こんにちは。「頭髪の日」の10月20日、ワシントンのエヴァレットで開かれたスケート・アメリカ男子SPのざっくり感想です。
これからビデオや放送を見る方は、ネタばれがありますのでご注意ください。
スケート・アメリカ男子のSP、すごくよかったです。
第二グループから真剣勝負でいい演技が続いて、パワーをもらいました!!
日本のテレビ放送も、全員の演技を流してくれるといいのですが・・・どうかな。
まず、出場選手紹介の前から、会場にはのりのいい音楽が流れ、観客からは歓声と手拍子。大盛り上がりの予感。
第一グループから見ごたえあり!!
トップバッターは、自国開催枠のジミー・マ。
ジュニアから上がってきた選手だったと思いますが、とても堂々としていました。
冒頭の4Tで転倒、3Fと3Tの間にステップアウトが入っちゃったりして点数は伸びなかったのですが、キス&クライでも「サンキュー ガイズ!!」を繰り返す“漢”といった感じでした。
2番滑走は、マレーシアの大スタージュリアン志傑乙。アジア中華圏で大人気のTV俳優みたいな顔をした選手ですが、世界の舞台に出てくると気後れしている様子が感じられることが多々ありました。
が!!今回のジュリアンは、下半身に安定感があり、ジャンプの着氷も万全。
冒頭の4Sも難なく決めて、3Aは高さがあり、3F+3Tも危なげなく着氷。2段階ぐらいうまくなっていて、びっくりしました。
81.52点で、SP3位です。好犀利!!
三番目に登場したのは、ラファ親父門下のロマン・ポンサール(フランス)。ラファ親父、大忙し。リンクに入る前のロマン兄さんに声をかけて、足早に去っていきました。
冒頭の4Tを素晴らしく決めたものの。3Aでリンクの際まで行ってしまい、着氷で苦戦。コンビネーションはルッツと2回転になり、手足が長く美しくも力強い演技をしたのですが、点数は伸びず。SP8位です。
お次はまたまたラファ門下、欧州のおしゃれ番長ミハル・ブジェジナ。
冒頭の4S+3Tのコンビジャンプが美しくきまって、「おおっ」と思ったものの、2つ目のジャンプが1回転でパンクし、ノーカウント。しかし、3Aを決め、全体的に力強さを増した演技でステップやスピンのレベルを取り、思ったより点が出て、82.09でSP2位。
「思ったより点が出た」というのは、おしゃれ番長を迎えるラファ親父の態度が、なんだか若干冷たくて・・・
「怠け者のあいつに練習させるのは、たいへんなことだ」とインタビューで答えていたので、ジャンプの失敗に怒っていたのかなと・・・
このまま台乗りか? それとも、フリーでみんなの巻き返しに合うかは不明です。
続いて、お帰りなさいのケビン・レイノルズ。
アイリッシュミュージックに乗せて、4S+3T、4T、3Aと、4回転2本に挑んできましたが、刺さりまくり、両足着氷とすべて減点されて、本人もびっくりの点数になってしまいました。最後のコリオの終わり方が素敵だったのですが・・・。現在最下位。NHK杯で挽回してほしいです。あ、その前にフリーで挽回だ!!
続いて、カナダ期待のナム君。
ナム君は、調子に乗っていないというか、何かが噛み合っていない様子でした。あくまでも私がそう感じただけですが。現在9位です。
第二グループは、やっぱりネイサン!!
トップはヴィンセント・ジョウ。
冒頭の4Lz+3T(タノ)を鮮やかに決めた!!ように見えたのですが、ルッツが回転不足、続く4Fはエッジエラー。3Aも回転不足。
演技を終えた時点では、本人は感極まったような表情だったのですが、あっと驚く6位でした。
続いて、ジョージアのモリス・ケヴィテラシヴィリ。
4回転2本を組み入れた構成でしたが、冒頭の4Sで転倒。3Aは美しく決めましたが、4Tで激しく転倒。コンビネーションに出来ませんでした。
ジャンプで減点されまくって、現在11位。やはり、SPで4回転を2本入れるのは、リスクが高いですね。
と、ここで、4回転は入れない構成のマッテオ・リッツォが登場。
冒頭は、とても流れのある3Aで加点を稼ぎ、3Lz+3Tもしっかり決めて加点。3Fはエッジエラーが付きましたが、安定感のある演技で78.09。5位です。
ここで、会場の大声援を受けて、ネイサン・チェンが登場。
音楽が流れた瞬間から、私ものりのりです。
結論から言うと、「キャラバン」すごくよかった!!表情豊かで、最初に見たときよりも表現力がぐーんとアップ。
4回転ではなく3Aから始めるのが新鮮。もともとは、3Aがむしろ鬼門でしたが、今は4回転から始めるよりも、気が楽なのでしょうか。
3Aでもりもり加点、4Fは回転不足とエッジ注意が入りましたが、3Lz+3Tもしっかり加点がついて、いいスタートが切れたのではないでしょうか。
90.58でSP1位に。グランプリ・シリーズ初戦なので、点数が高いのか低いのかまだわかりませんが、ここがライバルたちの基準になってくるでしょう。
おっと、ここで試合終了ではありません。
次は、セルゲイ・ヴォロノフです。
美しく力強い演技を見せました。
冒頭の4T+2Tは危なげない着氷。3Lzの着氷でバランスを崩し、3Aは両足着氷。ちょっと得点が伸びなかったかな。演技の終わり方は粋な感じで素敵でした。
現在4位ですが、デニス・テン振り付けのフリーで、確実に巻き返してくるでしょう。
最終滑走はイスラエルの英雄アレクセイ・ビチェンコ。
ジャンプのタイミングに苦戦している様子で、冒頭の3Fは、ふわっと浮きましたが、加点がしっかり付いていました。4回転を跳びかかったようにも見えましたが、どうでしょうか。
続く3Aはステップアウト。最後のコンビネーションは、2回転ルッツに3Tを付けていました。予定では3回転のコンビだったのではないかと推測します。
スピンもステップも勢いがなく、本調子ではなさそうです。
フリーでは、ネイサンがぶっちぎりで2連覇なるか、ヴォロノフとヴィンセントが巻き返すか。ジュリアンとブジェジナは、どこまで健闘できるのか。そのあたりが楽しみです。