こんばんは。ロシア選手(=エテリ組)の姿が消えてから、
各国代表の個性にスポットライトが当たるようになった、ヨーロッパ選手権女子。
以前は、ロシア選手との大きすぎる点差に、
選手が自信をなくしているように見えたし、コーチの表情もこわばっていたのですが、
今は、氷上でもキスクラでも、両者の表情が生き生きしているように見えます。
そんなユーロ女子SPを、駆け足で振り返っておこうと思います。
私が観戦し始めたのは、エストニアのエヴァ・ロッタ・キーバス選手から。
大好きな『Baiana』。会場の人気も高い様子。
目の動きキョロキョロから始まるこのプログラム。
何回見ても楽しいし、キーバス選手の動きもとてもよかったのですが、
ジャンプの転倒等があり、得点は伸びず。SP15位です。
昨日のユーロ女子は、ジャンプに苦戦する選手が多かった印象です。
でも、「ジャンプ失敗しても、いい演技だったよね」と思えるのが、大きな変化だと思います。
続いて、フランス代表。ブライアン・ジュベールの教え子で、唯一のフランス代表、リア・セルナ選手。
今年のユーロではトップ10を狙うということでしたが、
アクセル以外のジャンプを失敗してしまい、26位。
フリーに進めないという辛い結果となってしまいました。フランス女子は、なかなか枠が取れないですね。
続いて登場したのは、スイスのキミー・リポンド。
私は初めて見る選手で、ジュニアの選手のようです。
スイスは二枠ありましたが、パガニーニ選手は、補欠なんですね。
『Two Feet Medley』。ちょっと機械的な滑りに見えたのですが、
解説は絶賛していました。好みの問題でしょうか。
技術点は、ヘンドリックスより高くてトップです。SP3位。今後に注目です。
続いて、ブルガリアのアレクサンドラ・フェイゲン選手。
映画『Onegin』のテーマで滑りました。
中世ヨーロッパのような不思議な雰囲気を持ったスケーターで、
素敵だなぁと思いましたが、ジャンプの回転不足等で減点され、
セカンドマークも伸びず…17位
最終グループに移って、エストニア女王のニーナ・ペトロキナ。
とても素敵なプログラムと衣装の『Give Us a Little Love』by Fallulah。
シャープで洗練されていて、冒頭からうっとり。
完璧なダブルアクセルでスタートしましたが、フリップとトゥループのコンビネーションで、ムムッ😨
得点源のルッツは、タイミングがぁぁぁ…😨もったいない。
それでも暫定4位。最終的にはSP7位です。フリーに期待します。
続いて、最近、お気に入りのアナスタシア・グバノワ(ジョージア)。
『Istanbul Wedding 』『Historiette No. 5』by Fabrizio Paterlini。
ルカヴィツィン一家お得意の寂しく陰鬱になりがちなミュージックセレクションも😑
“モナコ王室”って感じのグバノワの気品と華やかさが加わると、美しい。
本当に美しい。
衣装も彼女の髪色に合っていて、見事な世界観。表情もしぐさもすべてが美しいノーミスの演技で、トップに立ちました。69.81点。
彼女は、腕の使い方が、本当にたおやかですね。
続いて、こちらも人気者、スウェーデンのジョセフィン・タリガード。
表現したいことがあるのが、明確に伝わってくるスケーターです。
ゴムまりみたいに力強く弾んで、個性的。楽しそうだし、見ていて楽しい。
なんとなく、歌手のアデルを連想しました。
Ready Or Not by Mischa "Book"Chillak, feat. Esthero
Ready Or Not Here I Come by District 78, feat. Cheesa
おっと、モロゾフの振り付けですね。ジャンプの減点等があってSP12位です。
続いて、お待ちかね、優勝候補のルナ・ヘンドリックス登場。
なんとなく、表情が硬く、緊張しているみたいに見えました。
大好きなプロ『Si Mama』。衣装はすべて、自分でデザインしているんですって。
終盤に持ってきた得点源のコンビネーションジャンプをミスしてしまうのですが、
そのほかは、なんという鮮烈で強烈なステップシークエンス!!
ものすごいアイスカバー。エッジにエンジンがついてるみたいに、ぐいぐい進んでいきます。
スピンの回転も高速すぎ!!
小柄で細身の選手以外で、こんなに速く回転するスケーターは珍しいのでは?
表情も豊かで、時折歌いながらの演技でした。
しかし、ジャンプミスが響いて67.85点。2位発進です。
フリーで逆転する可能性が大です。
そして、ドイツのニコル・ショット。
曲は、アダム・シャオ・イム・ファと同じ『レイン・イン・ユア・ブラック・アイズ』です。
好きなスケーターですが、昨夜はついていなかったかな。
冒頭のコンビネーション予定のフリップで転倒。
リカバリーで3T+3Tを付けたけど、高さがなくてセカンドで転倒。SP16位です。
やっぱりショートは、怖いなぁ。
最終滑走は、大人気のエカテリーナ・クラコワ選手で、
『エルビス・プレスリー・メドレー』。
何回も言いますが、彼女にプレスリーをやらせようと思いついた人、すごいです。
振付は、イヴァン・リギーニ。
クラコワちゃんは、ワールドユニバーシティからの連戦で疲れていたとのことで、
ジャンプはベストな構成、出来ではなかったのですが、
曲変からのステップは、まさにエンターテイナー。独壇場でした。
ここまで表現できるようになるまで、かなり滑り込んだのでしょう。尊敬。
SPは5位です。
ということで、ユーロ女子SPは、大混戦でフリーに突入します。
特に3位は、誰が逆転してもおかしくない僅差です。
どの選手にも、表彰台のチャンスがあるところが面白い。
エテリ女子が独占していたころには、考えられなかったことですね。