オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

山本草太選手の力強い信長。彼はもう妖精ではなかった。

山本草太選手が、オランダで開かれているチャレンジカップの男子シングル部門で優勝しました!!

おめでとうございます!!  とてもとても意味がある優勝だと思います。

f:id:tanegashimapi:20190224032502j:plain


なんと言っても印象に残ったのは、山本選手がもう妖精ではなかったということ。

怪我から復帰してからの演技は、彼の持ち味でもあるのですが、繊細でガラス細工のようで。

「頑張れ」「足首は大丈夫か」と祈りながら、私の目にはいつも、ティンカーベル(ピーターパンに出てくる妖精)が見えていました。

でも、今回は違いました。

6分間練習のときから、ほかの選手とは別格のオーラを放っていて、画面の奥で滑っていても、すぐにわかりました。

SP「G線上のアリア」では、冒頭で4回転をあまりにも軽々と跳んだので、「本当に4回転だったのか?」と、思わずネットで採点表を探してしまいました。正真正銘の4回転トゥループでした。

今日のフリーは、「信長協奏曲」。
好きな曲なので、毎回、じーんとしていましたが、今思えば、信長であるということよりも、一歩一歩復活に向けた階段を昇る姿に感動していたのだと思います。

でも、今日は、彼のストーリーではなく、信長が見えました。

自信に満ちて跳んだ4回転トゥループの後に、審判席の前を通り過ぎるときの表情と言ったら!!

審判一人ひとりとしっかり視線を合わせて、睥睨(へいげい)するというか、「うむ、よかろう」みたいな視線は、威厳に満ちてまさに殿様です!!

もちろん、「信長協奏曲」が表現したいのは織田信長の伝記ではなく、信念だったり勇気だったりするわけですが(笑)、「あ、これまでと違うぞ」と思いました。

ジャンプの着氷は力強く、ステップは骨太で、イーグルは「俺を見ろ」と言わんばかりに堂々と。

ほぼノーミス。すばらしい「信長協奏曲」だったと思います。

そして、オランダの客席で揺れる日の丸にも感動。ファンってすごい。
この日まで山本選手と伴走してきたファンの方々にも、おめでとうを言いたいです。

この大会は、間違いなく山本選手の大会です。