オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

宇野昌磨ISUインタビュー#UpAgain 意訳

こんばんは。

UNO1ワンチャンネルに、着実にミラクルジャンプをものにしていく昌磨の映像がアップされています。

昌磨がどんどんうまくなる様子をリアルタイムで見て感じられるなんて、本当にわくわくします!!

 

そして、本日の最新のUNO1ワンチャンネルには、合宿に向かう昌磨といじらしいエマちゃんの姿、全日本に向けた情報も盛り込まれています。見に行ってくださいねー。

 

さて、ISUのサイトに、宇野昌磨選手のロングインタビュー記事が掲載されています。

既出の内容が中心で、日本語で報道された箇所もありますが、私の言葉で訳しました。あくまでも意訳です。

結構長い記事で急いで訳したので、後からこっそり修正していくかもしれません。

 

f:id:tanegashimapi:20211211211814j:plain

Shoma Uno (JPN) at the 2021 ISU Grand Prix of Figure Skating NHK Trophy in Tokyo © International Skating Union (ISU)

(意訳)来たる12月17日に24歳を迎えるという若さで、宇野昌磨は、すでに5回の世界選手権に出場し、銀メダルを獲った2018年のオリンピックにも出場しています。

2017年と18年の世界選手権、そして同年のグランプリファイナルでは、銀メダルを獲っています。

2015年にジュニア世界選手権で優勝して以来、宇野は世界のトップスケーターグループの一員でしたが、道を見失っているように見えた時期もありました。

4度の全日本チャンピオンは、2019年のグランプリフランス大会で、8位という低い順位でもがいていました。2015年にシニアに上がってから、彼はどの大会でも表彰台の常連であったのに。

その後、2度の世界選手権王者であり現在はコーチであるステファン・ランビエールが、彼を指導するようになりました。

(直訳のほうがかわいい♡ Stéphane Lambiel took him under his wings.ステペンが昌磨を翼の下に入れて守っています)

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Stéphane Lambiel(@slambiel)がシェアした投稿

 

(意訳)「当初は、正直なところ、スケートを止めようかなと思っていました」と昌磨は打ち明けます。

「いつまで滑り続けるかはわからない。でも、引退をイメージして、アスリートとしての残りのキャリアを楽しもう」と。

しかし、ステファンに師事するようになって、その考えは変わりました。

「ステファンとトレーニングをするようになって、できるだけ長くスケートがしたいと、本当にそう感じるようになりました」と宇野。

「見返りも何も求めていません。でも、スケーターとして成長して、ステファンのためにいくつかのタイトルを獲得し、彼がどれだけすばらしいコーチであるかを、みんなに知ってほしいんです」

コロナ禍で、一緒に練習しづらくなったのは明らかです。渡航制限や検疫があるので、日本のスター(昌磨)は、シャンペリーのスクールでコーチと共に過ごすことがある一方、日本で自主練習することも多いのです。昌磨とステファンは、オンラインを通じて練習していますが、大会で再開し、その時を特別に楽しんでいます。

「日々の練習を一緒にできないのはキビシイですが、自分のジャンプについては、それほど心配していません。大変なのは、プログラムのことなど、他のことです」と話します。

「大変ですが、孤独ではありませんでした。日本に戻っても、サポートしてくださる方はたくさんいます。いいトレーニングメニューが組めているし、大きな問題はありません」

f:id:tanegashimapi:20211211212441j:plain

Shoma Uno (JPN) and his Coach Stéphane Lambeil at the 2021 ISU Grand Prix of Figure Skating NHK Trophy in Tokyo © International Skating Union (ISU)

(意訳)ランビエールは、フリーの曲に『ボレロIVニューブレス』というモーリス・ラベルの『ボレロ』の現代版を提案し、振付けました。

ショートは、アレッサンドロ・マルチェツロとアントニオ・ヴィヴァルディの2つのクラシック『オーボエ協奏曲』で、宮本賢二によって振り付けられました。

「ステファンが『曲はこれだよ』と言うので、それでやることに決めました。毎シーズン、選曲はコーチの先生方にお任せしていますが、どのシーズンも前のシーズンよりいいものにする、という共通認識はあります」

昌磨は、今シーズン、とてもやる気を感じています。

「これまでいくつかの大会では、あまりいい結果は残せませんでした。それによって、『最高峰の大会でまた戦いたい。世界のトップレベルで競争したい』と、心から望んでいます」。

「自分にその準備ができていること、トップレベルでうまく戦えるだけの気力があることを確かめたいんです。オリンピックシーズンだから、そう思ったのではありません。たまたまオリンピックシーズンだっただけです。また、鍵山優真選手のような若いスケーターたちが、伸びてきていることも注目しています」

ISU世界選手権2021で4位になった宇野は、オリンピックシーズンに向けて良いスタートを切りました。スケートアメリカで2位になり、その後、ホームである日本で、NHK杯に優勝しました。グランプリ大会で優勝したのは、3年ぶり。「代々木体育館は特別な場所だ」と彼は言います。

「ステファンがグランプリファイナルで優勝したとき(2005年)も、このリンクでした。2年前に私が全日本選手権で優勝したときも、ここでした。ステファンと僕は、『ここは幸運な場所だね』って」

「時には、ラッキーで優勝することもあるでしょう。でも今大会の優勝は、自分のスキルと能力によってもたらされた結果だと、本当にそう思うんです。もっともっと成長できます。成長して、よりたくさん優勝して、タイトルをものにしたいです」

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ISU Figure Skating ⛸(@isufigureskating)がシェアした投稿

 

しかし、優勝した後も、宇野は冷静さを保っていました。「うまくいったときに、喜び過ぎないようにしています。一生懸命練習していないにも関わらず、何かがうまくいったとき、それはラッキーだっただけです。一生懸命練習したのに大会でミスをしたなら、運が悪かっただけかもしれません」

現在、トップスケーターのほとんどが、プログラムに複数の4回転ジャンプを組み込んでおり、宇野も例外ではありません。グランプリ大会では、5つの4回転ジャンプを跳ぶことを目指していました。ループ、サルコウ、フリップ、2本のトゥループです。NHK杯では、そのうち4本を着氷しました。フリップだけが、2回転になりました。

(4回転5本は)リスクが大きすぎる、と思う人もいるかもしれませんが、宇野はそう思っていません。

「本当に難しいです。(プログラムに4回転を多く組み込む)難しさを、僕も実感していますし、それによって、みんなミスをし、最終的な順位に影響します」と昌磨。

「(でも)もっと簡単なプログラムをやったとしても、ノーミスで演じることはできなかったと思います。僕は、100パーセント完璧なプログラムを演じたことはありません。であるならば、限界まで難しい構成にして、試合に向けて夢中で練習してみようと」

スケートアメリカのときに昌磨は、「自分のプログラムは、4回転6本を入れたネイサンほど難しくない」と指摘しました。「大会のレベルがとても高くて、本当にわくわくしてハッピーでした」

昌磨は、自分の限界を押し上げます。

「練習してうまくなりたいときに、すでにできていることをやるのは、自分にとってよくありません。80パーセントのことをやって満足しているのは、自分にとってよくない。僕にとって適切なトレーニングとは、自分の限界を押し上げることです。そういうトレーニングが好きです。今回、自分のような構成で挑んでくる選手はいないと思っていました。でも、ネイサン・チェン選手のフリーを見た時、要素が似ていると思いました。4回転ループを跳んで、ルッツもフリップもサルコウもトゥループも跳べる。しかも、僕よりもうまく跳べます。最初にこの構成を見たとき、自分のスケート人生でこの内容はマスターできないと思いましたが、いい意味で、その考えを変えることにしました。4回転ルッツは苦戦していますが、シーズン中に、どのようにルッツの練習に取り組むかを、考えなくてはいけないと思っています」

f:id:tanegashimapi:20211211212855j:plain

Shoma Uno (JPN) won the gold medal at the 2021 ISU Grand Prix of Figure Skating NHK Trophy in Tokyo© International Skating Union (ISU)

(意訳)宇野は、次の大会に向けて何をすべきかを考えている。

「プログラムをもっと難しくするか、現在のコンテンツのままで、自分が満足できるまで、できる限り練習するか、まだ決めていません。どちらにしても、自分が成長したことを示したいですし、いい滑りをして、大会で良い結果を出したいと思っています。大会で優勝したいとは思わないのですが、たまたま優勝するのではなく、優勝するのがごく自然なことだ、というレベルに、自分を高めたいんです」

www.youtube.com

(意訳)昌磨には様々な一面があり、氷の上だけでなく、3匹のトイプードル、エマ、バロン、トロとも会えるYouTubeチャンネルで、それを披露しています。

「始めた理由はコロナでした。世界に向けてもっと自分を表現する方法を探していて、自分たちに最も簡単にできる方法は映像であり、YouTubeでした。それで始めたんです」と、23歳の昌磨は説明します。

「氷の上にいるときは、完全にスケートに集中していますが、氷を離れると、僕がただのダラダラした怠け者であることを、ほとんどの人は知っています。でも、みなさんに氷を離れたときの僕がどんな風であるかをお見せし、これも宇野昌磨だ、と知ってもらういい方法だと思いました」

犬を飼うのは、彼のアイディアではありませんでした。「最初は、僕だけが犬を飼うのに反対していました。大きい小さいに関係なく、動物がほんっとに怖いんですよ。本当に苦手なんです。でも、まわりの人に話すと、『自分の子、自分の犬、家族になると、全然話は違ってくるよ』と言われました。その通りでしたね」

 

今では、エマちゃん、バロン、トロちゃんと離れたくないそうです。

「心から愛しています。一緒の時間を楽しんでいます。練習がうまくいかなかった日でも普通の日でも、三匹は何もなかったかのように僕に寄って来てくれるんです」

「あなたを最もインスパイアする人は誰ですか」という質問に対して、昌磨は驚いたことに「自分自身」と答えました。

「もちろん、たくさんの人にインスパイアされていると思いますし、すばらしい言葉の数々にもインスパイアされています。でも、気持ちが落ちたとき、僕にインスピレーションを与えるのは、結局、自分自身であると感じます。残念ながら、僕は誰の言葉にも耳を傾けません。(*落ち込んだとき、人の言葉では克服できない、くらいのニュアンスでしょうか。人のいうことを聞かないというのとは違うのかな、と)。時には耳を傾けることもありますが、たいていは自分自身の気持ちで何とかします」

現在、宇野は、スケートに集中しており、スポーツ以外のことに夢を描く余地はありません。

「2018年のフランス大会の後、スケートをやめようと思って、他に何ができるかを考えました。結論として、スケートを続けるよりも成功することはないし、何か新しいことをゼロから始めるよりも楽な道だと気づきました。だから、他に夢はありません」


にほんブログ村