オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

“かなだい”バナーを、世界選手権で初めて振った話

こんにちは。楽しくしあわせに満ちた世界選手権の余韻に、

まだまだ浸っています。

 

さて、今回の世界選手権では、ずっとやってみたかったことを、

ついに実現しました。

 

それは、客席を埋める“かなだいバナー”の波、

“かなだいバナー”の雲海の中に、身を投じたい。

あの中の一員になって、フリフリしたい、ということ。

 

発売と同時に予約した、今シーズンの“かなだい”バナータオルこちら。

 

客席でしっかり目立つカラーがセレクトされているのは、

さすが一日の長があるなぁと、思いました(昌磨のシルバーバナーが頭の隅に…)

25日に、昌磨バナーと合わせて持参しました。

 

 

アリーナは、満員御礼。

7割くらいの座席が、開始直後から埋まっていたと思います。

 

村元哉中&高橋大輔ファンのすごいところは、

「“かなだい”が見たい」「“かなだい”を応援したい」にとどまらず、

「“かなだい”が出場する試合が、すばらしいものであってほしい」と考えるところ。

 

最初のグループから大歓声&手拍子で、各国の国旗が振られ、

選手たちのテンションもアゲアゲ。

シーズンベストが続出しました。

 

リンクを引き上げるときに、観客席に向かってもう一度手を振ったり、

指でハートマークを作ったり、投げキッスを送ったりするスケーターが多くて、

会場の雰囲気を喜んでくれていることが伝わってきました。

 

さて、“かなだい”バナータオルを掲げるチャンスは、5回。

  1. 選手入場と紹介
  2. 6分間練習時の選手紹介
  3. 演技前のコール
  4. 演技終了後
  5. キスクラで得点が出た瞬間

 

では、まいりましょう😊

かなだいの滑走順は、10番。

第二グループの最終滑走です。

 

♪リプリゼンティング・ジャパーン カナ・ムラモト アンド ダイスケ・タカハーシ

 

よっしゃー うぉーー すごい歓声です。

頑張れー バナータオル第一弾~振って、振って~

 

そのまま6分間練習に突入。

リンクを少し上から俯瞰(ふかん)して見ると、

“かなだい”の滑るスピードが、他の組より速いのがわかります。

 

「速い」「スピードすごいね」と、周囲の人たちがつぶやくのが聞こえます。

 

一組ずつ、丁寧な紹介が日本語と英語でありました。

海外からも、今回の熱のこもったコメントは好評だったみたいです。

 

「チームを組んで3シーズン目、昨シーズンは四大陸選手権で、日本のダンスカップルとして初の銀メダルを獲得しました。今シーズンの全日本選手権で初優勝。高橋選手は、シングル時代と合わせて、今回は通算10回目の出場です。」

「彼らが一緒に組んでから、サードシーズンです。日本のアイスダンスカップルとして、ISUの日本最高点を出し、昨年の四大陸選手権でシルバーメダルを獲得しました。リプリゼンティング・ジャパーン カナ・ムラモト アンド ダイスケ・タカハーシ」

 

「フォー、フォー、フォー」。

ものすごい歓声。

バナータオル第二弾行け~

 

いつも、名前をコールされるタイミングでツイヅルに入る二人。

しっかり決めたツイヅルに大歓声です。

 

練習時間が残り1分となり、哉中ちゃんと大ちゃんが別々にリンクを周回。

 

大ちゃんが観客席の前を通り過ぎる時に、

「うぅぅぅぅ~」というエールのウェーブが自然発生?して、すごかったです。

 

ジョージアのゲオルギ・リビヤ選手と進路がかぶった時、

大ちゃんが振り返って何か言って、

二人が笑顔で言葉を交わしていたのを、すごく覚えています。

 

 

一組目の演技開始。

どの組も、満員の観客を前に力を出し切り、

次々とシーズンベストを更新していきました。

スタンディングオベーション、割れんばかりの拍手。

 

ハイレベルな試合ですが、“かなだい”の順位が、ちょっと心配に。

大会前に「10位以内に入りたい」と目標を掲げており、

10位以内に入れば、村元哉中&クリス・リードの最高位11位を上回る、日本新記録となります。

 

さあ、いよいよです。

リンクに入る前に、ズエワコーチが、静かに哉中ちゃんを抱きしめ、何かささやきます。

大ちゃんを抱きしめ、何かささやきます。

続いて、トカチェンココーチが、哉中ちゃんを抱きしめて、言葉をかけます。

トカチェンココーチが、大ちゃんを抱きしめて、言葉をかけます。

それを見ただけで、じーん。

 

♪10番。村元、高橋組。にっぽん!!

 

グォォォォ

今までの組も、割れんばかりの拍手で歓迎されていましたが、

“かなだい”の名がコールされると、

「人って、こんなに大きな音で拍手ができるの?」と思うほど、

ものすごい歓声と拍手が起こりました。

 

地響きなのか、空気の振動なのか。

例えるなら、キングコングがアリーナの屋根に上って、

グワングワンと、建物を揺らしている感じです。

 

「この世界選手権を成功させている要因は、高橋大輔だ」と確信しました。

とんでもない熱狂です。

建物が…振動してますけど…天井落ちるってー。

他国の選手や関係者も、かなだいの人気に度肝を抜かれたんじゃないでしょうか。

 

よっしゃ―、バナータオル第三弾じゃー。

 

私は、配信やテレビで“かなだい”の演技を見る時は、

「転ぶんじゃないか」「脚がからんだらどうしよう」と、

怖くて薄目を開けて見ています。

 

でも、今回は違いました。

リアルだと、全然怖くない。

これは、画面を通して見るドラマではなく、

今、この瞬間、彼らがすべてを賭けて挑む競技。

転倒しても、脚が絡んでも、そんなことはまったく問題じゃないと思いました。

 

そして、しかと見届けた『オペラ座の怪人』。

 

 

二人の表情、いつにも増してドラマチックで、

怪人とクリスティーヌが、そこにいました。

 

魂を込めて演じるコリオステップを凝視し、

ストレート・ライン・リフトとローテーショナル・リフトが決まった瞬間、予想外に早く、涙腺崩壊。

客席からは、地鳴りのような声援と拍手が沸き起こり、

アリーナの天井が振動してる。

しかし、歓声に負けない大音量のミュージックで演技は続く。

 

ツイヅル、オッケー!!

ステーショナル・リフト、オッケー!!

ここで、観客席から再び、「わー、わー、わー」という地鳴りのような声援。

野球でホームランを打ったときみたいです。

 

それから、うっとりするようなスピンやダイアゴナルステップがあったのですが、

なんか、あっという間に終わっちゃったんです。

 

まだ、ドキドキポイントが待ち構えている気がしたのに、

オペラ座の怪人は、しっとりと甘美なエンディングを迎えました。

「時間が短く感じる」。これほどすごいことが、あるでしょうか。

 

フィニッシュの少し手前から、大ちゃんが泣いているのが見えました。

 

 

観客、総立ち。

関係者席のコーチや選手もスタンディングオベーション!

野球のホームランとサッカーのゴールと闘牛場の熱狂が、

一度に押し寄せてきたような、すごい歓声。

 

かなだいが泣いてる。コーチも泣いてる。

観客も、ほとんどが涙ぐんでる。

 

私はと言えば、泣きじゃくる自分にびっくり。

昌磨の演技でも、こんなに泣いたことはないよ。

 

「Finally, Finally, We made it!!」

 

 

あ、バナータオル、バナータオル。第四弾です。

 

立ち上がって拍手して、叫んで、タオル掲げて、

忙しいけど、この場にいられたことに感謝。

 

得点は…シーズンベストだ~

また、拍手、「ひゅーひゅー」、バナー揺らして、大興奮。

 

 

バナー、持ってきてよかった。

ついに、最高の場面で、かなだいバナーの海の中、

波の一つになることができました。

 

かなだいが、暫定トップに立ちました。

最高の場所で、最高の時に、最高の演技を成し遂げた二人。

おめでとう!!おめでとう!!

3シーズン目といっても、実質稼働したのは2年ほどですよね。

それで、世界のトップ11位とは、あり得ない。

 

そして、観客の熱狂を感じ取り、後続のグループのテンションも上昇したと推測。

私たちは、神演技を次々に目にすることができました。

 

「かなだいが10位以内に入れるか」というのも、

関心の一つだったのですが、途中から、考えないことにしました。

 

すばらしい演技が後から後から生まれるので、

順位がひっくり返るとすれば、

何かアクシデントが起きて、途中で演技を止める組がいるぐらいしか、あり得ない。

そんな不幸なことは起きてほしくないな、と。

 

11位も、十分、相当、信じられないくらいすごい順位。

何より、『オペラ座の怪人』を完成させて喜ぶ“かなだい”チームが見られるなんて、

とんでもなくハッピーでした。そのハッピーは、今も続いています。

 

アイスダンスの金メダルは、チョック&ベイツでした。

最終グループは、どの組も個性的で、どの組が優勝しても納得できるハイレベル。

 

私は、カナダのパイパー・ギレス&ポール・ポワリエの『エビータ』が好きでした。

私がイメージする、楽しく、美しく、心がわくわくするアイスダンスそのものだったからです。

 

優勝したチョック&ベイツのプロは、どちらかというと、前衛的。

でも、生で見ると、マディソン・チョックの身体が描く曲線が、すごいんです。

鞭かロープのように、しなるしなる。

エヴァン・ベイツが、氷の上でロープを操っているかのように見えました。

氷とベイツの手とチョックの身体が、一つのラインでつながっているようでした。

 

そういうわけで、私の「世界選手権で“かなだい”バナータオルの海に飛び込みたい」という夢は、かないました。

 

欲を言えば、自分がバナータオルの海の中にいる姿を、

写真か何かで見られたら、より満足できたと思います。

向かいの客席を見て、

「たぶん、あんな感じの中にいるんだろうな」と想像していました。

映像に目を凝らして、自分の姿を探してみたいと思います。