オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

四大陸選手権男子で印象に残ったこと

男子ショートでは、日本の3選手を応援しながらそれぞれ「あ゛―(ジャンプが~)」と叫んだ私ですが

3選手とも最終グループに入っていました。素晴らしい。

 

📝印象に残った演技メモ

■台湾のユシャン・リー選手。
4回転も含めて大会初のノーミス演技に本人も万感胸に迫っていた様子。

私も圧倒されました。国名が台北表記だったり、国旗が使えなかったりするわけですが…頑張ってほしい。

 

■カムデン・プルキネン選手。

 


「Solitude/Outro」。とても神々しかった。

もしかしたら最後の演技にしようと思ってるんじゃないか?と思うくらい何かを感じる演技でした。
SPまさかの16位でフリーに進めないんじゃないかと心配するほどでしたが

起死回生の演技で総合8位まで追い上げました。

なんだろう。カムプル君の演技はクラス感があって若手の選手とは何かが違う。

 

■ドノヴァン・カリーリョは「Hip-Hip Chin Chin」。

私は反射的にケージ・タナカを思い出すわけですが、

ドノヴァンは大会で初めて4回転ジャンプを成功。しかも4回転サルコウを2回も着氷しました。2本目も同じく単独だったのでリピートになってしまいましたが
オリンピックに向けて追い上げてるなぁと感じました。

暫定では技術点でカムプル君を上回るのではないかと驚きました。

音楽がラテンなのですが“本場のラテン”という感じの音源だったのが流石だと思った。

 

■中国に突如現れた(超久しぶりに国際大会に)ペン・ジミン選手は

本当に4回転を三本着氷しました。

技術点は中国代表の中で一番高い。GOEが低いのとステップとスピンのレベルが低いものの、所作は美しい。

中国の強化選手として磨かれたら、もしかするともしかするのではないかという予感がしています。なぜ長い間競技大会に出ていなかったのかは謎です。

 

最終グループ

■壷井選手の『道化師』。

目の覚めるようなスピードで躊躇なくジャンプに突入するのが気持ちいい。

冒頭の4Sにオバーターンしつつも3Tを付けたのと、

3Aの着氷の踏ん張りに世界選手権代表としての矜持を感じました。

堂々として今までにない存在感を感じた演技でした。

総合5位入賞おめでとうございます!

 

■三浦佳生選手

SPで出遅れたときのかおくんは、無茶して追い上げる傾向があり

今日もやっちゃうんじゃないかと期待半分、心配半分。

冒頭の4回転サルコウは、ものすごーい飛距離でしたよね。リンクを4分の一は跳んでいたと思う。

続く4回転サルコウはさらに飛距離が長くて「跳びすぎじゃね?」と思ったら、着氷が流れてしまいました。

で、やはりというか、太ももに無理させすぎな佳生くんであった。

 

終わって激痛の表情

 

改めて感じたのは、ランボルギーニって言われて爆速大暴れな佳生くんなのに

リリカルでセンチメンタルで華やかな曲がとても似合うこと。

シェルブールの雨傘か美女と野獣をオリンピックで滑ってほしいなぁ。

 

■ジュンファン(正しくはジュンワンなのね)

やっぱり素晴らしい。元々トップ集団ではあったけれど

ここしばらくで大化けした感がある。

どのジャンプもどのポーズも完璧だし常に“演じて”いる。

そして美しい4回転サルコウ。リンクのコーナーであれが決まると

感嘆の溜息をもらすしかない。

そしてルッツとループのコンビネーションも決まった。

彼があのリスクの高いジャンプを跳ぶ理由はなんだろう。自分にしかできないスタイルを追求しているからかな。

 

すばらしい演技をしてもドヤ顔じゃなくピュアな表情なのが素敵だと思う。

 

 

ここでジュンワンがダントツトップに立ちました。

 

■友野くんの「バタフライ」。衣装もほんと好き。

ここだけの話、私は友野くんにオリンピックに行ってほしいと思っています。

だから今年は怪我を治しつつジャンプ向上に注力しつつ

来シーズン弾けてほしい。

 

とはいえ、この四大陸でも表彰台に上ってほしかった。

SPは3位でスモールメダルを獲得したからぜひぜひフリーでも!!

・・・と思っていましたが…まじに惜しかった。惜しすぎた。

トゥループかループが成功していれば銅メダルだったかなー。

本日もゴルゴな装い。
でもって笑っとったで。

でも怪我を抱えながら4回転トゥのコンビネーションと4回転サルコウを着氷したのはすごい。だからこそ、これは行けると期待してしまったのだが…。

専売特許のステップは、観客を裏切らない友野ワールドで「ああこの試合見てよかった」と思わせてくれる。約3点差で4位でした。おめでとうございます。

 

■続いて会心の演技をしたジミー・マ。

今まで見た中で一番ジャンプが安定し、堂々として思いのこもった演技だったと思います。

一つ一つの動きも伸びやかで美しくなっていて、

劇的な変化を感じました。曲の『Clair de Lune』は昌磨も使用したEVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE(エブエブ)の別バージョンかなと思ったけど違うかな。

 

 

キスアンドクライで写真を手にしていて

そういえば彼は先日の飛行機事故で多くの方が亡くなったボストンのクラブ所属であることを思い出しました。

 

事故から間もないのにトレーニングを続けてここにたどり着いたのは頭が下がるし

もしかするとあの事故で思うところがあっての奮起なのかな、と勝手な憶測。

代表だったマキシム・ナウモフ選手はご両親を事故で無くされて出場を辞退しています。

 

■ミハイル・シャイドロフ

いろいろと素晴らしく歴史的だったミハイル・シャイドロフ。

衣装がアジア大会の頃から変わって、シャツを羽織るタイプになりました。

音楽が始まると「ゴッドファーザーのテーマ」が流れ、

おバカな私は、「そうかゴッドファーザーだからシャツにしたんだ」 と脳内変換。

気だるそうな表情で審判席へ向かうシャイドロフを見て、「ゴッドファーザー風の演技で、流行りの審判席に手をつくコリオから始まるんだな」と勘違い。

じゃあアジア大会の「Moonlight Sonata」は何だったのか?って話になるわけですが。

ここまで曲が違うと、プログラム変更したのかと思うじゃないですか!

結局、曲のかけ間違いでした。

すごく失礼な話ですが、「わざと違う曲を流したのかな?」と穿った見方をしてしまった。

 

さて、最近のミーシャを見ているとオリンピックの金メダルも獲れそうな気がしてきました。

ジャンプが天才的なまでに美しい。

フリーの3A+1Eu+4Sも完璧だったし、4Lzも4Tも体の締めがすごいけど

私が一番驚いたのはSPのトリプルアクセルの浮遊感でした。

飛距離と滞空時間がすごくて、空中でスキップしているかのようでした。

たぶん4Aがすでに跳べるか練習中ではないかと思っています。

 

驚異のノーミス演技を終えると氷の上に寝転んで…やり遂げた感がリンクを覆います。

曲かけなおしからの集中力も見事でした。

 

 

文句なしの優勝!

 

 

故デニス・テン選手が祖国のフィギュアスケート普及に着手してから、こんなに早く大きな国際大会で優勝する選手が出てくるなんて!

ロシアからの国籍変更とかではなく、カザフスタンのアルマトイ生まれです。

アルマトイと聞くと、私たちは胸が締め付けられる感情に襲われますが、

デニスとご家族がトレーニングセンターの建設や国際大会開催に奔走してから、あっという間でしたね。

私は10年やそこらで達成できる目標ではないと思っていましたが

5年ほどで達成されました。デニスは偉大だ!

奇しくもデニス・テン選手が四大陸選手権で優勝してからちょうど10年らしいです。

運命ってすごい。人の力ってすごい。

 

グリーンルームでの“演技”にすべてをかける
日本代表チームのみなさん。