アジアン・オープン・トロフィーの混乱。
こんにちは。種子島ぴーです。
今日は、気になっていたニュースについて書き留めておきたいと思います。
「台湾スケート連盟」が、国際大会を開く権利を取り上げられてしまったお話です。
フィギュアスケート界で、じわじわと存在感を増しつつあった台湾。
四大陸選手権やアジアン・オープン・トロフィーのホストになり、日本のトップスケーターたちが、台北のリンクで滑ってきました。
特に四大陸選手権は、2011、2014、2016、2018に台北で開かれ、一都市としてはたぶん最多です。
今シーズンのグランプリシリーズ中国杯には、台湾の男子シングル曹 志禕選手がエントリーしているのが目を引きました。
台湾の選手なら、ほかの国で開かれる大会にエントリーしたいんじゃないかという気もしましたが、あくまでも私の感覚なので、中国杯に出る経緯は知りません。
そして、例年なら8月の頭に開かれるアジアン・オープン・トロフィーが、今年は開かれませんでした。
開催地だった香港が、犯罪人引渡条約の改正をめぐって、市民の大規模デモで混乱しているからです。
開催期間 : 2019年08月05日 ~ 2019年08月09日
開催地 : 中国 香港
※ 開催国の事情により大会開催が見送られることとなったので派遣を中止した。(2019年7月24日)日本スケート連盟
代わりに、10月末にアジアン・オープン・クラシックが、中国の広州市で開かれます。
その主催は、なぜか中国スケート連盟ではなく、香港スケート連盟。
アジアン・オープン≒アジアン・オープン・クラシックなのかどうか、私は確信がありません。時系列を考えると、違う大会のようにも思われます(定かではありません)
それに先立つ7月下旬に、台湾スケート界に激震が走りました。
台湾の英字新聞を訳してみます。
7/24 台湾、国際大会ホストの権利を失う
(翻訳)
■台湾が国際的なフィギュアスケートイベントを開く権利を取り消された。
「台湾が国際的なフィギュアスケート大会のホストになる権利を無効にされました」と、台湾スケート連盟は述べた。国際大会が開かれる予定まで4カ月を切った、火曜日のことである。
もともと台湾は、10月30日から11月3日にかけて台北アリーナで開催される、アジアン・オープン・フィギュアスケート・クラシックのホストになっていた。
しかし、台湾スケート連盟は、「大会のホストになる権利を失効した」という緊急通知を、国際スケート連盟から受け取った。
台湾スケート連盟の公式サイトによれば、国際スケート連盟の運営機関からの通知には、「現在の国際的な状況は、台湾がこのような大会を開催するのに適していない」と書かれていたという。
そして、香港スケート連盟が、広州市東莞(トングン)で開かれる大会のホストになる予定だ。
台湾は、同じようなスケートの大会を台北アリーナで、2011、2012、2014、2016、2018年に開催している。
◎台湾スケート連盟に落ち度があったわけではなく、寝耳に水の通知だったようですね。
NHKのWORLD-JAPANで、情報を補足します。
中国の圧力があったとの声
Taiwan loses right to host figure skating contest | NHK WORLD-JAPAN News
(部分訳)
大会を開催する権利は、出し抜けに奪われた。
そして、アジアン・オープン・フィギュアスケート・トロフィーの開催地は、広東省の東莞(トングン)に変更された。
いくつかの台湾メディアは、「突然の開催地変更の背景には、台湾統一を狙う中国の圧力があったのではないか」と伝えている。
台湾は、東アジアオリンピック委員会が、台湾がホストを務めた国際競技会を6月に、キャンセルしたことについても、中国の圧力を批判した。
中国、日本、その他の国々で構成される委員会は、決定の要因として、政治的なリスクをあげている。
◎東莞(トングン)は香港に近く、日本企業もたくさん進出している地域です。
香港が、中国内地で大会のホストをやるというのも奇妙ですね。
8/4 台湾の連盟会長解任
Chinese-Taipei Skating Union chief fired for ... | Taiwan News
■台湾スケート連盟会長が、台湾が大会ホストを務める権利を放棄したことで、解雇された。
文部科学省は、連盟会長エディ・ウの解任を命じ、台湾スケート連盟への資金提供を1年停止する。
台湾のスケート連盟が、見えない圧力によって、2019年のアジアン・オープン・フィギュアスケート・クラシックのホスト国の権利を放棄したことを受けて、台湾スケート連盟会長のエディ・ウは、辞任を余儀なくされた。
エディ・ウの解任は、文部科学省による調査が8月2日金曜日に終了したのちに命じられた。
文部科学省によると、10月30日から11月4日まで開催予定だったスケート競技会のキャンセルを、エディ・ウは、適切な決定の手順を放棄し、突然、海外関係者と合意した。
CAN(フォーカス台湾)の報告によれば、5月に台湾に国際大会を開く権利を与えた国際スケート連盟は、突然6月に意見を翻し、香港スケート連盟が大会を主催できるようにすることに合意した。
国際スケート連盟が、台湾連盟会長エディ・ウに通知を送ってきたとき、ウ会長は、連盟の職員たちにこれを知らせず、自分だけで権利を放棄する処理をした。
文部科学省の林哲宏副局長は、「エディ・ウの言動は、人々に誤解を与え、社会的混乱を引き起こし、台湾の国際的な名声に傷をつけた」と述べた。
台湾スケート連盟は、会長の辞任に加えて、1年間、資金供与を停止される。
8月3日現在、2019年のアジアン・オープン・フィギュアスケートクラシックは、香港スケート連盟がホストを務める予定だ。しかし、台湾当局は、依然ととして決定に対して上訴を求めている。
台湾スケート連盟は、アジアン・オープンを開催することをあきらめていないということですよね。
頑張れ台湾!!と思いますが、中国の圧力でつぶされてしまうのでしょうか。
混乱する大会に、日本の選手を派遣するのは不安ですよね。
そもそも、8月開催予定の試合が10月末になった時点で、選手のスケジュールが狂ってしまっています。
そして、会長のせいで資金を断たれた台湾スケート連盟。選手たちの活動資金が、ますます乏しくなってしまいますね。きびしい…
今後に注目したいと思います。