選手紹介でリンクに入ってきたときから、一切の笑顔なし。
いつものピロピロピロ~って手を振るしぐさもない。
「これは、なんかあるな」と思ったら、6分間練習でも、ゆ~らゆらとリンクを周回。
こういう時の昌磨は、不調です。
ぶっつけ本番で行くんだなと思っていたら、アクセルジャンプを跳びかけてパンク。
この場面で足を痛めたかのような解説でしたが、もっと前から痛めていたような気がします。
足をわずかに引きずりながらスタート地点へ向かう昌磨に、見ているこっちが途方に暮れてしまって、
手を合わせて画面を見つめていたら、テレビの向こうの客席にも、私とまったく同じポーズの人が(笑)。そうなりますよねー。
新しい衣装は、「天国への階段」というより、もう少し戦闘的な印象。
今日の状況には、とても合っていたと思います。
「やるしかない」と、覚悟を決めた表情が、前代未聞にかっこいい。
これまでは、どんなにキリッとしていても、数%の“天使のエッセンス”が入っていた。
でも、今日は完全に糖度ゼロのビター昌磨。
冒頭の4Fは、転倒するんじゃないかとビクビクしていたけれど、加点3.61の最高の出来でした。なんと!!
最初のジャンプに成功すると、次のコンビネーションで何かが起こることが多かったので、ビクビクしていると、軽やかな4F+2Tで加点2.58。なんと、なんと!!
グランプリシリーズでの転倒が頭をよぎった3Aも、飛距離があって加点2.63。
えぇ~?! この状況で、有言実行? ほんとにジャンプを全部決めてくるとは!!
その後のステップでは、何度も苦痛で顔がゆがむ。
膝を付いてターンするシーンでは、口が「痛い」と動いていた。
エッジがいつもより深くなかったから、足首をやられているのでしょう。
フライングキャメルでも、苦痛の表情。
頑張れ、頑張れ!!
私が祈るまでもなく、はるかにその上を行く演技を見せる昌磨。
演技終了と同時に、見たこともないほど力強く、振りかぶってガッツポーズ。
「どんなもんだ~い」
すごいもの見ちゃった。
会場のみなさんが、スタンディングオベーション。
私も部屋で一人で、スタンディングオベーション。
一分以上、手を叩き続けました。
あぁ、いい夜だ~
「言い訳にしたくないので、フリーが終わるまで、足がどういう状況かはコメントを控えます」と、昌磨。
うん、それでこそ、宇野昌磨だ。
私も心配せずに、フリーで今季最高の「月光」を見せてもらえるものと、期待して待ってます。