こんばんは。世界選手権の興奮と応援のし過ぎで、
今日は体が動かなかった種子島ぴーです。
楽しかった世界選手権も、今日のエキシビションで終了。
すばらしい大会を映し出す、
幸福感と熱狂に包まれたエキシでしたね。
ところで、昨日の昌磨のフリー。
名前がコールされ、昌磨が氷上に登場すると、
日の丸と昌磨バナーが客席を埋め尽くし、
うぉぉぉぉーという地響きのような歓声に包まれました。
「昌磨がんばー」「がんばれー」という声援もたくさん。
会場中が、昌磨がいい演技ができるように祈っていました。
やがて、しーんと静寂に包まれたリンクで、
昌磨がゆっくりと腕を広げて動き出すさまは、
イカロスが翼を広げて大空に舞い上がるようにも見えました。
観客席にいた私は、もっと緊張するかと思ったのですが、
昌磨の手の動きに癒され、
心が落ち着いていくのを感じました。
前半は、昌磨が超高難度ジャンプを跳ぶたびに、
さざ波のような拍手が起こり、
みんなが祈りながら見つめているのがわかりました。
私も、腕を胸の前で組んで、お祈りのポーズで見ていました。
後半の『メア・トルメンタ・プロペラーテ!』に突入すると、
観客も一緒に、ゴールに向かって駆けていく雰囲気になり、
拍手がどんどん激しく、力強くなって、
「バシ、バシ、バシ」という感じに。
2本目の4回転トゥを着氷した瞬間、
ステファンの「アップ!!(飛び上がれ)」という声が聞こえた気がして、
昌磨が我に返ったように(見えて)1回転を付けました。
あそこをコンビネーションにできていなかったら、
優勝してなかったかもしれないし、
300点を超えていなかったと思う。
最後のジャンプ、3A+2Aを跳び終わった瞬間、
アリーナが「ゴゴゴー」という拍手に包まれ、
熱狂、熱狂、熱狂!!
神が宿ったかのようなステップは、
体にコリオが叩き込まれているんでしょうね。
怪我しているとは信じられないくらい、
本能のままに動いているように見えました。
ジャンプを全部跳び終わった安堵感からか、
笑顔のようでもあり、
それが、目に狂気が宿っているようにも見えて、
ひぇ~。
スピンに入るころから、拍手鳴りやまず。
フィニッシュと同時に後ろにひっくり返りましたが、
まさに、Mea Tormenta, Properate!
怪我を負ったまま、世界選手権の場で、
優勝のみを期待されているという苦しみとプレッシャー。
神に与えられし使命を成し遂げた若者は、
一滴のエネルギーも残っていないのでした。
むしろ、最初からこのポーズを
コリオに入れておいてもいいくらいだったよね。
私は、現場にいたので点数ボードが見えていなかったのですが、
暫定で構成点が110.2までいってたんですね。
そりゃあ、倒れますわな(笑)
ステファンとデミさんがリンクサイドで抱き合い、
観客もバナーを振りながら、ぴょんぴょん跳んでました。
私も、拍手したいし、バナー振りたいし、
叫びたいし、ぴょんぴょんしたいし、
やること多すぎて、どーにもならず。
涙まで出てくるではありませんか。
総合300点超えで日本男子初の二連覇も成し遂げて、
私の高揚感もマックスでした。
が、直後の優勝インタビューで、昌磨が、
「僕はこの世界選手権に向けていろんなことを考えながら、今後の道も、すごくたくさんのことを今でも考えています。今後、どういう形でスケートをやっていくかわからないですけども、これからも頑張りたいと思います」
などと言うものだから、
「引退の時期が早まったのか」と思って、
頭から冷水をぶっかけられたようになり、
今日だから言えますが、帰り道は、「シュン」となってました。
「なんでこんなおめでたい瞬間に、そんなこと言うんだよ」って。
だけど、今日の一夜明けインタビューで、
昌磨は「現役続行」を表明。
「どういう形でスケートをやっていくか」の意味は、
「選手として、どのような演技をしていく、できるスケーターになるのか」を、考えていくという意味だったようです。
高橋大輔選手のような選手になりたいと思ってスケートをしていたのに、
結果を出してトップで戦いたい気持ちが芽生えて、
ジャンプに比重を置くようになっていた。
けれど、今後は、表現者としての道も極めていきたい…ということなのかな。
来シーズンは、 “New昌磨”が見られると思ったら、
落ち込みモードから楽しみモードになりました。