今シーズンのジュニアグランプリシリーズの中止が発表されました。
発表レポートを部分意訳します。
7月6日のISU総会以来、状況を見極めてきたものの、
- 旅行や入国に制限を設ける国が多く、結果としてジュニアスケーターの海外渡航を非常に困難にし、実際問題、試合場所まで移動ができない選手もいる。
- ジュニアのスケーターたちを、グランプリシリーズが開かれる国に派遣したくないと考える連盟もある。
- 広範囲の潜在的リスクに備えて衛生、医療、検疫体制を構築するのは、主催国に多大な負担をかける。
医療委員会と総会が任命したワーキンググループの助言に基づいて、
ISUは、2020/21シーズンのジュニアグランプリイベントは開催できず、
すべてのイベントをキャンセルする必要があると結論付けました。
もっともな結論だと思います。
自分の子どもを海外へ送ると考えたら、とても怖いです。
また、開催国には、先進国ではない場所も含まれているため、パンデミック下での開催は、大きな負担になると考えられます。
ただし、開催に向けて、若干の余地は残されています。
- シーズン後半に、パンデミックの進展と状況が変化し、ジュニア国際屋内イベントの安全な運営が可能になった場合、
- ISUメンバー(国)が、ジュニア向けの国際大会の開催を希望する場合、詳細な提案を受けることを条件として、関心のあるISUメンバーの資金援助を検討します。
- その場合は、2020/21シーズンのISUジュニアグランプリイベントに割り当てられていたISUメンバーが、優先されます。
新型コロナのパンデミックが、シーズン後半に収まったとして、
「グランプリシリーズを開催したいです」と手をあげた国があれば、
「条件をクリアしたうえで」「開催の資金援助」が行われます。
その場合、元々開催予定だった国が優先されますが、それ以外の国が立候補することも可能とのことです。
ISUは、人気イベントであるジュニアシリーズの中止を残念に思っていますが、「大会参加者の安全と健康を最優先事項とする」というISUの方針に沿った決定です。
シニアのグランプリシリーズはどうなるのでしょうか?
ISU総会は、8月3日に再びオンラインで会合の場を持ち、パンデミックの進展と関連する状況を評価し、ISUシニアイベントのシーズン計画を更新します。
ですので、当初の予定より数日早く、スケートアメリカを含むグランプリシリーズの開催可否が、決定・発表されると思います。
たぶん、中止だと予想されます。
ジュニアに関しては賢明な判断だと思いますが、中止が決定して改めて、
選手の発表の場をどうするか、モチベーションをどこに持ってくるか、
考える必要があるのではないかと感じています。
ペギー・フレミング杯のバーチャル開催や、浅田真央サンクスツアーの生配信など、
経験を財産に、ISUで何か発案されるといいですよね。