オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

昌磨、引退するのかと思った

こんばんは。世界選手権の興奮と応援のし過ぎで、

今日は体が動かなかった種子島ぴーです。

 

楽しかった世界選手権も、今日のエキシビションで終了。

すばらしい大会を映し出す、

幸福感と熱狂に包まれたエキシでしたね。

 

選手同士の関係も素敵

 

ところで、昨日の昌磨のフリー。

名前がコールされ、昌磨が氷上に登場すると、

日の丸と昌磨バナーが客席を埋め尽くし、

うぉぉぉぉーという地響きのような歓声に包まれました。

 

「昌磨がんばー」「がんばれー」という声援もたくさん。

会場中が、昌磨がいい演技ができるように祈っていました。

 

 

やがて、しーんと静寂に包まれたリンクで、

昌磨がゆっくりと腕を広げて動き出すさまは、

イカロスが翼を広げて大空に舞い上がるようにも見えました。

 

観客席にいた私は、もっと緊張するかと思ったのですが、

昌磨の手の動きに癒され、

心が落ち着いていくのを感じました。

 

前半は、昌磨が超高難度ジャンプを跳ぶたびに、

さざ波のような拍手が起こり、

みんなが祈りながら見つめているのがわかりました。

 

私も、腕を胸の前で組んで、お祈りのポーズで見ていました。

 

後半の『メア・トルメンタ・プロペラーテ!』に突入すると、

観客も一緒に、ゴールに向かって駆けていく雰囲気になり、

拍手がどんどん激しく、力強くなって、

「バシ、バシ、バシ」という感じに。

 

2本目の4回転トゥを着氷した瞬間、

ステファンの「アップ!!(飛び上がれ)」という声が聞こえた気がして、

昌磨が我に返ったように(見えて)1回転を付けました。

 

あそこをコンビネーションにできていなかったら、

優勝してなかったかもしれないし、

300点を超えていなかったと思う。

 

最後のジャンプ、3A+2Aを跳び終わった瞬間、

アリーナが「ゴゴゴー」という拍手に包まれ、

熱狂、熱狂、熱狂!!

 

神が宿ったかのようなステップは、

体にコリオが叩き込まれているんでしょうね。

怪我しているとは信じられないくらい、

本能のままに動いているように見えました。

 

ジャンプを全部跳び終わった安堵感からか、

笑顔のようでもあり、

それが、目に狂気が宿っているようにも見えて、

ひぇ~。

 

スピンに入るころから、拍手鳴りやまず。

フィニッシュと同時に後ろにひっくり返りましたが、

まさに、Mea Tormenta, Properate!

 

 

怪我を負ったまま、世界選手権の場で、

優勝のみを期待されているという苦しみとプレッシャー。

 

神に与えられし使命を成し遂げた若者は、

一滴のエネルギーも残っていないのでした。

 

むしろ、最初からこのポーズを

コリオに入れておいてもいいくらいだったよね。

 

私は、現場にいたので点数ボードが見えていなかったのですが、

暫定で構成点が110.2までいってたんですね。

 

そりゃあ、倒れますわな(笑)

 

ステファンとデミさんがリンクサイドで抱き合い、

観客もバナーを振りながら、ぴょんぴょん跳んでました。

 

私も、拍手したいし、バナー振りたいし、

叫びたいし、ぴょんぴょんしたいし、

やること多すぎて、どーにもならず。

涙まで出てくるではありませんか。

 

総合300点超えで日本男子初の二連覇も成し遂げて、

私の高揚感もマックスでした。

 

が、直後の優勝インタビューで、昌磨が、

 

「僕はこの世界選手権に向けていろんなことを考えながら、今後の道も、すごくたくさんのことを今でも考えています。今後、どういう形でスケートをやっていくかわからないですけども、これからも頑張りたいと思います」

などと言うものだから、

 

「引退の時期が早まったのか」と思って、

頭から冷水をぶっかけられたようになり、

今日だから言えますが、帰り道は、「シュン」となってました。

 

「なんでこんなおめでたい瞬間に、そんなこと言うんだよ」って。

 

だけど、今日の一夜明けインタビューで、

昌磨は「現役続行」を表明。

 

「どういう形でスケートをやっていくか」の意味は、

「選手として、どのような演技をしていく、できるスケーターになるのか」を、考えていくという意味だったようです。

 

高橋大輔選手のような選手になりたいと思ってスケートをしていたのに、

結果を出してトップで戦いたい気持ちが芽生えて、

ジャンプに比重を置くようになっていた。

けれど、今後は、表現者としての道も極めていきたい…ということなのかな。

 

来シーズンは、 “New昌磨”が見られると思ったら、

落ち込みモードから楽しみモードになりました。