オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

ロシア、ミラノ団体戦は絶望確定。AIN審査結果発表

9月17日から21日まで中国で開催されるオリンピック選考会。

オリンピック出場の望みを賭けて、資格基準をまだ満たしていない選手たちが挑みます。

 

ロシアから出場できる=オリンピックに参加資格があるAIN選手の審査結果が発表されました。

 

今回とは関係ないロシアジャンプ大会からの画像です。

 

AIN はフランス語で「Athlète Individuel Neutre」の略で、

「中立な立場の個人資格の選手」という意味だそうです。

 

ロシア、ベラルーシの選手は、「政治的に中立的なステータス=(ざっくり言うと)戦争やプーチン支持を表明したり支持する活動をしたりしていないかどうか」が審査基準に含まれていました。

 

ロシアから申請していたのは、各カテゴリーの正選手と補欠計8組(人)

〇女子シングル

アデリア・ペトロシアン

補欠:アリーナ・ゴルバチェワ

〇男子シングル

ペーター・グメンニク

補欠:ウラジスラフ・ジキジ

〇ペア

ミーシナ/ガリャモフ

補欠:ボイコワ/コズロフスキー

〇アイスダンス

ステパノワ/ブキン

補欠:カガノフスカヤ/ネクラーソフ

 

ペア・アイスダンス全滅

🎯審査結果は

女子アデリア・ペトロシアン

男子ピョートル・グメンニク

ペアミーシナ/ガリャモフ

アイスダンスステパノワ/ブキン

 

https://www.instagram.com/p/DJmeg9xIuJh/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

 

シングル男女は審査をパス。

アイスダンスとペアは却下。

これにより、ロシアが団体戦に参加することは不可能になりました。

 

アイスダンスとペアの補欠も審査で失格になったのか?」と思いましたが、

「補欠交代は正選手が負傷した場合にのみ許可され、

資格がないことを理由に許可されることはないため、

指名された補欠選手も資格がないとみなされた。」

ということで、

 

ペアとアイスダンスの補欠については、資格があるかどうかの審査・調査もされなかった可能性が高いです。

ええーっ😮

 

「ええーっ」と思ったのは、

  • 戦争を理由に参加させない→断固とした姿勢
  • でもやっぱり各カテ1名・組参加させる→ゆるい姿勢
  • 正選手が失格なら補欠も失格→不条理

という、よくわからない条件が設定されているからです。

 

シングル男女は、正選手が合格したので補欠の存在も生きています。

 

また、アイスダンスでブキン/ステパノワ、

ペアで金メダル候補のミーシナ/ガリャモフ、ボイコワ/コズロフスキーという北京オリンピックで活躍した選手たちが含まれていますが、

彼らのミラノでのメダルはなくなりました。

 

ショックと怒りのロシア関係者

この決定に対して、ロシアのスケート関係者、ファンはショックを受けているようです。

反応としては、

・ロシアに団体戦で金を獲らせたくないのだろう

・ロシアにペアやアイスダンスで金メダルを獲らせたくないのだろう

・理由がわからない。説明しろ

・こんな扱いを受けるなら全カテでボイコットすべき

・CASに控訴するべき

 

しかし、事前の通達で、

ISUは結果に対する理由を説明する義務がないことになっています。

一部には、CASへの控訴の対象外に指定されている(?)という話もあります。

 

CASに控訴してもオリンピック選考会は9月なので、

それまでに結論が出る可能性はゼロに等しい。←ワリエワのドーピング問題に何年かかったと思っているのか!?

 

なかなか厳しいですが、ロシアの脇も甘い気がします。

 

なぜなら、アイスダンスのステパノワ/ブキン組は、プーチン大統領の年次演説会に参加している写真をSNSにアップしていたし、

 

NHK杯2019に来てくれたときのもの

 

ペアのガリャモフ選手は、正義感が強く政治的な発信が多い選手。

IOCのトーマス・バッハ会長への手紙を公開したりしています。

 

タマラ・モスクビナの門下で政治的に安全と思ったが…

 

ロシアは、審査に通らない要素がバリバリある選手たちを、なぜ選んだのか?

審査に通る通らないよりも、一番うまい組を選んだとしたら、あっぱれですが。

 

シングルに全ロシアの重すぎる期待が

そして、めでたく審査を通過したシングルの二人、

アデリア・ペトロシアンとペーター・グメンニクには、全ロシアからの期待とスケート界への怨念がのしかかります。それが心配。

 

特にペトロシアンは、女子金メダルを獲ることしか望まれていないと思う。

彼女がぶっちぎりの高得点で金メダルを獲れば、

「ワリエワとロシア女子を国際大会から締め出したのは陰謀だった」と言えるからです。

ペトロシアン選手はそんなにメンタルが強い選手には思えないのですが、大丈夫でしょうか…。

 

 

グメンニクはジュニアの頃から好きな選手で、ダイナミックさとノーブルな雰囲気がありましたが、ワイルド感も強めてきております。

 

SPは100点超えてきます(ロシア国内評価)

 

ロシア男子は、国際大会に出られなくなっている間にものすごい進化を遂げていて、

かつては4回転が成功しない、本数をいれられない、スタミナがないという印象でしたが、みなさん驚異の進化を遂げています。

グメンニクもオリンピックでメダルを争えると思います。

 

北京で開かれる選考会で

アデリア・ペトロシアンが、ルナ・ヘンドリックスとアナスタシア・グバノワと初めて国際大会で顔を合わせます。

ヘンドリックス選手は怪我で今シーズン欠場していて

グバノワ選手は世界選手権でフリーに進めなかったため、

オリンピック出場資格を賭けて出場します(2人とも国別の出場枠は取れている)。

 

ジャンプの難易度からするとアデリア・ペトロシアンが優勝すると思われますが、

PCSがどうなるか興味深いです。

 

彼女が3Aと4Tを跳ぶので、米国のアリサ・リウ選手も3Aと4回転の復活に力が入りそう(3Aを練習しているのは確認済み。4回転は不明)。

さてどうなるでしょうか。