オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

ロシアスケート連盟、制裁措置をCASに提訴

こんにちは。ロシアの複数の競技団体や選手が、

ウクライナ侵攻に対する制裁措置を不服として、

スポーツ仲裁裁判所(CAS)に競技連盟を提訴しました。

 

提訴した競技団体の中には、無期限で国際大会への参加を禁止されているロシアフィギュアスケート連盟も入っています。

 

ロシアの一部報道では、個人による提訴には、ペアのエフゲーニャ・タラソワ&ウラジミールモロゾフが名を連ねていると伝えられています(提訴資料未確認です)。

 

ロシアが、フィギュアの国際大会から締め出されていることに関連して、

  • ロシア国内でアイスショーや競技会を盛り上げる動きがありますし、
  • 引退を視野に入れる選手
  • 海外移籍を視野に入れる選手やコーチ
  • それに対する裏切り者かどうかの論争など

いろいろ聞こえてきています。

 

アスリートが将来を考えるのは当然であり、連盟が自国競技の衰退を防ごうとするのも当然です。

ですが、ウクライナの戦況・被害状況を見聞きすると、

私は、「ロシア&フィギュアスケート」を見る気分にはなれません。

特に、コミカルな曲で滑るなどというのは…もちろん、好きなスケーターはいるわけですが。

 

「ロシアを排除するなんて、間違っている!!」「西側が私たちをいじめている」「ロシアのフィギュアの成功をねたんでいる」と憤る関係者の話も報道されていますが、

彼らが、ロシアがウクライナで行っていることについて、どこまで情報を得ているかはわからないので、複雑な心境です。

 

ところで、先だっての世界選手権で、私が一番心を揺さぶられた演技は、

アイスダンスのウクライナ代表、アレクサンドラ・ナザロワ&マクシム・ニキティン組の演技でした。

 

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「これほど心を込めて滑るのは、不可能ではないか?」。

 

ものすごい感情が押し寄せてきて、プログラム前半は、身を引き裂かれるようでした。

 

ところが、演技後半に曲調が変わると、生命力にあふれ、希望さえ感じる演技でした。

歴史に残る演技だったと思います。

 

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演技終了後、観客席の近くまで行ってお辞儀をしたのも、胸を打たれました。

衣装も、あれ以上(ウクライナの国旗色のユニフォーム)にふさわしいものはなかったと思います。

今でも、何度も見ています。

中国の放送しか動画が見当たらないのでリンク張らせていただきます。→ 【2022 ISU 世錦賽】冰舞短曲 娜扎諾娃/尼基汀 - YouTube

 

演技の後、すぐにプログラムに使われた曲『1944』by Jamalaを調べました。

 

2016年に、ウクライナの領土だったクリミアを、ロシアが強制的に併合した時期にリリースされた曲だそうです。

前半は英語で、後半の耳慣れない言葉は、クリミアのタタール語がつかわれているようです。

 

香港の新聞に書かれていたのですが、当初、『1944』の曲の冒頭に、ゼレンスキー大統領の16秒だか18秒だかの演説を入れようとしていたそうです。

でも、ISUが政治的だという理由で却下。

 

私は、レンスキー大統領の演説は、入れなくて正解だったと思います。

あの場面では、演説よりも、彼らの演技のほうが、ずっとずっと強いメッセージを発していたと思います。

 

北京パラリンピックのときに、ウクライナ代表団が、「自分たちがこの場に来ることは、ウクライナが国として存在することを意味する」というようなことを言っていましたが、その意味が、とてもよくわかりました。

 

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男子シングルのイワン・シュムラトコ選手の演技にも、胸を打たれました。

打たれすぎて、苦しかったです。

 

でも、あれほど感動し、

全世界の人がウクライナの平和を祈ったであろうにもかかわらず、

いまだに集結しない戦争。

焦土と化していくウクライナの状況に、無力感を覚えます。


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