オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

コリヤダ選手、ランビ伯爵&ラファ親父と新しい経験を。ゴールデンスケート記事翻訳。

 こんばんは。長野で「Heroes & Future 2018 in NAGANO」が始まったと同時に、関係ないロシアの雪豹ミハイル・コリヤダ選手の記事を、あえてアップしようという種子島ぴーです。

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雪原を翔る雪豹のようにしなやかで美しく、近寄りがたい雰囲気のコリヤダ君。しかし、演技を終えて笑っているときは、キュートでおちゃめな雰囲気です。

ロシア男子シングル、トップスケーターの地位を得て、平昌オリンピックで奮闘した雪豹コリヤダ君。
団体戦SPが、転倒続きの凍りつくような演技になってしまい、「あんな演技をしてはダメだ。一緒に団体戦に出ていたら、ロッカールームで叩いていたよ」と、マキシム・トランコフに言わしめたコリヤダ君。ロシア、マジで怖いんですけど(汗)。

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チーム一丸となっての石仏化。見てる私の寿命も縮まりましたよ。


コーチが石仏のような表情になっていたのは、愛弟子コリヤダ君の将来を案じてのことだったのかもしれません。その後、世界選手権で銅メダルを取ったときは、多くのファンがほっとしたのではないでしょうか。

そんなコリヤダ君、本当はとってもキュートで明るいコリヤダ君の近況を、「ゴールデン・スケート」の記事からさくっと抜粋意訳します。

 

コリヤダ選手の新シーズンSPは、ランビエール伯爵の振り付け。

goldenskate.com

 

昨シーズン、ロシアのミハイル・コリヤダ君は、実力を高め、平昌の団体戦銀メダルを含めて、参加したほとんどすべての大会でメダルを獲得して、トップスケーターとしての地位を確立しました。

 

ほがらかな23歳の彼は、3月末の世界選手権で、2011年以来初めて、ロシア男子選手として銅メダルを獲得しました。

 

テネリフェ島でのバカンスから戻ったコリヤダ君は、5月22日、ロシアのセントペテルスブルクの北部にある、ホームリンクのフィギュアスケートアカデミーで、練習を再開しました。

「新しいシーズンは、もう始まってるよ」。
そう言って、練習のファーストセッションを終えたあと、インタビューに応じてくれました。世界選手権の後、ロシアチャンピオンである彼は、とても忙しかったそうです。

新しいスケート靴を慣らし、新しいフリープログラムに取りかかり、レースガフト大学のスポーツ科学の修士論文に取り組み、そしてバカンスに出かけました。

 

そして、今、新しいシーズンの準備が佳境に入っているところ。

「いくつかのプランが進行中で、3つのトレーニングキャンプに行く予定。最初のキャンプは、スイスでステファン・ランビエール伯爵とのものなんだ」と、コリヤダ君は話してくれました。  

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昨シーズンもランビエール伯爵とトレーニングをしており、スケーターとしての成長をとても助けてもらえたと感じているそうです。

 

「ランビエール伯爵が、僕の新しいショートプログラムを振り付けてくれるんだ。曲はまだ探している最中で、いくつか違ったアイディアがあるよ」

二つ目のトレーニングキャンプは、チェボタリョーワコーチと練習仲間と一緒に、3週間ほどラトビアに行く予定。

 

ラファエルに会うのが、とても楽しみ。ネイサンとも練習できるかな。

そのあと、7月半ばに、チェボタリョーワコーチと一緒にカリフォルニアのレイクウッドに行って、ラファエル・アルトゥニアン親父コーチのところへ行こうと思っています。


コリヤダ君自身、ラファエルとトレーニングをすることを、熱望していました。ラファエルは、3年連続でアメリカのベストコーチになったことで知られていて、この件になると、コリヤダ君は饒舌になりました。

*「ベストコーチ」という賞があるというよりも、アダム・リッポン、ネイサン・チェン、ネイサン・チェンと、3年連続、教え子がチャンピオンになったことを指していると思われます。本当にそんな賞があったらすみません。

 

「(コーチに教えてもらうだけではなくて)現世界チャンピオンであるネイサン・チェンが、ラファエル・アルトゥニアンのトレーニンググループにいて、練習でスパーリング・パートナーになれることが、すっごく楽しみなんだ」

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コリヤダ君とはロシア語で会話ができるので、ラファエルコーチも教えやすいのでは。

 

「きっと、僕がまだ知らない新しいことを知れると思う。すべてを知っている人なんて、いないさ。僕らは、経験に相乗効果を与えるために、そこへ行く。ここで経験することと、あっちで経験することと」

 

コリヤダ君はまた、カリフォルニアで未知の発見をすることを楽しみにしています。

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「カリフォルニアは、世界の反対側にある。僕は、そこが気にいると思うよ。海があって、太陽があって。(セントペテルスブルクと正反対ですね)。人々が、どんなふうに暮らしているかを見るのは、興味深いよ」

 

ジャンプの安定感を高めたい。

今日の男子シングルスケーターで、最高レベルのジャンプを跳ぶ彼は、もっと安定性を身に付けたいと考えているようです。それを達成するために、彼とコーチは、彼と他のスケーターたちのジャンプを分析し、一定の結論を得ています。

 

「プログラムの中に要素をどう配置するかを、もっと注意深く考える必要があると思う。どこの休憩部分を長くするか、短くするかといったことも含めて。微細な部分だけど、効果はあると思うよ」

 

「大学の教授が言うには、大会のプログラムの中でジャンプを成功させるには、10回跳んだら11回跳べるくらいの自信を付けないといけない。自信が付けば、どんな場所のどんな状況であっても跳べるって。

 

だから、ジャンプをたくさん跳んで、大会ごとに自信を構築していっているんだ。でも、明らかに、まだ10回跳んだら11回跳べるという領域には達していないんだ。一般的に、ジャンプを習得する過程は、時間を要するからね」

 (中略。フリープログラムが4分半から4分に短縮されるかもしれないけれど、正式な発表待ちだ・・・といった話)

 

コリヤダ君は、4分のプログラムは、4分半より大変になると感じています。

「すべてのジャンプやスピンをこなすのに十分な時間がないから、ほとんどのスケーターは、プログラムの中で休めないと思う。ジャンプを一つ減らして、演技時間を30秒減らすと言うけれど、ジャンプ1本でそこまで時間はかからないので、プログラムはもっと激しいものになるだろう。それは、100%確実だよ」と指摘します。

 

「ジュニアでスケートをしていたとき、フリーは4分間だった。シニアに上がって6年経つから、どんなふうに滑っていたか、思い出さなくちゃ」

 

新フリーの曲はクラシック。

カリスマ性を持ったスケーターであるコリヤダ君は、フリーの曲をまだ明かしてくれません。


「すっごくよく知られた曲で、パワフルな曲で、クラシック音楽だよ」


曲を自分で選んだことも教えてくれました。
「ずっと好きだった曲で、ずっとやりたいと思ってた曲。じゃ、やるしかないよね」


「この曲から何かを感じるので、いい選曲だと思う。キャラクターに似ているわけではないけど、キャラクターが好きだし、演じられると思う」


コリヤダ君は、現時点では秘密にしたいと思っています。
「ちょっと、策があるからね」と、笑って言いました。

(中略)

オリンピック団体戦SPの後の心境。

平昌オリンピックの団体戦ショートのキビシイ演技を終えた後、コリヤダ君は、ロシアのマスコミとファンたちにものすごく批判され、軽蔑され、嫌われてしまいました。(そんなぁ~)

 

でも、チームメイトと彼に近しい人々からの、サポートも受けたということです。

 

「ショートプログラムが終わった後、とてもつらかったよ」と、コリヤダ君は振り返りました。

 

「どうやって家に帰って眠りについたか、覚えていないんだ。完全に、途方に暮れていたからね。何もしたくなかった。スケートをしたくなかった。生きていたくなかった。食べたくなかった。眠りたくなかった。何もしたくなかったんだ」(←これは泣けますね)

 

「手を差し伸べてくれた人はいたよ。もちろん、チームのみんなが助けてくれた。メールをくれたり、電話してくれたり・・・で、それらのことが少しずつ助けになって、なんとか立ち直って、別のやり方でフリープログラムを滑ったんだ。後から二つの演技を見ると、ショートとフリーを見比べると、別人が滑っているように見えるよ」

 

9月初頭にモスクワで行われるロシアのテストスケートで、新プログラムを披露します。そして、オンドレイ・ネペラ杯とフィンランデイア杯かタリン杯のどちらかのチャレンジャー大会に出てから、グランプリシリーズ2大会に出る予定です。

選べるなら、中国杯にもう一度出たいそうです。

(翻訳ここまで)

 

やはり、団体戦のプレッシャーは、選手にとって半端ないですね。

だからこそ、カナダのテッサ・ヴァーチュ&スコット・モイアが、短期間に4つの演技を完璧に見せたことは、神業とも言えるわけですが。

しつこいですが、団体戦は個人の後にやってほしい。そして、雪豹コリヤダ君が、カリフォルニアの太陽の下で、ラファエル親父の指導を受け、新境地を開いてくれることを願っています。