オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

昌磨の言葉に、浅田真央最後のフリーを見返してみる。

こんばんは。我が家でもBS放送が映ることを、今ごろ発見した種子島ぴーです。

10年は気づいていなかったと思う(笑)

 

さて、BSフジ『フィギュアスケートTV!』~もう一度みたい全日本選手権で宇野昌磨選手が

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とりあえず全日本のときの写真
  • 2006年の高橋大輔選手のフリー『オペラ座の怪人』を「僕の原点です」
  • 2016年の浅田真央さんのフリー『リチュアルダンス』を、「浅田真央選手の最後のフリーは、生き方の原点です」と答えていました。

大ちゃんの『オペラ座の怪人』はわかります。

昔、テレビ番組のコーナーで取り上げられたチビ昌磨が、テレビ画面でステップを見ていたような記憶があります。(違うプロだったらすみません)

 

ただ、浅田真央さんの『リチュアルダンス』は、不意を突かれた気分でした。

全日本選手権なので、「ソチのフリー」は当然入ってこないわけですが、

私は、2016年の全日本の『リチュアルダンス』を、記憶の中で封印していたところがありまして…。

 

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なぜかと言われても説明できないのですが、あの当時はたぶん、何かがつらかったのだと思います。

演技を終えた真央ちゃんの“あの”表情だけが、ものすごく鮮明に記憶に残っています。

 

そして、アイスショーで見る『リチュアルダンス』の華やかさや力強さ、はつらつとした感じを、あのプログラムの記憶としてスイッチしているようなところがありました。

 

今回、昌磨の「浅田真央選手の最後のフリーは、生き方の原点」という言葉に背中を押されて、

おそるおそる、もう一度、演技を見てみることにしました。

 

まず、映像から放たれる鮮明すぎるオーラに、一瞬ひるむ。

そして、役柄とはいえ、特別に濃かったこの年のアイメイクに、

真央ちゃんの気持ちが表れているようで、緊張しました。

 

そして、冒頭のトリプルアクセル。

転倒。

4年前の私は、「うわっ」と手で顔を覆って、おろおろしてしまったような気がします。

でも今回は、最後の最後までトリプルアクセルを捨てなかった姿勢に、拍手したい気分だった。

 

トリプルフリップ+トリプルループ。これも、大技です!!

今だって、セカンドにループを跳ぶ選手は、数少ない。

回転不足のように見えるが、それがどうした!!

トリプルルッツの柔らかな膝。

 

立て続けにこれだけの技を繰り出す選手は、現時点でもそうそういません。

 

アラベスクでの短いスパイラルからのコリオシークエンスで、

笑顔がこぼれる真央ちゃん。

ここで、涙が。

あれ~、泣けてくる。どうしよう?!

 

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後半のダブルアクセルからのトゥループは、いつも見せ場であり、得点源でもあったよな~などなど思う。

確かに、明確な回転不足ではありますが、

きれいな軸で次々に高難度ジャンプに挑む、攻めのプログラムです。

 

音楽の微妙なスピードの変化に100パーセントマッチしたスピン、

ストレッチが効いて力強く、妖艶なステップ。

 

女性らしい丸みがないとか、表現力がないとか、さんざん的はずれなことを言ってきた人々に対して、「表現力って顔芸じゃないんだぞ!!」といつも思っていましたが、

 

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この圧巻の表現力、内側からほとばしる魔力のような表現の数々を見よ!!

 

カタリナ・ビットを、はるかにしのいでいますよね。

(ビットさんを引き合いに出して申し訳ないけれど、女性らしい表現力とか芸術性の代名詞のように言われてきた選手なので)

 

最後にこのコリオを振り付けたローリー・ニコルに、鳥肌が立つ思いです。

 

これで、フリー12位…

選手の持つ身体的パワーは、他を圧倒しているんですけどね。

確かに、ジャンプのミスはありましたが、それにしても点数が得にくい流れには、なっていたと思います、この頃は。

 

だけど、やっぱり素晴らしい。

圧倒的にすばらしい。

もう一度、この試合を見るきっかけをくれた昌磨に、感謝したいと思います。

 

そして、なんとなくですが・・・

いつか昌磨にそんなに4回転ジャンプを多く跳べない日が来たとしても、

こんなふうに力強く、表現で魅了し、最後まで逃げないジャンプを跳ぶ人である限り、私は応援し続けるだろう、と思ったのでした。