こんにちは。
さて、昨夜から明け方にかけて、ヨーロッパフィギュア選手権は、大盛り上がりでした。
一つは、アイスダンスのリズムダンス。
もう一つは、男子シングルのフリーです。
まずは、ちょっと下世話な、アイスダンスのお話です。
私は、今回、アレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン組を応援していました。
パパ&シゼが参加を取り止めたので、優勝はおそらくヴィクトリア・シニツィナ&ニキータ・カツラポフ。
そこに、ニコライ・モロゾフをチームに迎えたステパノワ&ブキンがどこまで迫れるか。
といったところが、正統派の見どころだと思います。
そこに登場したのが、ロシアの3組目。ジュニアから上がってきたダイアナ・デイビス&グレブ・スモルキンです。
ご存知のように、ダイアナ・デイビスの母親はエテリ・トゥトベリーゼ。グレブ・スモルキンの父親は、ロシアの有名俳優です。
二人は、ジュニアのグランプリ大会やロシアJr大会にも出場していましたが、
トップではなかったと記憶しています。
それが、オリンピックイヤーの今シーズン、突然の大躍進!!
エテリコーチは、「生徒は家族とは違う。私が愛しているのは、娘だけ」と公言していますが、娘をオリンピックに連れて行くために、動き出しておりました。
そりゃあそうですよね。
同年代のシェルバコワやトゥルソワがオリンピックを目指す中、自分の娘だって、出場させたいでしょう。
そして、かなだいも出場した2021年のワルシャワ杯で、ダイアナ&スモルキンは優勝。
リズムダンスでは、それまでの点数からは想像できない81.30のビッグスコアを出して、「ロシアチャンピオンのステパノワ&ブキンに相当する点数だ」と物議をかもしました。
ちなみに、エテリコーチも、マイア・フロミフに帯同してワルシャワに行っていました。
そして、このワルシャワ杯をトリガーに、「ダイアナ&スモルキンは北京オリンピックに行くことになっている」と言われるようにもなりました。
そして、先日のロシア国内選手権2022。
優勝候補だったシニツィナ&カツァラポフ組が途中棄権したこともあり、
金メダルは、アレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン。
そして、銀メダルは、なんとダイアナ&スモルキン!!
えぇ~まじですか?? これはもう、北京オリンピック確定では??。
リズムダンスの点数は、国内とはいえ83.99で、ワルシャワ杯の81.30と合わせて、80点越えが規定路線に。
素人ながら、点数と実力が離れすぎていることは感じていました。
で、今回のヨーロッパ選手権で、オリンピック確定…なんでしょうね。
一方で、「アイスダンスと言えば、ヨーロッパ。プライドにかけて、甘い点数をつけるはずがない」という期待もありました。
昨夜のリズムダンスでは、デイビス&スモルキンは、これまで最高のキレを見せました。
実況も不自然なくらい絶賛。
が、点数は、73.32!!
あれ、魔法が解けちゃったの?(笑)
それでも、十分高得点ですが、第8位でした。
この件には、女子シングルで、致命的なミスをしたアンナ・シェルバコワが、高得点を得たことと関係しているかもしれません。
ベラルーシのヴィクトリア・サフォノワ(デニス・テンメモリアル杯で優勝)は、
『タイム・トゥ・セイ・グッバイ』に乗せて、引き込まれるような演技をしました。
が、すばらしい3Lz+3Tにエッジエラーを付けられて、得点は渋い63.07。
コーチも首をかしげ、解説も「サプラ~イズ(点数低すぎ)」。
それで、コーチのワシリエフ氏が怒りを露わにしたんですよね。
「回転不足で転倒したシェルバコワのアンダーローテーションは見逃しておいて、
テクニカルジャッジの判断能力・基準はどうなっているのか。ISUは毎年、ジャッジの研修に大金をつぎ込んでいるのに、いったい何を学ばせているのか」みたいな内容。
きわめつけは、「今回の審査員も、1か月前のアイスダンスの審査員と同じように、エテリ・トゥトベリーゼとディナーにでも行ったのか」と。
1カ月前って、ワルシャワ杯では?
この発言でジャッジの動向に注目が集まったためか、リズムダンスでダイアナ・デイビス&グレグ・スモルキンが爆上げされることはありませんでした。
エテリコーチは、シェルバコワを守ったために、娘に割を食わせたのだろうか…
欧州ジャッジの反感を買ったのだろうか…
“エテリの娘”であることが、最終的に吉と出るか凶と出るか。
もうまもなく始まるフリーダンスが、とても楽しみ。
ちなみに、点数について質問されたスモルキンが、「リズムダンスの点数は気にしていない。今日のジャッジは、僕らの演技を見ていなかったのではないか。フリーダンスは別のジャッジだから」と、含みのあることを言っていました(笑)。
さあ、二人の点数は、どうなるでしょうか。
一応言っておくと、二人が猛練習を積んで、頑張ってきたことは間違いありません。
現在の順位は、こちら。
1.ヴィクトリア・シニツィナ&ニキータ・カツァラポフ(ロシア)87.89
2.アレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン(ロシア)86.45
3.シャルレーヌ・ギニャール&マルコ・ファブリ(イタリア)83.35
4.ライラ・フィア&ルイス・ギブソン(イギリス)79.97
5.オリヴィア・スマート&アドリア・ディアス(スペイン)77.99
6.サラ・ウルタド&キリル・ハリャヴィン(スペイン)75.83
7.アリソン・リード&サウリウス・アンブルレヴィチウス(リトアニア)74.45
8.ダイアナ・デイビス&グレブ・スモルキン(ロシア)73.32
スペインのオリンピック代表も、今夜最終決着です。
あとがないサラ・ウルタド&キリル・ハリャヴィンですが、リズムダンスでは、こんな場面でも、二人の足が絡みそうなくらい接近した攻めの演技に、うなりました。
さすが、オリンピアンはメンタルが強い!!