オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

手ピカジェル

こんばんは。ブログの更新が滞っていた種子島ぴーです。

母が緊急入院した。という知らせを受けて、
札幌に行っていました。

母の入院

緊急病棟のベッドで、
たくさんのチューブを通されて横たわっていた母。
痛みを感じずに休めるように、薬を投与されて眠っていた。

母の寝顔を見つめて、髪の毛をそっとなでる。
「気持ち良さそうに眠ってる。助かってよかったね」。
マスクで覆った私の顔は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。

「緊急病棟で、鼻をかんでもいいのだろうか」。

どうでもいいことが頭をよぎる。

やがて、うっすらと目を開けた母。
「-*・*・」。唇がかすかに動く。
何か言っている。聞きとろうとするけれど、
口にチューブが入れられているので、声が出ない。

「痛いの?」。ううん、と母の首が動く。
「-*・・・**」。
長い言葉を発しているのに、聞きとることができない。
唇の動きを見つめて、必死に理解しようとするけれど、わからない。

「いつ来たかって?さっきだよ」。あてずっぽうに答える。
どうやら不正解らしく、母の口元がゆるむ。

あれ、笑ってるの?
唇の動きを読むのが、こんなにむずかしいとは知らなかった。

まだ死なないでよね。
もし死んだら、「最後の言葉、なんて言ってたんだろう」って、
ずっと悩み続けると思うから。

「頑張りすぎだよ。ゆっくり休んでね」。
母の髪をもう一度なでる。つやつやしてる。
本当に病気なの? うそだったらいいのになぁ。

面会時間が終わって外に出ると、
札幌は、もう風が冷たくなっていた。
ユニクロの携帯ダウンジャケットを取り出して着る。

横浜の「フレンズオンアイス」を見に行った時、
会場が寒いから急遽買ったダウンだ。


「入院用のシャンプーとボディソープを持ってきてください」と看護師さんに言われたので、ドラッグストアに探しに行った。

すてきなシャンプーを買いたいな。
入院生活のお風呂が楽しみになるような、ね。

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でも、ドラッグストアに置いてあるシャンプーは、
病人にやさしいシャンプーが、意外とない。

「フレグランス」とか「スカルプケアでスカッ」とか。

「そうだ、あのシャンプーがあるといいな」。
思い出したのは、使ったことがある「 uruotte」というシャンプー。
良質な原料が使われていて、リンスなしでも髪がやわらかくなるし、
アロマティストがブレンドした香油に、ものすごく癒される。

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ナチュラル&シンプルヘアケア uruotte(うるおって)


札幌の東急ハンズにあると聞いて、買いに行った。
よかった、売ってた!! でも、こんなに値段高かったっけ?
小さめのボトルで3000円もするぅぅ。でも、買おう。

 

次は、ボディソープを探して街をさまよう。
迷いに迷って、松山油脂の「釜焚きせっけんボディソープ」にした。
使ったことないけど、どうかな。


途中、ドラッグストアの棚であるものを発見して、こわばっていた表情がゆるむ。

 

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これは・・・「おでかけホルダー付き 手ピカジェル」

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手ピカジェルと共に帰国した平昌オリンピック選手団の若者


大笑いとはいかないけれど、
マッチ1本ぐらいの明りが、ぽっと心に灯った気分。

やっぱり、「おひさましょうま」だね。

 

ホテルにチェックインして、
買ってきたシャンプーとボディソープに
マジックで母の名前を書く。

しまった。ボトルの容器って字が書きにくい。
幼稚園児みたいな字になっちゃったよ。

よし、メッセージを書いてごまかそう!!
「早く元気になってね」。

うーむ。ますますひどい。
こーなったら、イラストも描いちゃおう。

無意識のうちに描く自画像は、8歳くらいの女の子だ。
本物の私は、すっかりおばさんなのにね。
母にとって私は永遠に子どもだから、いいことにしよう。

「願わくば、使い切る前に退院できますように」。

落書きしたみたいになっちゃった高級シャンプーとボディソープを、私は丁寧に袋にしまった。