当に今回の助けになったよ」
またしても、ひじょーに長いブログを、最後までお読みいただきありがとうございました。