おはようございます。
ロシアのカミラ・ワリエワ選手のドーピング違反問題について、
ついに、ロシアの反ドーピング機関(RUSADA)が調査の結論を公表しました。
1年近くも調査の結論を引き延ばし続けた結論がこちらです。
「ワリエワはドーピング防止規則違反を犯したが、本人には過失はない」
要点をまとめますと、
・ワリエワ選手がドーピング違反を犯したことは認められる。
・しかし、本人に過失はないと判断した。
・不正の認定は、禁止薬物「トリメタジジン」の陽性反応が出た2021年12月25日のロシア選手権の結果のみ。
・選手としての資格停止処分は科さない。
・ロシア選手権の結果のみ失格とする。
この結果を受け入れるならば、
- 北京オリンピックの団体戦のロシア金メダルは変わらず。他国の順位繰り上げはなし。
- 北京オリンピック個人戦ワリエワの4位は変わらず。
- 2021-2022年のロシア国内女王は、ワリエワではなくトゥルソワに。
- “シニアで無冠”と言われ続けたトゥルソワ、ついに戴冠
- 世界反ドーピング機関(WADA)が求めていた4年間の資格停止はなし。
ということになります。
11月に、「この件に関するロシア反ドーピング機関の決定の遅れは容認できない」と、WADAがスポーツ仲裁裁判所 (CAS)に訴えていましたが、それを受けての発表でしょうか。
ロシア反ドーピング機関は中立・独立した機関のはずですが、「=ロシア政府」になってしまいましたね。誰もがわかっていたことですが。
当時15歳だったワリエワ選手に過失がなかったと判断するなら、
過失があったのは、誰なのか?
コーチやドクターの責任は追及されていません。
現時点では、「休暇で訪れた母親の実家で、心臓病の薬を飲んでいたお爺ちゃんの唾液が入ったコップの水を間違えって飲んでしまった」という、お笑いストーリーが採用された形になっています。
この結論をもって問題が解決する可能性は低く、世界反ドーピング機関は、決定に対する「懸念」を表明するとともに、
スポーツ仲裁裁判所 (CAS)に異議を提出する可能性があることをほのめかしています。
この判断で納得する国も選手もいないと思うし、
これが通用するならドーピングし放題になってしまうので
混乱は今後も続くと思われます。