こんばんは。種子島ぴーです。
NHK杯の会場は、いつもながら素晴らしい空気に包まれていましたね。
最近は、アメリカやイタリアで開催される大会も盛り上がってきたと感じますが、やはり日本の会場の一体感と選手への温かい空気は段違いだと思います。
さて、クリーンに滑ったのがセルゲイ・ヴォロノフただ一人という、渋い展開だった男子シングル。点数も全体的に渋く、アリエフが滑る前は80点台に乗せる選手がいなくて、見てるこっちが心配になりました。
そんな中、本日印象に残ったことの覚書。(敬称略)
山本草太のトリプルアクセル。
「G線上のアリア」という音楽の影響もあると思いますが、毎回、祈りながら見てしまう山本選手のショート。去年も祈るように見ていたので、もしかすると曲は関係ないかもしれません(笑)。
線が細いのと衣装にシースルーのヒラヒラが付いていることが多いので、妖精みたいなイメージがあるんですよね。ピーターパンに出てくるティンカーベルと申しましょうか。
冒頭のものすごーく幅のあるトリプルアクセルが、とにかく見事でした。昨年後半、ようやく跳べるようになってきていた3Aが、ここまで安定して進化しているなんて!! 草太ファンは涙しているのではないかと推察します。もっと加点があってもよかった。
昌磨のリュックが重たくなっていく件。
前グループの演技途中に、会場入りする昌磨がカットイン。リュックにぶら下がっているものが、どんどん増えていく昌磨。歩くたびにポヨン、ポヨンと赤いルークが飛び跳ねていました。
なんだかすごい曲名
ケビン・レイノルズ「幻獣の街」。
ヴィンセント・ジョウ「脱出創世記」。
文字で見ると、なんだかすごい。
「幻獣の街」は、ゲーム「ファイナルファンタジー」の曲ですね。こんなタイトルだったとは!!
「脱出創世記」は、鉄拳のパラパライラストでも知られたミューズの「エクソジェネシス」?? 日本語にすると怖ろしい生き残りゲームでも始まる雰囲気ですが、悲しめの曲です。
何を想うヴィンセント・ジョウ
で、その「脱出創世記」を滑ったヴィンセント。母国開催のスケート・アメリカでは、ジャンプの回転不足をバンバン取られて物議をかもしました。
今回も、ビューティフォーに決まったと思われた4回転ルッツと3Aに刺されてましたね。演技が終わったときの、ヴィンセントの憂いを帯びた表情が、なんだかとても気になりました。「脱出創世記」の世界に感情移入していただけならいいのですが・・・。
1曲まるごと歌うデニス・ヴァシリエフス
ハデハデなイエローのパンツが、なぜか似合ってしまっていたデニス。コーチが、シマウマの衣装も着こなすランビ伯爵とあっては当然か。
イエローパンツもすごいが、SP曲「パパはローリング・ストーンズだった」を、最初から最後まで歌いながら滑っているのもすごかった。
1曲まるまる歌うって言うのは、昨年のEXでマイクを手に「ダイアモンド」を歌ったアダム・リッポンをのぞけば、デニスだけではなかろうか。いつも思うのだが、疲れないの? むしろ腹に力が入って、ジャンプがうまく跳べるのか?
アリエフの雄弁な手のひら
当代一の手のひらの遣い手アリエフ。今回も圧巻でした。いやー、美しい。どうすればあれだけ、手のひらで感情を表現できるのか。
しかし、あれ、左手薬指に指輪? そうなの?そうなの~??
ラフマニノフが憑依したヴォロノフ。
本日の主役は、ディフェンディング・チャンピオンのセルゲイ・ヴォロノフ。演技前から、格闘技のリングに上がったような、いつもと少し違うテンションでした。
すべてのジャンプを決め、「ラフマニノフが鍵盤を叩いています」コリオにも熱が入っていたので、観客席の盛り上がりに後押しされて、審判が100点を出しちゃうのでは??と思いました。が、さすがにそうはならなかった(笑)。
コンビネーションジャンプを入れられなかった昌磨より点数が低くて「あれ?」と思われそうですが、ジャンプの入りとかつなぎとかステップとか、若干、淡泊な仕上がりとなっております。
明日は、デニス・テン振り付けの入魂のフリーを見せてくれそうです。
昌磨あぁぁぁ
6分間練習で冷静に完璧にジャンプを跳んでいたので、こういうときは・・・と思って見ていたら、こういうときの展開になってしまいました。
ただ、4回転のコンビネーションは「思い切り行った結果なので、試合に関して心残りはない」ということなので、私も心残りはありません。
曲の世界に入り込んでいたし、ステップはいつもよりすばらしかったので、集中力と気合はあったのだと思います。ショートで点数が伸びなかったときは、フリーで鬼演技を見せることが多いので、明日が楽しみです。