こんばんは。今日の東京は、気温26度。ハワイに行きたい種子島ぴーです。
さて、国別対抗戦のとき、ヴィンセント・ジョウ選手に濱田コーチが付いているのを見て、「おや?」と思った人も多いのではないでしょうか。
以前にも、「濱田コーチの指導を受けた」と話していたヴィンセント。ちょっと興味を持ったので、ジャパン・タイムズの記事の該当部分を訳してみました。
話はそれるのですが、私の記憶では、ジュニア時代のヴィンセントには、コーチが4人いたと思います(人数が違ったらすみません)。
そのときに読んだ記事では、アメリカでは、将来有望な選手はコーチとしても取り合いになる・・・というようなことが書かれていました。
だから、チームとしてコーチが4人いるというよりも、東京に1人、大阪に1人、ジャンプで1人・・・みたいな感じだったと思います。
*意訳、要約を含む部分訳です。
実り多きパートナーシップ:濱田コーチ、ジョウ選手の成功を手助け
BY JACK GALLAGHER
時として人生には、「出会うべくして出会った人」がいます。
クラスメイトだったり、チームメイトだったり、同僚だったり、教師やメンターだったり。
出会った最初から時を経て関係が花開くまで、そこにはコミュニケーションと相手への尊敬の念があります。
それが国や世代を越えたものであるとき、本当に何かすばらしいものに成り得るのではないでしょうか。
それは、世界選手権の銅メダリストヴィンセント・ジョウと濱田美栄--互いへの称賛を増しているアメリカの若いスケーターと日本のベテランコーチ---にも当てはまります。
濱田は、ヴィンセントのコーチがコロラドに留まっていたため、先週の国別対抗で彼の面倒をみていました。
大会でジョウは、チームメイトであり世界選手権王者のネイサン・チェンを、あと少しで抜こうかという演技を見せました。18歳のジョウは、わすが2点ちょっと、チェンに及ばなかっただけだったのです。
何年もの間しばしば、私たちは日本人スケーターたちが、練習と技術向上のために、海外に出て外国のコーチに師事するのを耳にしてきました。
だからこそ、濱田がジョウを、世界選手権と国別対抗戦でサポートしたことが、新鮮に感じられたのです。
(中略)
濱田コーチとヴィンセントが、別々のインタビューで相手について話してくれました。
どのようにパートナーシップがスタートしたのかたずねると、濱田は「ヴィンセントのメインコーチであるタミー・ギャンビルに、彼を教えてくれないかと頼まれたんです」と答えました。「2年ほど、ヴィンセントを教えています」。
「言葉の壁が障害になることは?」
「技術用語は共通なので、スケートについて話すのは難しくありません」
「ヴィンセントが次のレベルに進むには、何が必要だと思いますか?」
「エッジとスケーティング技術の基本をさらに練習する必要があります。情熱を持ち、優れたエッジの使い方を習得すれば、彼はチャンピオンになれるでしょう。すでに、とても質の高いジャンプを跳べていますから」
ヴィンスは濱田コーチに深く感謝
ヴィンセント・ジョウが、濱田にとても深い感謝の気持ちを抱いているのは明らかです。
「世界選手権から国別対抗までの数週間に、濱田先生が僕にしてくれたすべてに、本当に感謝しています。去年の夏も、少しだけ一緒に練習をしました。そして、世界選手権の1週間前に、日本に順応するために現地入りしたんです」
2017年の世界ジュニアチャンピオンである17歳のジョウは、濱田との練習は、期待以上のものをもたらしてくれたと話します。
「濱田先生とのトレーニングは、予想以上でした。スケートの基本についての知識が、本当に豊富な方です。先生は、どのように回転するか、どのように高さを出すか、どうやって正しい姿勢を保つかを理解するために、他のスポーツも研究されています。そしてそれを、スケートの基本に応用し、よいエッジの使い方やジャンプの跳び方に適用しています。普通では考えないことですが、理にかなっていました」
「とても役立ちました。役に立つだけではなく、先生は本当にスケートとスケートを教えることを愛しているんです。お金や人に認められるためにやっているのではありません」
雄弁で高い知性を持ったジョウは、濱田が与えた影響が、どれほど意義深かったか話してくれました。
「来日してから先生がサポートしてくれたのは、リンクの上のことだけではありません。交通システム(地下鉄路線図かな?)の見方や食べ物のこと、予約の取り方やいろいろなことをサポートしてくれました」
カリフォルニアのサンノゼ出身のジョウは、濱田の献身的な姿勢が温かく純粋なものだと思っています。
「濱田先生は生徒たちに、練習を楽しんでほしいと思っているし、生徒のことを信じています。指導料をたくさん払ってほしいとか、名声を得たいとは思っていません。スケートと教えることを愛し、生徒をサポートしたいと思っている。それは、(米国のコーチでは?)珍しいことで、特別なことです。この数週間、僕を助けてくれたことに対して、どれだけ感謝しているか、言葉にはできません」
ヴィンスは吸収が速い。
濱田は、ジョウがどれだけ彼女のチームによく溶け込んだかを話してくれました。
「彼は、マナーも良く、モチベーションも高い。でも、宮原知子や紀平梨花といった私の生徒たちは、毎日、(彼よりも?)とてもよく練習をします。双方にとって、とてもよい環境で、いい練習パートナーになりました」
ジョウから、濱田が大変よくしてくれた話を聞いたことを伝えると、
「リンクで、彼はとても楽しそうでした。私は彼の意見に耳を傾け、何かを押し付けることはありませんでした。彼はシニアのスケーターであり、男の子ではありませんから」
ジョウのジャンプについて質問すると、
「ルッツとサルコウは、とてもいいと思います。でも、トゥループは改善したい。アクセルは、よくなってきています」
以下、思いがけず記事がまだまだ続くので、ヴィンスファンには申し訳ないが、
さくっと要約させていただきます(陳謝)。
- 濱田コーチは、過去に、アメリカ人選手など海外のスケーターに、フルタイムで日本で教えてほしいと頼まれたことがある。
- 時間があれば教えたいけれど、とても忙しい。
- 教えている場所が関大のリンクであり、誰もが使える場所ではない。
- 海外の選手を教えるのは、(スケート以外の面も含めて?)責任があると感じている。
濱田コーチと練習できる生徒は幸運
【ジョウ選手のコメント要約】
・海外の生徒でも、教えを請いたい、上達したい、日本文化に性格がフィットする(礼儀正しく、謙虚で、一生懸命練習する)人は、濱田先生とうまくいくと思う。
・濱田先生と練習できる生徒は、とてもラッキー。
宮原、紀平、白岩選手について
- 彼女たちのスケーティングスキルはすばらしい。
- 彼女たちが、何度も何度も繰り返し練習をするのを見た。濱田先生が教えた基礎練習で、そうやって、ジャンプを跳ぶ時の姿勢を学んでいる。
- 多くの人々は、難しいジャンプと良いスケーティングを切り離す。濱田先生は、生徒がエッジの正しい使い方とジャンプを跳ぶ良い姿勢との関係を理解するのを助ける。
福岡の国別対抗は、すばらしかった。
「僕のスケーティングにも、先生の教えが表れてくれるといいのですが。すでに、国別対抗でのいい結果にはっきり出ています。僕のジャンプを改善するのを、とても助けてくれました。特に、トゥループとサルコウ。この大会では、すべてがクリーンに跳べました」
- 福岡の国別では、今までで一番クリーンなプログラムが実施できた。パーソナルベストも出せた。
- シーズンの最後をこのように飾れたのは、すばらしい気分。とりわけ、フィギュアスケートに対する愛情とサポートがすばらしい日本において。
- 次のシーズンは、トータル300点越えがしたい。4回転は引き続き頑張る。昨年は、芸術面も改善できたと思うので、引き続き高めていく。
- 自分のスケートにまだ改善の余地があることは自覚している。
- フリープログラムで最高の演技は、2017年のジュニアワールド。でも、そこからかなり向上した。
- 生涯最高の演技は、今のところオリンピックのときのもの。そこからもかなり向上した。国別対抗で見せた演技が、今できる最高の演技のように見えるが、将来もっとうまくなって、自分でも驚くほどになれると信じている。
以下、日本男子選手についてのコメントに続きますが、記事が長すぎるので、またいずれ。
最後、駆け足の翻訳ですみません。