こんばんは。不要不急のブログ活動は控えがちになっており、
世界選手権2018のプレミア公開についても、ぜんぜん追えていない種子島ぴーです。
そういえば、2019年の世界選手権もプレミア公開されるそうですよ。
それについては、また後日お知らせするとして…
2018年の世界選手権で記憶に残る演技をした選手といえば、ネイサンとかミーシャとかビチェンコとかコリヤダ君とかメッシングさんとか、いっぱいいるのですが、
そのうちの一人が、友野一希選手でした。
この年は、繰り上がりで世界選手権に初出場。
「自分の実力では、フリーに進めるかどうかもわからない」と不安だったそうですが、
6分間練習では、「なぜこのグループに?」というくらい、動きが群を抜いてよかったし、堂々として見えました。
6分間練習でリンクを流しているときでも、紹介されると止まってきちんと挨拶をする律儀な友野くん。
360度どこから見ても、いい人だとわかるキャラクターです。
SPは『ツィゴイネルワイゼン』。
ドラマチックな音楽に負けない、冒頭のコリオが好きです。
音にピタリとハメた4回転サルコウがシュイーンと決まると、
3F+3Tのコンビネーション、トリプルアクセルと、鮮やかに着氷していきました。
ジャンプの加点がやや渋いのは、名前がまだ知られていなかったからか?…と思ってしまうスポーツではありますが(笑)
ステップに入る前に歓声が起こり、私も夢中で手拍子!!
友野くんのステップを見て、手拍子を我慢するのは難しい(笑)
リンクを突っ切る風になったようなステップに、会場大興奮!!
完璧です!!
このときの心境を、のちのインタビューでこのように話しています。
ショートの日はすごく不安でした。フリースケーティングはのびのびと滑れたのですが、ショートは一つ失敗したら終わると思っていたので、自分に対するプレッシャーが大きかった。
この結果でたぶんこの先のスケート人生も変わってくるし、ここでやらないと間違いなくGPシリーズの出場権ももらえない。もし失敗したらこの先のスケート人生で失うものが大きいと思っていました。それが一番怖かったので、終わった瞬間はひと安心したというのが涙となって表れたんだと思います。(KISS&CRYより)
「この結果でたぶんこの先のスケート人生も変わってくる」。
すごい決意と精神力です。
キス&クライで点数を待っていると、なぜか日本語で荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」が流れてきました。
「♪今夜だけでも ♪シンデレラボーイ」って(笑)
確かに、シンデレラボーイではあったけれども…
友野くんの結果を受けて、ミラノの音響さんが即座にこの曲をチョイスして流していたら、すごすぎる!!
と思いましたが、ケージ・タナカのときも同じ曲が流れたので、ミラノの音響さんお手持ちの日本の曲のCDが、これしかなかったのでしょう。
82.61で、暫定トップに立ちました。
フリーは、『ウエストサイドストーリー』。
冒頭に4回転サルコウを2本続けましたが、どちらも軸がまっすぐで、キレがあります。
特に2本目の単独4回転サルコウは、大会中一番加点がついた4回転サルコウでした。
コリオシークエンスのあたりから、海外のカメラマンたちも「この選手はなんかすごいぞ」ってことで、いっせいにレンズを向け始めます。
友野くんのステップは、滑る喜びが体からはみ出していて(笑)
半径数メートルがキラキラしています。
平池コーチも大喜び。
滑り終わった友野くんを抱きしめて「ナイス!」。
点数が出ると「すごい。これはすごい」と。
平池コーチがここまで笑ったのは、初めて見ました。
フリーは3位で、スモールメダルをもらっていました。
総合で5位。次のシーズン3枠の枠取りに大きく貢献しました。
満身創痍でフリーを滑り終えた昌磨が、キス&クライで「3枠取れたかな?」「たぶん」(樋口コーチ)と話していたので、
友野くんの滑りが、昌磨にパワーを与えたことも間違いないと思います。
緊張感に勝って、ほぼノーミスの演技を2本そろえた友野選手。
「この結果でたぶんこの先のスケート人生も変わってくる」という言葉どおり、トップ集団にいる選手として、世界に認識されはじめました。
とんでもなくいい表情をして、リンクを駆け抜けている友野選手が、強く印象に残っています。