こんにちは。四大陸選手権女子フリーを見て、
清々しい気分になった種子島ぴーです。
日本の3選手が、プログラムの中でもがきながら、リカバリーしながら、
まさしく戦っている姿が見える試合だったからかもしれません。
私は、ISUの公式ライストで見ました。
最近、ポール・アウスター(以下PA)さんという男性の解説者です。
どういう方だか知りません(笑)
ヨーロッパの人だと思うのですが・・・
その方のコメントも交えながら、振り返ります。
宣言どおり3Aを跳んだ樋口選手
何度も見返してしまった演技です。
ジャンプに失敗しても、『ポエタ』の世界観は崩れませんでした。
3人のすばらしい日本人スケーターのトップバッター、樋口新葉の登場です。
彼女のファンとして、メジャー大会に戻ってきてくれて、うれしいです。
2018年の世界選手権銀メダリストです。byPA
彼女は、昨シーズンのほとんどを、怪我で見送ることになってしまいました。
が、明らかにいい状態で戻ってきました。byPA
成功率の高くないトリプルアクセルを、賭けで跳び、着氷で転倒してしまいました。
とはいえ、プログラムはとても安定しています。byPA
樋口は、氷上で自分を表現するとき、ものすごいパワーを発します。
プログラムに、とても存在感がありました。byPA
私にとって彼女は、見ていて最もワクワクする女子選手の一人なんです。
プログラム最後のステップは、フラメンコのリズムに溶け込み、とても印象的でした。byPA
笑顔で高難度ステップを踏んでいく、最後の盛り上がりはすばらしかった!!
「曲の解釈」の点数が、ブレイディ・テネルより低かったり、
ユ・ヨンと同じだったりするのは、釈然としないなー。
逃げずに4回転を跳んだ坂本選手
とてもやわらかないい表情で登場した、かおちゃん!!(緊張時のこけし顔ではない!!)
ラブリーな予感♡
完成しているとは言えない4回転ジャンプを、公言どおり冒頭で跳びました。
軸はキレイでしたが、惜しくも転倒。
お尻で着氷しなければ、回転は足りているように見えたのでは!?
2018年のチャンピオン、昨年は4位の坂本花織。
樋口と同じように、冒頭にビッグエレメントを入れてきました。4回転トゥ。
彼女は、前進するために、とことんやろうと決めたのです。byPA
いい滑りです。オープニングで、ISUの大会で初めて4回転トゥを跳んで失敗し、一瞬、道に迷ったように見えましたが、前進し続けています。byPA
あー、かおちゃん、点数が足りない!!
が、まだ最後のジャンプがある!!
「くるくるループさーん、お願いします!!」と思ったら、あ゛!!!
ベストな演技ではありませんでした。
このような大きな大会で、スタートに4回転を跳ぼうとしたのはギャンブルでした。
数週間前の欧州選手権では、トゥルソワ、コストルナヤ、シェルバコワが、他の大陸の女子選手たちに、「ビッグジャンプを跳んで点数を上げなければ」というプレッシャーを与えました。
成功しませんでしたが、彼女は跳びました。
他のエレメンツはよかったです。会心の出来ではありませんでしたが、プログラムの中盤ではリカバーしました。byPA
国体の疲れもあったのかな?
ちょっと、いつもよりも集中しきれていない感じを受けました。
でも、シーズン最後の大きな大会で4回転を跳んだのは、
次につながる鍵になるような気がします。
おまけ
グリーンルームの新葉ちゃんとかおちゃん、キム・イェリム。
寒そうだけど、殺風景ではない背景が開催地らしい。
失敗しても強心臓の紀平選手
いやー、結末にドキドキしましたね。
私は、結果を知った後で見たのですが、
結果を知らずに見ていたら、怖くて見られなかったかも(笑)
ひとつ前のユ・ヨンが、地元のプレッシャーに打ち勝ち、ノーミスのすばらしい演技を見せたからです。
3Aすごかったし、3L+3Tも高さがありました。
アリーナは熱狂に包まれ・・・という場面で、紀平選手が登場。
ディフェンディングチャンピオン、紀平梨花。
曲は、『インターナショナル・エンジェル・オブ・ピース』です。
シーズンベストは、151.95。勝つためには、142.06が必要ですが、彼女の能力ならいけるでしょう。
2本のトリプルアクセルを予定しています。最終滑走です。byPA
冒頭は、4回転を回避して、幅のある3S。
続くトリプルアクセルは、軸が傾いてポップしてしまいました。
トリプルアクセルに失敗してしまいました。
大きなポイントを失い、ここから彼女にプレッシャーがかかります。byPA
ポール・アウスターさん、紀平選手ではなく、私にプレッシャーをかけてますがな(笑)
このあと美しいルッツを跳んで、落ち着いてきました(私が)。
さらに、トリプルアクセルに2Tを付け、
3F+3T+2Tで怒涛のリカバリー、安定の3F+3Tで追い上げます!!
紀平は、プレッシャーに対してとてもいい反応を示しています。
3Aに2Tを付けました。
しかし、優勝するためには、ここから完璧に滑る必要があります。byPA
私は、テクニカルポイントを見ながらハラハラ。
最後の最後まで、ユ・ヨンに点数が負けていて、
最後の最後に、カチャッと数字が動いて、80.34対79.94になりました。
とてつもないパフォーマンスでした。
なんという選手でしょう。なんというタフな精神力。
プログラムの最初で遅れを取りましたが、見事に追い上げ、点数はかなり接戦だと思います。
ユ・ヨンに勝つのに十分な点数でしょうか。
私は、大丈夫だと思います。魔法のようなすばらしい演技(挽回)でしたから。byPA
151.16。おー、彼女はやりました。
たくさんの韓国のサポーターが、頭に手をやってがっかりしています。ユ・ヨンが金メダルを取れませんでしたから。byPA
はらはらしたけど、すごい試合でした。
紀平選手、おめでとうございます!!
他に素晴らしかったのは、カレン・チェン。
足元が回転不足のジャンプが多かったのですが、クラシカルなスケーティングに吸い寄せられました。
テネルの『ニューシネマパラダイス』は、
「これはいいプロだ」と期待して見ましたが、
中盤はいつもほどは、心引かれませんでした。
ちょっと加点が多すぎる気がしたかなー。
大ラスのコンビネーションスピンは素晴らしかったけど、
その前のスピンにもこんなに? あの2Aにも?
スタジアムに日の丸。そして、あの人も
国旗掲揚で、君が代が流れ、日の丸がかがけられました。
紀平選手とユ・ヨン選手は、リンクメイトなので、
当然、仲はいいのだと思います。
紀平選手がユ・ヨン選手に「(カメラマンが)メダルを見せてって」と声をかけたり、「メダルが裏側になったるよ」と教えてあげたりしていました。
しかし、一歩間違えると、浅田真央vsキム・ヨナみたいな空気が作られていたかしれません。
そうならなくてよかった。
ありがとう、紀平選手!!
と思ったのは、表彰式にあの人がいたからです。
地上波でこのシーンが映ったのかどうかわかりませんが、
先日のSPの放送で「キム・ヨナキッズ」のビデオが流れたのは、
これを知らされていたから??
紀平選手、優勝おめでとうございます!!
最後、周回するビクトリーランのとき、
ユ・ヨン選手がステンと転んでしまいました。
なんともなかったようで一安心。
順当とも言える表彰台の三人。
でもね。なんとなーく、国別の割り当てが決まっていたような気がしないでもないでもないでもない。(さて、どちらでしょうか?)
4回転やトリプルアクセルは、演技全体に精神的な影響を及ぼします。
挑戦しなければ、坂本選手や樋口選手は、テネルに勝てたのだろうか?
わかりません。
でも、“その先”を見据えるなら、必要な挑戦なんですよね。
紀平選手、坂本選手、樋口選手の三人ともが、
演技中にいろいろ考えて奮闘しているのが伝わってきたので、
とても清々しい気持ちで見終わりました。
かおちゃん、今シーズンはこれで終わりなのかな?
小さな大会には、何か出るのでしょうか。
苦しんだシーズン、お疲れ様でした。