オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

ワリエワのドーピング問題、わずかに進展

さて、永遠に決着がつかない気もするカミラ・ワリエワ選手のドーピング問題。

「いい加減にしてほしいむと思っている人も多いと思いますが、

あきらめたら、ロシアの思うツボ。

 

北京オリンピック団体戦のメダルが、いつまでたっても日本チームの元に届かないので、しつこく伝えていこうと思います。

 

案件としましては、

当時15 歳だったワリエワは、北京オリンピック前の2021年12月25日の大会で実施された薬物検査で、
禁止されている心臓病治療薬のトリメタジシンの陽性反応が出て、不合格となりました。
検査結果は、北京オリンピック団体戦後に判明し、
・ロシアの団体戦金メダルの取り消し
・2位、3位、4位の繰り上げ
・延期された団体戦メダルの授与
・ワリエワの各種記録の抹消
が求められています。

 

尚、明確に求めている国、玉虫色の反応の国、求めていない国は、

一部、はっきりとしていません😆

 

そして、WADA(世界反ドーピング機構)が、

RUSADA(ロシア反ドーピング機構)に、

「ワリエワの件、期限までに調査を完了してね」と言っていたにもかかわらず、

RUSADAのロシア国内での調査、聞き取りは、遅々として進まず。

期限を過ぎても、ノーアンサー。

 

しびれを切らしたWADA(世界反ドーピング機構)が、

スポーツ仲裁裁判所(CAS)に

ワリエワの処分(4年間の資格停止、メダル記録のはく奪等)を訴えました。

 

で、「ちょっとまずいかな」ってことで、

北京オリンピック1周年を前に、RUSADAが調査結果を報告。

「ワリエワのドーピング結果は陽性。しかし、本人に過失なし」という結論を出しました。

また、「記録のはく奪は、北京オリンピック前のロシア国内選手権の金メダルのみ、が妥当ではなかろうか」と。

 

これにWADA(世界反ドーピング機構)は納得せず。

今月21日の新たな展開として、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に、

「こんな調査結果は、反ドーピングの規定に、のっとっていない」と、上訴しました。

Kamila Valieva: Wada appeals to Cas over 'wrong' Rusada ruling in figure skater doping case - BBC Sport

 

WADAの意向は、陽性反応が出た検体が採取された2021年12月25日から4年間の選手資格停止。(もう1年経ったから、あと3年かぁ🤔)

 

ISU(国際スケート連盟)も声明を発表。

「ISUは、すべての若いアスリートが、ドーピングから保護されなければならないという意見です。若いアスリートを制裁から免除することによって、ドーピングから彼らを守ることはできません」

 

当然ですね。

「責任を問えない年齢のスケーターがドーピングをしても、罪に問われない」という解釈なら、

国家ぐるみで若いスケーターに薬物を与えて、国のために記録やメダルを獲らせるという蛮行につながってしまいます。

 

で、ISUが求めているのは、

・2021年12月25日から、資格停止。

・資格停止期間は、スポーツ仲裁裁判所の決定にお任せ。

・メダル、ポイント、賞金・賞品の没収。

・この期間中に達成されたすべての結果の失格

 

なるほど、なるほど。一歩踏み込みましたね。

金メダルもだけど、世界ランキングに関係するポイントもなしに。

でもって、賞金と商品を返してくれ。

 

ここ大事ですよね、賞品と賞金の没収。

奪われてしまった選手に、再分配しませんとね。

 

そして、ISUは、ワリエワのドーピング違反の結果に対して結論を出すことに加えて、

スポーツ仲裁裁判所が、北京オリンピックでの団体戦の結果に対して、最終的な結論を出すことを求めています。

 

私の予想としては、2024年7月26日からパリオリンピックが開催されるので、

スポーツ仲裁裁判所も、そこまでは結論を引っ張らないかなぁ、と。

 

2023年年内には結論を出して、

ISUが、パリ夏季オリンピックで、米国チームに金メダル、日本チームに銀メダル、カナダチームに銅メダルを授与するべく、準備を始めるのではないかと思っております。

 

スケート界の関係者、ファンが納得する、求めている結論は、

  • ワリエワの資格停止
  • 北京オリンピック団体戦メダルの順位繰り上げ

になると思いますが、

 

ロシアの地方出身のティーンエージャーが、

禁止薬物を調達して適量を摂取しながら練習する…ということは不可能に思われます。

 

医療知識のある人、薬物調達役、お品代支払者も必要なわけで。

また、練習前に禁止薬物をごくりと飲む場面を、

コーチ陣が「一度も見たことはございません」というのも、信じがたく。

 

とはいえ、ワリエワの国際大会での記録は、どこまではく奪されるのか。

がっつり稼いだ賞金を、全額返還することはできるのか…

 

白黒付けたい人々と、うやむやにしたい人々の戦いは、

まだまだ続く。