オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

あの人だったのか!

このニュースには、触れずにはいられません。

彼のことは、このブログでも何度も取り上げてきたのだから。

 

米国セーフスポーツセンターは、オーストラリアの著名なフィギュアスケーター、ブレンダン・ケリーを「未成年者による性的違法行為」の理由で永久追放した。

 

ブレンダン・ケリー。

 

 

オーストラリアの7年連続、8度のナショナルチャンピオンです。

南半球出身のスケーターとして、

多くのフィギュアスケートファンから応援されてきた人物。

北京オリンピックにも普通に出ていましたよね。オーストラリア選手団の旗手の一人もつとめました。

 

タイトルの「あの人だったのか」は、

「オマエだったのか!」と書きたいところでした。

 

なぜなら、グレーシー・ゴールドが、回想本『Outofshapeworthlessloser』の中で、

性的暴行を受けた経験を告白し、その勇気ある行動が注目されましたが、

その加害者が、ブレンダン・ケリーだったからです。

 

詳細を報じたESPN(米国のスポーツチャンネル)の記事をご紹介します。

www.espn.co.uk

According to a confidential summary of SafeSport's investigation that was obtained by ESPN, Kerry provided alcohol to and engaged in sexual intercourse with a then-16- or 17-year-old figure skater while he was 21 or 22 years old, on multiple occasions in 2016 and 2017. SafeSport also investigated claims that Kerry forced a second skater into nonconsensual sex at a party in 2016, but the report did not find sufficient evidence to prove that.

 

ESPNが入手したセーフスポーツセンターの極秘調査資料によると、

ブレンダン・ケリーは、21歳か22歳の間に、当時16、17歳のフィギュアスケート選手にお酒を飲ませ、何度か性行為を行った。

セーフスポーツセンターはまた、ケリーが別の「2人目のスケーター」に、2016年のパーティで同意のない性行為を行ったという訴えについても調査をしたが、十分な証拠を見つけることはできなかった。

 

二度の全米チャンピオンであるグレーシー・ゴールドは、ESPNの取材に対して、彼女が「2人目のスケーター」であると話した。セーフスポーツセンターは、ブレンダン・ケリーが2017年の別の事件で、彼女が拒否しているにもかかわらず、グレーシーにキスをした事実は見つけた。

 

グレーシーが精神的に最もつらく、ぼろぼろだった時期に、なんてことだ。

私だったら、それこそ自〇したい気持ちになっていたと思う。間違いなく。

この事件が彼女に及ぼした影響は、計り知れないと思います。

 

記事によると、犯行があったとされる時期、(オーストラリア代表の)ブレンダン・ケリーが米国で練習していた(米国スケートの会員だった)ことが、確認されたとのこと。

 

当時未成年だった一人目の被害者は、現在はスケートコーチをしているため、告発を見送ったということです。

ブレンダンは、両方の被害者に対する行為に関して、“合意の上”と主張しているそうです。「未成年との行為は禁じられている」という事実は知らなかったと説明。

 

I feel a myriad of emotions," Gold told ESPN on Tuesday. "Part of me is relieved that his name is finally out there, part of me feels some frustration that it took this long for action to be taken."

グレーシー・ゴールドはESPNに対して、「いろいろな感情があります。彼の名前がようやく表に出て、ほっとしている部分もあるし、行動が起こされるまでにこれほど長い時間がかかったのかといういら立ちも感じています」。

 

グレーシーは、当時、この件を上層部に報告していたそうなんです。

しかし、適切な対処がされないまま、彼が国際大会に出場し続け、北京オリンピックに出ている姿まで目にしたとしたら、彼女はどれほどつらかったでしょうか。

 

米国セーフスポーツセンターの実効性や機能に、改善を求める声が多々あがっているようです。

 

そこで思い出されるのが、北京オリンピック前に、フランスのペアでメダルが有望視されていたモルガン・シプレが、未成年に対する性的虐待で捜査された件。

あの時も、米国セーフスポーツセンターが動いていましたが、

同じ時期でも、動いたり、動かなかったりするのはなぜ?

 

こんなニュースばかりで、フィギュアスケート界の裏側に暗澹たる思いですが、

果たして、日本で問題が起きた場合に誰がどうサポートするシステムになっているのか、考えたこともありませんでした。よくないですね。

そして、オーストラリアの方々も、さぞ落胆していることでしょう。