ひゃー、ランビ伯爵の『Keep Training』に昌磨が出ていたので、
いっしょにレッスンに参加してヘロヘロの種子島ぴーです。
ビデオの話は、あとで別の記事で書きます(余力があったら…)。
きのう公開された、カール・ヒューゴさんの『Your Last Kiss』の演奏、お聞きになりましたか?
何度聞いてもすてきです。
昌磨のフリーは、インストゥルメンタル(ボーカルなしのピアノ演奏)の部分が、
特に美しくて心を揺さぶられます。
でも、振り返ってみると、シーズン最初の頃は、
SPの『グレイトスピリット』に比べて、フリーは何となく物足りないように感じていました。
流れるようなスケーティングは素晴らしいのですが、
もう一味、もうひとひねり、もうワンアクションほしい…というような。
もちろん、『グレイトスピリット』は前年からEX版で滑りこんでいたので、仕上がりが早かったのかもしれません。
『ダンシングオンマイオウン』は、ここから仕上げていくのかなぁという思いで見ていました。
しかし、今となっては、強烈なインパクトを持った『グレイトスピリット』を超えるほどのインパクトを、
私は『ダンシングオンマイオウン』から感じています。
そこで、ふとランビ伯爵のインタビューの続きを思い出しました。
途中まで訳して放置していたInside Skatingの記事です。(interview by Florentina Tone)
Stéphane Lambiel: “Do it. Show us your colours!” | Inside Skating
2月の記事なので、とっくに目にしていらっしゃると思いますが、
全日本選手権からチャレンジカップの間に、
格段にすばらしくなった『ダンシングオンマイオウン』について触れている部分を抜き出して、意訳させていただきます。
チャレンジカップで、テストすべきことをテストする。
Florentina)昌磨が四大陸選手権を辞退すると発表された日、あなたと昌磨とデヴィッド・ウィルソンかがオーストリアのリンクにいる写真を見ました。フリープログラムの微調整は、どういうものだったのですか? それが必要だと感じていたのですか?
Stéphane)プログラムが作られたとき、私はまだコーチとしての責任を負っていなかったので、あのプログラムに特別なかかわりを持っていませんでした。
でも、デヴィッドが来て、彼が作品に何を求めているのか、音楽性やタイミング、どこに強さを持ってきたいのかとか、いろいろなことを提案してくれて…
Florentina)それは、あなたが、デヴィットに来てほしいと頼んだのですか?それとも…
Stéphane)昌磨がデヴィットに来てもらいたいと…私はそのアイディアが、すぐに気に入りました。
デヴィッドの仕事に対して素晴らしいと常々思っていましたが、アイスショーでいっしょに仕事をしたことはあっても、残念ながら、個人的に仕事をする機会はありませんでした。
でも、将来的には、何かコラボしようと話しています。なぜなら、彼は本当に、何かマジカルなものを持っているんです。
で、3人で何日か過ごしたことで、デヴィッドが昌磨に求めているものを、よりよく理解することができました。
Florentina)世界選手権が近づいてきましたが、昌磨について何か特別な計画はありますか?1月に、あなたたちがオーストリアのテルフスのリンクでトレーニングしている写真を、目にしたように思うのですが…
Stéphane)ああ、それは、私たちのリンクでユースオリンピックのカーリングの試合をやっていたので、ヨーロッパ選手権に出場するデニス・バシリエフスのために、リンクを探さなくちゃいけなかったんです。それで、昨年の春にキャンプをやったテルフスに行きました。3週間滞在していて、そこに昌磨が合流したんです。
今、昌磨は日本に戻っていて(インタビューをした1月24日の時点で)、世界選手権の準備のために、もう間もなくシャンペリーに帰ってきます。チャレンジカップに出場することに決めました。
一つ試合に出て、必要なことをテストして、最も効率的な方法で世界選手権の準備をします。
その後、
昌磨は、チャレンジカップでジャンプなど、
テストすべきことをテストして…
大成功!!
シーズン最初に見た『ダンシングオンマイオウン』が2D(平面)だとすると、
全日本選手権で深みが加わり、チャレンジカップのときには3Dになって、
見ているこちらが、プログラムに抱きしめられているような心地よさがありました。
その過程で、昌磨自らが、デヴィッド・ウィルソンとプログラムを磨き直し、プログラムを理解したいという思いがあったこと。
指導するランビ伯爵も、『ダンシングオンマイオウン』を理解し、プログラムにひかれていったことがうかがわれるインタビューでした。