オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

トップアスリートは守りに入らない。

こんばんは。フィギュアの本格シーズン開始前。みなさんいかがお過ごしですか。

 

通常の年であれば、もう1、2カ月すれば、同時に2つも3つも試合があって、眠る暇もないわけですが、嵐の前の静けさですね。

私も、浅田真央ちゃんの『私のスケート愛』を、のんびりと読み始めたところです。

 

さて、相変わらずYouTubeのゲーム界隈ににひょっこり登場している昌磨ですが、「地上波未公開!宇野昌磨が現在地を大激白!!!(月刊ハラスポ)」の中で、フリー『ボレロ』について語っています。

 

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https://www.youtube.com/watch?v=5p8RdCLX3zM

 

『グレイトスピリット』もそうでしたが、『ボレロ』も「競技用とは思えないほど運動量が多い」と思います。 

 

「もっと上手くなりたい」「挑戦する」という言葉を最近よく使っている昌磨ですが、オリンピックシーズンゆえに、挑戦してほしい一方で、まとめてほしい気もしていました。

挑戦する昌磨は大好きですが、あまりにもドカンドカン転倒してしまうと…ね…😂

 

そうしたら、「難易度の高いプロであるが、無謀でない程度に挑戦したい」と話していて、ほっ♡と安堵しております(笑)

 

このように、ファンとしては、選手に成功してほしいと願うあまり、

「その選曲はオリンピックで有利なのか不利なのか」とか、「プログラムを持ち越したほうが、滑り込んでいて有利では」などと考えてしまうことがあります。

 

でも、先シーズン、先々シーズンがコロナで不完全燃焼だったこともあり、

オリンピックシーズンといえども、リスクを取って挑戦する選手が多いように感じています。

 

例えば、ロシアのコリヤダ君は、フリーの名作『ホワイト・クロウ』をすっぱり止めて、新プロに『シンドラーのリスト』を持ってきました。

 

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オリンピックに持ち越せば芸術点はお墨付きであるが…

 

オリンピックとグランプリファイナルと世界選手権の最終グループで、ジェイソン・ブラウン選手とかぶる可能性は、限りなく高いです。

しかも、ジェイソンの『シンドラーのリスト』は、とんでもない名作ですよね。

 

物語の抽出の仕方は違うようですが、音楽のサビは同じ予感がします。

(というか、あのサビがなければ、『シンドラーのリスト』を選んだ意味がないと思います)。

でも、他の選手とかぶろうがどうしようが、今のコリヤダ君には、あの曲が必要だということでしょう。

 

ジェイソンも、SP『Sinnerman』、FS『シンドラーのリスト』と名作を再演するものの、4回転ジャンプを増やして難易度を上げるとのこと。

 

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構成をあげなくても4回転1本分加点で稼げるが…

 

ネイサン・チェン選手も、これからフリーの振付なんですよね。

「『ロケットマン』にすれば絶対有利なのに…」と思う心の貧しい私(笑)。

 

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オリンピックに持ち越せばステップは満点であるが…

 

しかし、引退前のラストシーズン(?)になるであろうネイサンは、新しいことをやりたいのかもしれません。

 

浅田真央選手がバンクーバーで『鐘』を採用したときも相当心配しましたが、

ファンの心配やモヤモヤは、時にアスリートの考え方とは乖離していると思います。

 

ファンのモヤモヤと言えば、北京オリンピックの日程が発表されて、

団体戦から個人戦への流れが、「ばっかじゃないの!!」と悪態をつきたいくらいにハードで憤慨していましたが、

 

この過酷スケジュールを、選手とコーチは、とっくに想定して動いているのではないかと思いました。

今シーズンのグランプリ大会で、ラファ親父は、ネイサンにスケートアメリカとスケートカナダで連戦させますよね。

 

ミーシン巨匠も、昨シーズン、コリヤダ君に初の連戦を経験させています。
コリヤダ君は、「休息なしで試合に出る対処の仕方を学んだ」と話していました。

 

北京のハードスケジュールは怪我が心配だし、団体戦に出場する選手としない選手の間の不公平感も半端ないんだけど、

極限状態で精神力と体力をキープできた選手が、勝ち抜くんでしょうね。

そういう意味では、昌磨が団体戦に出ることになったとしても、私は信頼しています。

 

昨日ニュースを見ていたら、東京オリンピックに出場する陸上の田中希実選手は、

同じ日の午前中に1500メートルの予選に出て、午後に5000メートルの決勝に出るそうです。

「ひゃーーーー」としか言えない超人的なスケジュール。

商業オリンピックは、予算も日程もカツカツで、アスリートは大変です。

 

オリンピックの話をもう一つ。

『フィギュアスケート男子ファンブック Quadruple Axel 2021 シーズン総集編』に、山本草太選手が、オリンピックシーズンに『Anthem』をもう一度滑るかもしれないと書かれていました。

 

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草太くんの『Anthem』って、本当にいいプログラムですよね。

怪我から復帰したシーズンに見たときも鳥肌が立ったし、

落ち込んでいる様子だった2020年シーズンの最後に、スターズオンアイスで見たときも鳥肌が立ちました。

 

「自分の魂が現れる」と表現されていましたが(Quadruple Axelより)、

草太君の『Anthem』を見ると、私自身も内側に秘めた感情が引き出されるように感じるんです。

 

2017年の平昌シーズンに、

「僕が平昌オリンピックの代表になることは100パーセントありませんけど、自分の中であきらめきれない0.01パーセントがあります。だからそれを目標にして全日本に出ます」

という山本選手の言葉に、心臓をギュッとつかまれました。

北京オリンピック代表を、昌磨も含めて競うことになると思うのですが、

この曲で悔いのない戦いを見せてくれたら、私は感涙すると思います。


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