ファンタジー・オン・アイス2025(5月31日、6月1日開催)の出演者が追加発表され、
ロシアのアリーナ・ザギトワとアンナ・シェルバコワの名前がありました。
びっくり。そして違和感。
ロシアのスケーターがウクライナ侵攻以降、
ロシア国外のアイスショーに参加するのは「約4年ぶり」です。
(旧ソ連邦や中国での一部のショーをのぞく)
🔖そもそもどうしてロシアのスケーターは4年近く、海外のショーに招かれなかったのか?
参加してはいけないというわけではありませんが、
ロシアがウクライナに侵攻していることに対する国際的な制裁=国際スケート連盟ISUの制裁が解かれていない 状況で、
- スポンサーが難色を示したり
- 他のスケーターが共演を拒んだり
- 観客からの批判・拒絶 によって
キャスティングされなかったものと思われます。
🔖ワリエワのドーピング問題は、正式には理由に含まれていません。
🔖国際スケート連盟の制裁が解かれていないのに、
日本スケート連盟が後援するショーに招かれるのは、違和感を覚えます。
🔖それから、なぜにザギトワとシェルバコワなのか?
2人ともオリンピック金メダリストですが、
エテリ・トゥトベリーゼの門下生としてメダルを獲ったわけで、
ドーピング問題と切り離して考えることはできません。
北京オリンピックに一緒に出場した坂本選手などは、
心情的にどうなのでしょうかね…。
メダルを獲って号泣していた坂本選手に寄り添っていたシェルバコワの姿は好印象だったものの…。
アリーナ・ザギトワは、日本でとても人気がありましたが(今は不明)、
プーチン大統領の支持者ですよね。
ちなみにですが、そのような立場の人は、ミラノオリンピックのロシア代表になる資格を与えられません。
By Kremlin.ru, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=66904650
シェルバコワの政治的な立場は不明です。
🔖私のもう一つのモヤモヤは、「なぜ日本が最初なのか?」ということです。
日本の観客は、こういうことに比較的寛容、やさしいと侮られている気がしてしまう。
日本のアイスショーでスケート界の反応を見るのか?
日本の観客に受け入れられたという事実を足掛かりにして、
海外のショーにロシア人スケーターが復帰していくのか?
イタリアのダニエル・グラスル選手が、
ドーピング問題に関する明確な説明もないまま、
突如、国際大会に復帰したのも
2024年のNHK杯でしたよね。(私の記憶では)
🔖この件に関するロシアの反応は、
「二人が国際ショーに招待されたことは、ロシアのフィギュアスケート界にとって重要なことだ」「喜ばしい」というもの。
ロシア国内では、この4年間に多くの試合やショーが新設され、開催されましたが、
海外に出ていけない閉塞感がありますし、外貨も稼げません。
ファンタジー・オン・アイスが突破口になるのかどうか、期待されています。
🔖SNSでロシア以外の海外の反応を斜めに見てみると、
・戦争継続中にロシア人選手を大きなショーに招待するのは無神経
・プーチン支持者のザギトワを招くなんて恥を知れ
・日本がロシアの選手をサポートするのは偽善的
・現役引退しているのだから、ショー参加は認めるべき
といった感じでしょうか。批判の声のほうが大きいと感じます。
そりゃあ、私だって、いつかコリヤダ君やアリエフが日本に来てくれたらうれしいけれど、何一つ問題は解決していないまま、
唐突にロシア・エテリ組からスケーターを呼ぶのは疑問です。
🔖チケットを買ってしまった人、出演を承諾したスケーターは
どう感じているんだろうか。
「なぜロシアのスケーターを招くのか」という
説明がほしいです。このままでは、日本全体が批判されてしまいます。