女子シングルの結果が出たとき、
坂本かおちゃんが銅メダルになってうれしいはずなのに、
「うれしい」という感情より先に来たのは、
何とも言えない心の痛み。
しばし、心も体もフリーズしてしまった。
ワリエワがミスを重ねていくたびに、頭をよぎったのは、
「彼女を4位以下にすれば、メダル授与式を行える。
ISUとロシアは、それで手打ちをすませているんじゃないか」という疑念。
「4位以下にするために、今ごろ審判団は必死に電卓を叩いているのでは」とも思った。
選手のことをこれだけ把握しているエテリ組のスタッフが、
ワリエワがドーピングをしているのを知らないわけはない。
ついでに言うと、過酷な競争にさらされているサンボ70で、
ワリエワ選手ひとりが薬を飲んでいるとも思っていない。
「彼女だけ飲むなんてずるい」ということになるはずだ。
よって、シェルバコワとトゥルソワまで色眼鏡で見てしまうのが残念だ。
坂本選手が金メダルになって、
樋口選手も銀メダルに繰り上がるんじゃないか…と思ったりする。
しかし、表彰式の前の映像で、
泣きながらエテリコーチに何かを訴えるトゥルソワと、
それを怯えた表情で振り返る坂本選手を見たのだが…
あれはどういうことなのか?
心臓に不調を抱える家族がいる身としては、
「おじいちゃんが人工心臓を入れていて、
雑音が聞こえるときは薬を飲む」
というワリエワの母親の説明は、苦しすぎる。
心臓の雑音は、耳では聞こえないだろう。
人工心臓の具合が悪いなら、
薬よりも修理か交換だろ…。
おじいちゃんも、健康なのに、
話のつじつまを合わせるために、
今ごろ人工心臓を入れる手術をされてるんじゃないか?😱
とにかく、泣き崩れるワリエワを見て、
心が悲鳴をあげてしまった。
国家の名誉のために、
才能ある少女が薬でサイボーグみたいにされて、
問題が起きたら、彼女一人に責任をかぶせて。
15歳で、全世界から非難されるなんて、想像もつかない。
このオリンピックは、悲しすぎる。
見ている私がこんなに苦しいのだから、
必死に戦ってオリンピックチケットを手にした選手たちの心のうちは、
いかばかりであろうか。
と思うのである。