オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

優勝候補勢が波乱。世界フィギュア女子SP

こんにちは。

世界フィギュア女子SP、2時間遅れで追っかけ再生しながら観戦しました。

すばらしい演技が続出でした。

特に上位は70点超えが5人も出るハイレベルな大会になっています。

 

一方で、優勝候補と言われている選手に少し揺らぎがあったのも印象的。

「SPだけで優勝することはできないが、SPで優勝を逃すことはできる」と誰かが言っていたのを思い出しました。SPは怖い…

 

👚日本の先陣を切って登場したのは樋口新葉選手。

 

 

同じ第4グループで先に滑ったアリサ・リウがすばらしい「Promise」の演技で74.58のシーズンベストを叩き出し、トップに立っていました。

私は、このことが新葉ちゃんにプラスに働くと思いました。

 

新葉ちゃんは「70点を超えたい」と話していたのですが

点数が低めに出る傾向が今まではあったと思います(私の主観です)。特にPCS。

 

だけど、ジャンプの種類が同じ(組み合わせは違うけれど)アリサが、

地元アメリカの熱狂的声援を受けて高得点を叩き出したことで、

 

同じノーミスですばらしい演技をした新葉ちゃんも、

それに近い点数が出なければおかしいと思ったわけです。

暫定のテクニカルは2点ほどの差だったので。

結果、72.10のシーズンベストが出てよかった!

 

 

新葉ちゃんの『Dune』大好き。

ボーカルのスケール、神秘性に彼女のスケーティングがドはまりしてる。

毎回言っていますが、樋口選手のクラス感は他の選手と一線を画していると思います。

 

辺りを睥睨するような視線。どの一瞬の空気もわしづかみにしているようなリンクの支配力が、毎回鳥肌ものです。

というか、見ているこちらも強くなった気がして気持ちいい。

 

3Lz+3Tの着氷とか、観客を黙らせるパワーが漂っていて、「あー、新葉ちゃんのジャンプやっぱり好きだ」と思う。

配信では音のボリュームが小さく感じたのですが、気のせいですか?

もっと爆音に包まれて見たかった。

ステップの重心のコントロールは圧巻ですよね。

首を回してもまったくブレず、その点は“女性版高橋大輔”という感もある。

フリーの『Nature Boy』も大好きなので、点数と合わせて楽しみです。

普段は点数は気にしないのですが「樋口新葉に従来の正当な点数をカムバッ~ク」と思っているので、注目しています。

 

👚次のグループでは、韓国のイ・ヘイン選手。

リバイバルの『アヴェ・マリア』。

一時は不名誉な濡れ衣の一件で休業、ウェイトが落ちて以前のような演技ができなくなっていましたが、一歩一歩追い上げて遂に世界選手権代表の座を勝ち取りました。

今日はジャンプもパワーも7割がた戻していたように思います。

得点も67.79でじわじわ戻してきていて、私は本当にうれしい。

そういえば、ユ・ヨン選手が練習を再開するのかな?インスタにお知らせがちょこっとありました。

 

👚カナダのマデリン・シザース選手もすばらしい『ライオン・キング』でした。

カナダは一人参加でオリンピックの枠取りに挑んでいますが

重圧をはねのけノーミス&オールレベル4でした。

マディと言えば、毎回「よっしゃー。いい点出るぞ!」と本人も期待したところへ

あっと驚く低い点数が出て「ざけんなよ」と、やさぐれた反応を見せたところをコーチが「まあまあ」となだめる既定路線が好きでしたが、

今回はちゃんと結果が出て本当によかった。

 

👚フローラン・アモディオのところへ電撃移籍したクラコワちゃんは、

成功した演技とは言えなかったと思うのですが(55.52点)

キスアンドクライでむっつりしたアモの横で大はしゃぎ&ノリノリだったので

ちょっと意味不明だったのですが、

21位でフリー進出。オリンピックのスポットを獲得したんですね。

それは大いに祝っていただきたい。

 

👚千葉百音選手は、表情が緊張しているように見えたので

私も緊張したー。でも演技後のインタビューでは、本人は楽しんで滑っていたそうです。

 

 

タノのフリップの回転が美・美・美。

ポニーテールをクルンっと回すコリオもキュート。

『Last Dance』の選曲もアメリカ開催に合っていたと思います。

73.44でSP2位につけました。

 

👚最終グループは、ベルギーのニーナ・ピンザローネが

怪我から復調して格調高きノーミスの『スワン・レイク』を演じ

大喝采を浴びました。

 

 

いつもながら彼女の衣装のすばらしさは随一だと思うのですが

インタビューでも具体的なデザイナー名は明かしていません。

確か、小さい頃から衣装を作ってくれている人だったような…。企業秘密なのかな。

 

👚そして心配なのが、ジョージアのアナスタシア・グバノワです。

アバの『マネー、マネー、マネー』なんだけど、まったく迫力がなく、

ジャンプ全滅でフリーに進めず。SP28位です。

少しやつれているように見えて、結婚したばかりなのに何かあったのではないかと心配になってしまう。

 

 

傷心のキス&クライで47.31という点数を見て、

泣きながら帰ろうとするのを、ルカヴィツィンがググッと押さえて帰らせなかった。

この場面、前にも見た気がするけど、あれは低い得点に怒って帰ろうとしたときだったから、今回とは違う。このままではオリンピックには出られません。

最終グループにいるべきグバノワがなんてことだ!

 

👚同じく中国のアン・シャンイーもSP27位でフリーに進めず。

このままではオリンピックには出られません。

まだ2人ともオリンピック選考会があると思うけれども。

 

👚そして優勝候補の一人、地元のアンバー・グレン。

んー。冒頭のトリプルアクセルで転倒してしまいました。

回転も足りてなかったみたい。緊張していたのかな。

レベルの取りこぼしもあったようです。

だけどこの場面でただ一人、勝負を避けずに3Aを跳んだのはすばらしい。

9位だけど67.65なので、まだ表彰台はあると思いたい。

頑張れ、アンバー!

 

👚そして、怪我でシーズン前半の試合をパスしたイザボー・レヴィートが復活。

久しぶりに見た『ムーン・リバー』は、相変わらず素敵プロでした。

初見のときのほうがコケティッシュに感じたけれど。

彼女が滑っている様子は、見ていて気持ちいいんです。

ただジャンプの跳び方は、見ているだけでどっと疲れてしまう。

どっこいしょって感じで深く沈んで飛びあがって、深く沈んで着氷するので体力を消耗しそう。

たぶん怪我は100%は、治っていないのだと思います。

会心の演技にコーチが感涙していました。

 

👚そして、坂本花織登場!

この流れで78点くらい叩き出すイメージを勝手に抱いていました。

 

 

緊張していたので、演技はあまり覚えておらず。

なんとなく、動きがかおちゃん比でダイナミックではなかった気もしたけど

私のハートがフリーズしていたせいだと思うし、

何の問題もなかったと思う。

 

しかーし!

フリップが開いたときはどうしようかと思った。

がっつりとセカンドに高い3Tをつけたのはさすがでした。

レベルの取りこぼしがあったり、フリップが2回転になったりしても

71.03を出せるから、やっぱり坂本花織は女王なんだと思う。

 

この状況から叩き出すフリー『シカゴ』が、大人しく守りに入るはずもなく

めちゃめちゃ楽しみになってます。

現在5位ですが、1位から5位は団子状態。まだまだいける!

 

そして最終滑走のキム・チェヨン。

滑走前、気の毒なくらい緊張しているように見えました。

しかし、無表情なチェヨンの魅力を生かしたSF映画『トロン: レガシー』のサントラなら、フリーズした表情でもノー・プロブレム!

体の力の出し入れ自由自在のチェヨンだから、

危なげなく演技をしているように見えました。

 

3Lz+3Tで手を付いたのも驚いたし、演技後に涙ぐんでいるのにも驚きました。

あのミスだけで11位になるなんて…。

 

そういうわけで、ハイレベルな女子SPの結果はこちら。

12位くらいまでは接戦です。

 

 

アメリカの選手に地の利がある気がするけれど、

日本代表3人全員に表彰台の可能性ありです。