島田麻央。見ているこちらが、ぶっ倒れそうなくらいすごかった!
ドえらい演技。
シーズン締めくくりの大舞台で完成形の『Mado Kara Mieru』を
最高の表情でお届けしてくれる凄さ。
トリプルアクセルが完璧に決まったことも、
4回転トゥが完璧に決まったこともすごかったけれど
一番すごいと思ったのは“情感”でした。
この曲は「♪窓か~ら~見えるぅぅ」という歌詞が10回くらい繰り返されるのですが、
1つとして同じ「♪窓か~ら~見えるぅぅ」がないのです。
可憐だったり無邪気だったり爽やかだったり妖艶だったりオドロオドロしかったり。
シーズン始めにこのプロを見たときは、
「なぜこの曲なんだろう?」と思ったのですが
ローリーがこの曲を選んだ理由がわかったような気がしました。
まさか、島田麻央から妖艶さを感じてゾクッとするとは思わなかった。
特に印象に残っているのが
3ルッツ+3トゥの後の振りかぶるような腕の仕草です。
ジャンプとジャンプの間のつなぎの表情も
物語の中で生きている人のようだった。
演じている本人が「このプログラムを仕上げてきましたよ」という自信と確信に満ちているように感じました。
濱田コーチの「ギョイェーイ」というワイルドライフな叫び声も
この場合は感動的。
観客の悲鳴や歓声さえもプログラムに取り込んで、
ただただ圧倒される演技でした。
ぶっちぎり40点差の優勝で三連覇。
156.16点って!160点超えても驚かない演技でしたけどもね。
ISU実況を意訳します。
2度の世界ジュニアチャンピオン。
彼女はトリプルアクセルに挑戦するでしょうか?
それから4回転も跳ぶでしょうか?
ショートで7点リードしていますが、恐らく守りに入らず
点数を失っても「決して引かない」という
自身のゲームプランにこだわるかもしれません。
振付はローリー・ニコル。
(演技中は無言)
ああ、島田麻央にスタンディング・オベーションが贈られています。
いやほんとになんと言っていいか、言葉が出てきません。
彼女はまだキャリアの途中ですが、
この若い女性スケーターを表現する言葉がみつかりません。
あえて言うなら、いろいろなご意見があろうかと思いますが
私の意見では、(それが正しいかどうか確認する方法はありませんが)
彼女は史上最高のジュニア世界チャンピオンだと思います。
これは彼女にとって3度目のタイトルになるでしょうが
タイトルがどうのこうのではなく、これはスケートについての物語なのです。
マオ・シマダはフィギュアスケート界で最高の輝きを放ち、
彼女が成しとげた実績により、歴史に名を残すでしょう。
3年連続の世界ジュニアチャンピオンです。
グリーンルームには、ジア・シン。
確実に4回目の世界ジュニア銀メダルを手にするでしょう。
マオ・シマダは、まさにスターそのもの。
スポーツとしてのフィギュアスケート界への贈り物です。
156.16!
ものすごい点数です。
総合得点230.84はジュニアのみならずシニアでも、驚異的な数字です。
どこからどのように見ても、これは歴史的瞬間です。
私たちはその目撃者になりました。
私たちが目にしているのは、3年連続の世界チャンピオンですが、
それはショートとフリーで彼女が最高レベルの
完璧な演技をしたことによるものです。
ジア・シンは、4回連続の世界ジュニアでショート7位から総合2位に浮上し、
4年連続世界ジュニア選手権銀メダリストになりました。
ライバルのジアでさえ、マオ・シマダを祝福するでしょう。
ワオ。日本に新たなスターが誕生しました。
数年前には浅田真央、3年連続世界女王の坂本花織、今度は島田麻央です。
連綿と続いていきます。
順位を見てみましょう。
アリス・リン・グレイシーがアメリカに銅メダルをもたらしました。
大会を通じてすばらしい演技を見せました。
アナ・ペゼッタは総合13位ですが、スケールの大きな演技を見せました。
なんという素晴らしい大会だったことでしょう。
なんという壮大なエンディングだったでしょうか。
時には私たち解説者が頑張って盛り上げなくてはいけない大会もありますが、
ここではその必要は全くありませんでした。
スケーターたちがそれを見事に実現したのです。
それはスポーツと芸術性が融合した
見事なパフォーマンスによって成し遂げられました。
おそらく世界で最も難しいスポーツの一つです。
ミラノオリンピックを経て次のオリンピックサイクルに向かっても、
フィギュアスケートは確かな選手たちの手に委ねられることでしょう。
日本のマオ・シマダがどれほど素晴らしいかを、言葉で表現することはできません。
この日だけでなく、2年前からずっと彼女はジュニアチャンピオンです。
素晴らしいスケートで3度目の世界チャンピオンに輝きました。
ワンダフルな振付、音楽との共鳴には特別なものがありました。
さあそろそろ表彰式の準備が整うでしょう。