中国杯(カップ・オブ・チャイナ)は、中国代表チーム内の競争が
とても興味深かったです。
北京オリンピック前から続くシングル男女のナンバーワン争いが
トリノオリンピックを前にして、まだ続いているからです。
以下、間違いがあったら申し訳ないのですが
私の認識としては
✏️次のトリノオリンピックの中国男女シングルの出場枠は
最大で1枠だと思われます。
✏️オリンピック出場枠は直前シーズン、つまり来年3月の世界選手権で決まりますが、
中国の出場者は男女共に1人です。
✏️その選手が2位以内に入れば2枠が、
トップ10以内に入れば、少なくともオリンピック出場1枠が与えられます。
✏️女子はトップ10に入るのはキビシイ状況です。
✏️世界選手権での成績が振るわない場合、枠を獲得できない可能性があるため
誰を世界選手権に送るかは真剣勝負だと思います。
そこで…
女子の登場人物は、
✏️陳虹伊(チェン・ホンイー)177cmの長身で22歳。
ソチオリンピックの後あたりがピークだったのかな。
李子君の引退後、中国女子を引っ張ってきました。
中国の小説の中の女性のような風貌、たおやかさがあり、
中国時代劇風のプログラムで並ぶものなし。(おくれ毛、乱れ髪が色っぽい)
おそらく国内での人気は、彼女が一番だと思います。
2024年10月の上海スーパー杯では、ぬいぐるみが飛んできてましたね。
ただ先日の中国杯では著しく精彩を欠きました。
ピークを過ぎたのか?でもまだ22歳ですよね。
北京オリンピックは開催地枠があったので、ホンイーで決まりかと思っていたところへ
登場したのが…
✏️帰国子女の朱易(ジュ・イー)22歳でした。
キュートなルックスで人気爆発しそうですが、
米国生まれの米国育ち。オリンピックのために国籍を中国に変更し、父親が有名大学の教授だったこともあり
上級国民の特権で選ばれただの、中国語ができないだの、ホンイーからオリンピックを奪っただの言われ、団体戦でミスをしてチームのメダルが遠のくと、数億の民から壮絶なバッシングを受けました。
私ならスケートを止めてしまいそうですが
その後元気にカムバック。
先日の中国杯では、3人の中でもっとも高得点を叩き出しました。私は驚きましたよ!精神力が強い!
✏️そして、可能性を最も秘めているのが安香怡(アン・シャンイー)17歳。
北京オリンピックのときはまだジュニアでした。
ジュニアで頭角を現し、早い時期からブノワ・リショー振り付けで個性的なプロを演じており、顔にペインティングして試合に出たときもありました。斬新すぎる。
「最初から世界照準の中国女子が登場した」と思いましたが
怪我に泣かされ続けて、トップ集団に来そうで来ない状態が続いています。
✏️中国杯の女子の成績は
9位 朱易(ジュ・イー)166.04点
・SP:58.36点
・FS:107.68点
10位 安香怡(アン・シャンイー)163.74点
・SP:60.10点
・FS:103.64点
12位 陳虹伊(チェン・ホンイー)139.57点
・SP:45.81点
・FS:93.76点
今の時点では、ホンイーの勢いがちょっとないですが
決戦は今週末の中国内選手権ですね。
✏️男子は
金博洋(ジン・ボーヤン)27歳
戴大衛(タイ・ダイエイ)21歳
陳昱東(チェン・ユーシェン)20歳の3人のトップ争い。
長らく中国男子シングルと全世界の男子シングルを牽引してきたボーヤン。
ハン・ヤンとジジュン・リーが引退した後は、
一人旅で中国男女シングルを背負ってきたと思います。
中国男子は4回転ジャンプを複数種類跳べる人がなかなか出てこないので
ルッツとトゥループが跳べて、場合によってはサルコウとフリップも入れる可能性があるボーヤンには、技術面で勝てません。
そして、ボーヤンにはオーラと人気、大舞台での強靭な精神力があるので
ボーヤンを超えて世界の舞台に立つには、圧倒的な差をつける必要があると思います。
✏️そのボーヤンを、今回の中国杯で戴大衛(タイ・ダイエイ)21歳が抜きました。
ボーヤンは総合得点231.89点で8位。
戴大衛(タイ・ダイエイ)は総合得点237.35点で6位です。
軟らかい膝とスピードがあります。4回転トゥを持っています。
中国杯のフリーは、今まで見た中で一番ハイクラスな演技に感じました。
ボーヤンが腰を痛めている中での出場でこの点数差は微妙ですが
どうでしょうか。
ボーヤンの国内&世界的人気を考えると、世界選手権でオリンピック枠を必ず持ち帰ると思わせる強さが期待されます。
✏️そんな中、ジュニア時代から割と世界の舞台で見かけたユドン・チェン20歳。
ラファのところで修行した時期もあったようです。
4回転サルコウとトゥループを持っています(成功率は未知数)。
2019年ジュニア世界選手権とグランプリ大会に出ていました
2020年の中国杯(中国選手のみでしたっけ?)に招待され、ジン・ボーヤンとヤン・ハンに次いで3位になりました。2023年の四大陸選手権にも出ていましたね。
2021年のイタリア杯も、ハン・ヤンと交代して出場しました。
この時期、いろいろあったハン・ヤンの代わりに出てくる場面があり
次世代はユドン・チェンなのか!?という感じでした。
安定感が鍵ですが今後の進化はどうでしょうか。
✏️中国杯の比較はこちら
✏️そんな中、ボーヤンが中国の全国選手権に腰痛悪化のため出場しないことが発表されました。世界選手権の選考にどう響くのでしょうか?
今週末の開催だから、他の2人があっと驚く進化を遂げることは難しい気がするし、
そうなるとボーヤンなのかな。
みなさんはどう思いますか?