オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

宇野昌磨、日本男子初の世界選手権二連覇(現地の雰囲気レポ)

ただいまー。

熱狂のさいたまスーパーアリーナから、戻ってきました。

 

本日はあいにくの雨

この場にいられることが幸せな、すばらしすぎる大会でした。

 

まずは、昌磨、世界選手権優勝、そして日本男子初の二連覇おめでとう!!

 

 

出場が危ぶまれた中、「母国開催で優勝してね」「優勝したら日本男子初の世界選手権二連覇だよ」「前日に女子の坂本選手も二連覇したよ」などなど、

次々にかけられていく負荷…。

 

でも、「この状況でも彼はやるだろう」と、

みんなに思わせる、圧倒的な強さがありました。

 

朝から会場にいて疲労困憊なので、

小難しいことはさておき、会場の雰囲気だけお伝えさせてください。

 

まず、本日のさいたまスーパーアリーナは、超満員御礼でした。

テレビで見て、「空席があるのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、

図に書きますと、赤い部分は関係者席になっていて、一般の人は入れません。

 

 

ジャッジ席の上方、広々とした超一等地は、VIP席。

国際連盟のお偉いさんや、スポンサー、

お偉いさんに一生懸命説明する係?のシブタニ兄弟などがいましたが、

基本、ガラガラでした。

男子SPの後半は、半分程度埋まっていたかな。

 

もう一カ所、選手が登場するゲートの上とその隣の一帯は、関係者席。

試合を終えたコーチや選手が集います。

中野コーチやグレアムコーチ、ジョージアスケート連盟のコーチ、

演技を終えた かなだいやズエワコーチも座っていました。

 

最初はガラガラでしたが、かなだいの演技が近づくと人が増え始め、

男子SPの後半は、満員で座る場所がなくなっていました。

 

また、ジャッキー・ウォンさんなど記者が座るための席がある一帯もありました。

そこも、観客は入れません。

 

報道陣は、TVカメラのほかに、

ロングサイド、ショートサイドにずらっとカメラが並び、

コーナーにも、カメラが配置されていました。

 

そして、観客席は、天井近くの席まで満員御礼。

満員すぎて、整氷時間にトイレに並ぼうものなら、

二度と帰ってこれないくらい、行列がびくともしませんでした。

 

天上近くまで人がいるので、

すり鉢状の会場の天上近くからダーッと降りてきた声援が、

リンクの上で爆発して、ミラクルな雰囲気を生み出していました。

 

ほとんどのお客さんは、第一滑走のアダム・ハガラ選手のときから着席していて、

「ウェルカム・トゥ・ジャパーン」とばかりに大声援を送るので、

 

選手たちも、次々にシーズンベストを叩き出す演技をし、

選手もコーチも感動⇒観客も感動の連鎖でした!!

 

マッテオ・リッツォが『Talking to the Moon』でSBを叩き出し、

「マッテオ君、メダル獲れるかも」と思ったら、

 

次のグループでカズキ・トモノが『こうもり』で観客をトランス状態にし、

「友野くん、表彰台ありかも」と思わせる。

 

しかし、最終グループが、とんでもないグループだったんですよ!!

一人が神演技をすると、次の人も神演技をし、

まさに、神々の戦い実写版。

 

ジェイソン神が、ため息しか出ない演技で会場をどよめかせると、

エイモズ神が、本人も心臓発作を起こしそうになるくらい珠玉の『グラディエイター』で弓を引き、

メッシング神は、引退試合にふさわしいエモーショナルな『Home』で観客に別れを告げる。

ジユンファン神は、色香漂うノーミスの007で、観客はNo Time To Die状態に。

マリニン神は、久々のジャンプオンリー的演技になってしまったものの、彼のみが持つ技4Aを人類に披露。

 

先に、神々が集合しちゃったところで、

後から昌磨が神殿を建立する運びとなりました。

 

神々が神演技を見せて、会場が興奮のるつぼと化すたびに、

「今日来てよかったー」と思うと同時に、

「この流れで、昌磨が優勝できるのか?」という不安もよぎりました。

 

普通に考えれば、無理かも~。

 

しかし、優勝して見せちゃうのが、今の宇野昌磨。

 

足首の怪我は、たぶん、デミさんが、テーピングしたり、ゆがみを補正したりして、

なんとかジャンプを跳べる状態にしてくれているのだろうと思います。

が、脚がジャンプの衝撃に耐えられる回数には、限度ってものがあると思うんです。

 

1度くらいは転倒すると覚悟していましたが、

神殿の建立は、驚くほど冷静に粛々と進められていきました。

 

冒頭の4回転ループなんて、美し過ぎて、会場が「おぉぉ」と、どよめきましたよ。

ジャンプにわずかな怪我の影響が見られたものの、

つなぎもステップもスピンも、

それは、それは、美しいアリアでした。

 

点数が出る前から、本人もステファンも観客も、

昌磨が王座を守ったことを確信しました。

 

総立ちの会場。

揺れる日の丸とUNOUNOバナー、

関係者席のみなさんも、スタンディングオベーションで、王者を讃えていました。

 

軽快な音楽Gabry Ponteの『Thunder』が流れる表彰式で、

日の丸やバナーを振りながら、

手拍子がいつまでも名残惜しく続いたのでした。