こんばんは。
吉田唄菜&西山真瑚ペアのリズムダンス、見てるだけで心が躍る素敵な演技でしたよね。
あんなに近づいてツイヅルができるなんて、すばらしい。解説のバートンさんも、絶賛していました。
ジュニア世界選手権ですばらしい演技を見ると、最終的には昌磨の演技が見たくなって、チャレンジカップの『ダンシング・オン・マイ・オウン』に戻ってしまいます。
(そういえば、鍵山優真選手は、昌磨と同じコラントッテTAOのARAN をつけているし、佐藤駿選手もTAOのRAFFI つけてる?)
何回見てもあきないチャレンジカップの『ダンシング・オン・マイ・オウン』。
心地よい滑り。
やっぱり、私は宇野昌磨のスケーティングが、理屈抜きで好きなんだと思いました。
最後、滑り終わった昌磨が、ランビ伯爵のほうを振り返るシーンがありますよね。
でも、何回見ても、私にはランビ伯爵が見えないんです。
着ているコートの色が壁と一体化してるっていうか(笑)
いるはずなのに、見えない。
一方で、いないはずなのに、見えたものもあるんです。
昌磨のコーチが、正式にステファン・ランビエールに決定する前、
フランス杯のキス&クライで泣きながら手をふる昌磨を見て、
「ランビ伯爵が昌磨のことをほうっておくわけはない」と思ったわけですが・・・
私の記憶の中に、フランス杯でキス&クライの昌磨を見ながら、
けわしい表情でリンクの外を歩いているランビ伯爵がいます。
考えてみれば、あの大会にデニスは出ていなかったし、ランビ伯爵はいなかったのではないだろうか。
コリオを振付した選手が、出場していたんでしたっけ?
白岩優奈ちゃんの演技を見に来ていた?? 違うよなぁ。
たぶんあれは、まぼろしで、無意識のうちに私は、
ランビ伯爵に救いを求めていたのかもしれません。
そんなことを考えながら、インサイドスケートのインタビューの
「ランビ伯爵がフランス杯の昌磨について語った箇所」を読んだのですが、
インタビューを読んでも、ランビ伯爵があの場にいたのかどうか、わかりません。
http://www.insideskating.net/2020/02/20/interviews/stephane-lambiel-do-it-show-us-your-colours
(私流に意訳しているので、正しくない箇所もあると思います)
(Florentina Toneさん)…グルノーブル、フランス杯について話しましょう。彼はグルノーブルで、コーチがいなくて、とても、もろく見えたからです。キスアンドクライでは、泣きじゃくっていました。見るのが、とてもつらかったです。
(ランビ伯爵)ええ、昌磨は、自分にできること、やりたいこと、必要なことがわかっていて…とてもとても責任感のあるスケーターです。彼は、それがいつうまくいって、何がなされるべきかを感じ取っています。
彼は、実際、画家のようです。どういう絵を描くかというすばらしいアイディアがあり、もちろん、アイディアや作品や絵の描き方は素晴らしいんですよ。
でも、フレーム(絵なら額縁、練習なら枠組み)が必要なんです。
コーチというのは、一種のフレームを手にする準備や案内をする人です。
「これがあなたが取り組むフレームです。この中に、あなたのアイディアとエネルギーを注いでください」というような。
おそらく彼には、それが欠けていた。作品を見せるための額縁がなかったのです。すべてを自己完結していたので、氷上に作品を描くことができなかったのだと思います。
(Florentina Toneさん)フランス大会での滑りを見ましたか?
(ランビ伯爵)生では見ていないし…どうだったかな。演技のプロトコルは見ましたが、見たくなかった…演技は見たくなかったのだと思います。
記憶がありません。あったとしても、すでに記憶から消してしまいました。
私がやったのは、彼が私のところに来たらすぐに、トレーニングに集中し、必要としていることに穏やかな気持ちで取り組めるようにすることでした。そして、すぐにそうしました。
ということで、ランビ伯爵本人にも当時の記憶がないというのに、どうして私にわかりましょうや?(いや、わからない)
香港で、日本旅行から戻ってきたばかりだという香港人女性に、質問されたことがありました。
「富士山は、実在しない山なんですよね?」と。
なんでも、富士山が見たくて山梨に行ったけれど、霧がたちこめているだけで、山はそこになかったそうです。
通りかかった老婆(私ではありません!)に、「富士山はどこにあるのか?」と聞くと、老婆(私ではありません!)は、こう答えたそうです。
「富士山は、心で見るものですよ」
その話に感じ入った私は、「えーーーっ、富士山は実在する山ですゼ!!」と言いたい気持ちをぐっと抑えて、静かにうなずいたのでした。
「次回行ったときは、富士山が見えるといいですね」と。
私にとってステファン・ランビエールも、心で見るものなのかもしれません。
…なんてね。そんなことあるかい!!(笑)