こんにちは。ロステレコム杯男子SPの余韻で、『ブルース・フォー・クルック』by Eddy Louissが、頭の中をぐるぐるまわっている種子島ぴーです。
12人しかいないうちの3人が同じ曲というのは、かなり珍しいのではないでしょうか。四分の一ですよ!!
中国杯のケージ・タナカとブレンダン・ケリーの『シャーロック』対決に勝るとも劣らない“こりゃあ、まいった”感がありました。
あのときは、コスプレ風味のまじった衣装も丸かぶり、滑走順も連続という、なかなかの地獄でした。
今回は、ナム君、サマリン、リトヴィンツェフの3人が、別グループだったり、間に2、3人はさみながらだったりで、『ブルース・フォー・クルック』を滑りました。
衣装は、やや似ているものの、サマリンはブルーだし、キャラクター性はないので、まぁ大丈夫かなと。
で、ですね。ふと、思ったわけですよ。
「審判は、3人の曲の解釈をどのように評価したのだろうか?」と。
曲の解釈=Interpretation of the Musicの評価ポイントを確認すると、
スケーターと音楽の融合
・興味深い個性的な動きで音楽を表現
・それらを表現する優れた能力
音楽の特徴やリズムを具現化
・音と動作のタイミングの一致
・リズムに合っている
・ダンスの雰囲気
こういったことが、チェックされるようです。
なるほど。
演技を見た私の感想は、ダントツでナム君の曲の解釈が優れていると思いました。
ナム君>サマリン>リトヴィンツェフです。
ナム君は、プレシーズンに見たときは、どうしても高橋大輔名人の『ブルース・フォー・クルック』が脳裏をよぎり、「魂入ってないなー。これで滑るのは不利なのでは?」と思ってしまいました。
が、スケートカナダで見たときには、別人のような仕上がりぶり。
今回のロステレコムでは、ブルースのリズムの取り方や細かなコリオのさばき方など、音楽が体にしみ込んでいるようで素敵でした。
コリオにも、随所に工夫が見られましたよね。
リトヴィンツェフ選手は、ややバックグラウンドミュージック化していましたが、ジュニアから上がってきたばかりなので、大人のブルースを完璧に表現していたら、それはそれで怖い(笑)。
昨シーズンのSPは情感があったので、表現力はある選手だと思います。
シニアのグランプリシリーズで緊張していたのかもしれません。
サマリン選手は、4回転ルッツと3回転トゥループのコンビネーションはすばらしく決まりましたが、表現がブルースかと聞かれれば、ブルースなのは、最初の肩ピクとフィニッシュの肩ごしの視線ぐらいだったかなと思います。
暴言だったらすみません。
4回転フリップの転倒とトリプルアクセルの着氷乱れがあったので、表現点を引っ張り上げるほどの完成度はなかったと思います。
しかしながら、曲の解釈の実際の評価は、
サマリン>ナム君>リトヴィンツェフでした。
サマ8.25 8.25 8.50 9.00 8.75 8.75 8.50 8.50 8.25
ナム8.25 8.25 8.25 8.50 8.25 8.25 8.50 8.25 8.00
リト6.75 6.50 6.00 7.00 6.75 6.75 7.00 7.00 6.75
赤字は、ナム君よりサマリンを評価したジャッジ。
ちなみに、サマリンに9点を付けているのはアメリカのジャッジです。ロシアのジャッジではありません。ロシアは8.75です。
カナダのジャッジは、サマリンに8.5、ナム君に8.25を付けています。
そういったことを考えても、セカンドマークの点数は、けっこうざっくり付けられているのではないかと思われます。
もしも、ナム君とサマリンが連続で滑ったら、いくらなんでもカナダのジャッジは、ナム君のほうを低くしたりはしない気がします(笑)
たぶん、自分がナム君に何点付けたか別れちゃったんでしょうね(☜暴言)
そして、同じ曲で比較してみてもこんな感じなので、違う曲についての解釈を瞬時に採点するのって難しいと思うんですよ。
練習なんかを見て、ある程度は決めているのかもしれませんが。(それもどーよ??)
半数以上の審判が、ナム君よりもサマリンの曲の解釈に軍配を上げたので、たぶん私の目がおかしいのでしよう。
みなさんは3人の曲の解釈を、どのように評価されましたか?
1位 アレクサンドル・サマリン
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=doQk0_UjFNM&feature=emb_logo
6位 ナム・グエン
https://www.youtube.com/watch?time_continue=198&v=5m5futq7t0E&feature=emb_logo
12位 ウラジーミル・リトヴィンツェフ
映像なし。
これがオリンピックだったりしたら、危機管理能力を問われそうです。
リトヴィンツェフはアゼルバイジャン代表ですが、ロシア出身で、コーチもロシア人。サマリン陣営からの情報は、漏れ聞こえてこなかったでしょうか。
来ないか(笑) 極秘情報ですものね。
ナム君とサマリンは、試合でぶつかる機会も多いので、かぶってることがわかって、「げっ」と思ったでしょうね。
今年は、『シンドラーのリスト』と『ラ・ラ・ランド』も多いですね。『グレイテスト・ショーマン』もかな?
人気の曲は、危険も大。
誰も、ネイサンの『ロケットマン』とかぶっていなかったのが幸いです。