こんばんはー。寒いですねー。
今日の東京は、雨まで降っていましたよ。
そんな寒さの中、ロシアのサイトmatchtv.ruに、「ヤグディンの『ウィンター』からメドヴェージェワの『JANUARY STARS』まで、冬に最高のフィギュアスケートプログラム」というタイトルの記事が載っていました。
その中に、昌磨の『冬』が入っていましたよー。
何がうれしいって、記事に出てくる他の“冬プロ”は、例えば
・2002年のアレクセイ・ヤグディンの伝説的なプロ『ウィンター』。
このプログラムは、タラソワ女史が当時まだ26歳だったニコライ・モロゾフをコリオグラファーとして招いて、彼が曲を選んで振り付けたものです。
雪を宙に放り投げる仕草や、超絶細かいステップが印象的。また、衣装も、雪をまとった木の枝を表していて、誰も演じたことのないようなプロでした。
・エフゲニア・メドベージェワの平昌シーズン当初のSP『January Stars』。
後に『アンナ・カレーニナ』に変更されてしまったので、あまり目にする機会はありませんでしたが。改めて今見ると冬のプログラムの趣があります。
・アレナ・カニシェワの今シーズンFS『雪の乙女』
衣装もロシア的で素敵。
・ペア、ナタリア・ザビアコ アレクサンドル・エンベルトおよびアイスダンス エカテリーナ・リャザーノワ イリヤ・トカチェンコの『吹雪』
・川口&スミルノフ組の「2月」
・アレクサンドラ・ボイコワとドミトリー・コズロフスキーの『くるみ割り人形』
などなど、ロシアの選手のプログラムだけです。
その中に、昌磨が含まれているということは、それだけ印象深いということでしょう。
昌磨部分の記述を、グーグルさんの力を借りて、ロシア語→英語→日本語で訳してみました。
(意訳です)
宇野昌磨は、アントニオ・ヴィヴァルディの『四季』より『冬』を、最も重要なキャリアの瞬間である2018年オリンピックシーズンに滑りました。
この作品には、『ウィンター』でヤグディンがやったような、雪を集めたり木の枝を使ったりといった、特殊効果を狙った動作は用いられていません。
その代わり、もっぱら音楽の隆起によって、冬の世界観が表現されています。
要するに、音楽とステップが主となって、体全体がステップと響き合い、腕の動きが音楽のアクセントになっているのです。
プログラムの最初は、バイオリンのソロ演奏によって徐々に緊張感を高めてゆき、プログラムの最も難しい要素である4回転フリップに突入します。
プログラムの最後の部分には、ヴィヴァルディの最も人気のあるフレーズが使われていて、交響曲とスピンによる大団円で幕を閉じます。
フィニッシュは、風と雪を引き連れ、まさに大団円でしたね。
ところで、ヴィヴァルディは、四季それぞれについて、音楽のイメージを説明するソネット(短い詩)を創り、コンサートを開きました。
『冬』のソネットには、このような記述があります。
「雪は、閉じ込められるのを嫌うかのように、突風の中を風に舞う。
吹雪の中の雪は、荒れ狂い、風と互いに戦う準備ができているかのようだ。冬は厳しい。しかし、時には喜びの瞬間が、その厳しい表情を和らげることもある」(Translation by V. Rabei)
このような解釈を聞いて、改めて『冬』を見ると、昌磨が大自然を指揮して動かしているようにも見えます。
寒い季節に、窓の外の風や雨の音を聞きながら『冬』を見ると、 昌磨が表現しようとしていた世界観が、より伝わってくる気がします。
宇野は、数々のすばらしいプログラムを演じてきたが、『冬』は特別なプログラムになった。
ということで、久々に見返すと、やっぱりいいですねー、昌磨の『冬』。
特に寒いさむ~い2月の平昌オリンピックで滑られた『冬』は、緊張感を伴って、白銀の世界で滑っているかのような空気感があります。