オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

やめられない、とまらない、りくりゅうのビター風味プロ

ロンバルディア杯のペア りくりゅうのことをまだ書いていませんでした。

 

フリーの試合をライブで見ていてアクシデントに心臓が縮みあがり、

動揺したままシングルの試合に突入したせいもありました。

 

が、落ち着いて見返すと、

ショートもフリーも噛めば噛むほど味が出る

リピがやめられない、とまらないプログラムです。

 

りくりゅうと言えば、疾走感&高難度の技と“しあわせオーラ”を両立させた滑りが鉄板。

特に、見たらしあわせな気持ちにならずにはいられないオーラは、

他のペアには真似ができない強みだと思います。

 

が、今シーズンは、ショートもフリーもダークでビターな味わいのプログラム。

最大の強みである“しあわせオーラ”を封印しての演技は、

勇気と覚悟あってのものだと思います。

 

ショートの「Paint It Black」は、

シェイ=リーン・ボーンの振付なんですね。

 

 

インタビューで、「シェイ=リーンから提案があった」と話していたので、

シェイが二人を振り付けてみたいと立候補したのか、

はたまたブルーノコーチがシェイに依頼したあとで、

曲の提案があったのかわかりません。(どこかのインタで答えているかも)

 

シェイ=リーンが普通のコリオを振り付けるわけはなく…

独創的な動きとメリハリの効いたシェイ=リーンワールドが、

すごーくかっこいいです。

 

「シェイ=リーンの振付」という先入観も関係しているかもしれませんが、

フレンズオンアイスで見たシェイ=リーンの動きが、

浮かび上がってくるような場面もあります。

 

腰を落とした姿勢で観客を睥睨(へいげい)するところとか、

バン!ッとフォルテッシモの効いた動きとか。

 

彼女は多くのスケーターに振付けしていますが、

りくりゅうはまるで分身であるかのように、

自分の好きな動きを盛り込んでいるように感じます。(個人の感想です)

 

デススパイラルに入る前のコリオでカッカッカッと走るところとか、

このポーズのところとか、特に好きです。

 

Golden Skate Photo @tarorezphoto

 

璃来ちゃんの視線とアイラインが素晴らしくないですか?

あっという間に終わるプロでした。

 

フリーの「Adiós」の振付は、マリー=フランス・デュプレイユ。

このコラボもわくわくしますよね。

 

今までは、しあわせ~って感じでしたが、

 

 

「アディオス(さよなら)」だけに、背を向けてのスタート。

 

 

直線的な動きを多用したコリオが、二人に合っていると思います。

龍一くんも今回は笑ってない👍

 

実は、トレードマーク(と私が勝ってに思っている)リバースラッソーリフトで、

なんとなく木原選手の動きに「?」と感じた部分があり(怪我の残像かも)

 

リバースラッソーリフト(?)で

木原選手が転倒したときは、心臓が縮み上がりました。

小さな三浦選手がでっかい木原選手に潰されるのではないかと…

 

そうしたら、ちゃんと龍一くんが璃来ちゃんの下に回り込んで…

クッションになっていました。

 

 

それを見て、「すごい!」

「“漢”だ」と思いました!

 

うろ覚えですが、昔、ペアを組み始めた頃に、

木原選手が璃来ちゃんに「絶対に落とさない。何が何でも受け止めるから安心して」みたいなことを言っていた気がするのですが、

本当に受け止めたんだ😯と。

 

木原選手はお尻と太もものあたりを強打して、

頭への衝撃(震動)もあったと思うのですが、

 

ブルーノコーチがリンクの壁をバンバンバンと叩いて

「立ち上がれ。滑れ」みたいな感じで鼓舞しているのを見て、

改めて「これはスポーツなんだ」と思いました。

 

衣装に氷をつけたまま、滑り出す二人。強い!

勢いを殺さず、すべてのエレメンツをこなして、

最後まで“アディオス”の世界だったのがすごかった。

 

フィニッシュの璃来ちゃんの視線もヤバイ。

 

 

このプロの完成形は、とんでもなくかっこいいと思います。

 

だけど、キスクラで木原選手が脂汗をぬぐいながら痛がっているのを見て、

ものすごく心配になりました。

重症に見えたので、「せっかく怪我が治ったのにまたこのシーズン…」と。

 

 

でも、不幸中の幸いで打ち身だったようで、まずまず安心しました。

(過少に発表しているだけかもしれませんが)

 

座っていられないほど痛いのに、演技中はそれをおくびにも出さなかった

木原選手のメンタルと責任感はすごかった。

 

今回、二人の演技を見て、スイ&ハン(隋文静 韓聰)を思い出しました。

メリハリの効いた“剛”の演技は、東洋のペアの強みかな、と。

北京オリンピックでの二人の凄みは、今思い返しても異次元でしたね。

 

「黒く塗りやがれ(Paint It Black)」と「あばよ(Adios)」。

この二つのビター風味のプログラムを一年滑ったら、

りくりゅうの引き出しがものすごく増えそうです。

 

オリンピックシーズンは、得意のしあわせプロとビタープロの両方やるのもいいですよね。

怪我なく今シーズンを乗り切ってほしいです。

 

■女子シングルで優勝したアンバー・グレン選手。

点数が出て金メダルが決定したときの

デーモン・アレンコーチの表情を残しておきます。

 

 

この二人のキスクラ、ほんと人間らしくて好き。