NHK杯女子フリーの坂本花織選手の演技を見終わって、動けなかった。

感動なのか衝撃なのか。
演技から受ける“何か”がすご過ぎて、
動くエネルギーが残ってない。
珈琲を飲み、甘いものを食べ、一時間ほどボーゼンと座ってから
ようやく、カラダが動くようになりました。←今ここ
素晴らしい演技や美しい演技、ノーミス演技をする女子スケーターはいるけれど、
“女王の演技”ができる選手は、坂本花織ただ一人。
曲のアレンジも衣装もコリオも、すべてが女王だった。
女王というより、女王陛下。
『愛の賛歌』。
曲が流れだした瞬間から、曲だけでもう、しびれてしまう。
曲のアレンジのすばらしさもあるけれど、
坂本花織が氷上で、すでに何かを放っているからだと思う。
そして、何なのこのスピードは?
何なのこの完璧なジャンプは?
かおちゃんの着氷は、エッジが深くてスピードが落ちずに次のフローに入るので、
転倒するんじゃないかと思って、いつもドキッとする。
そのスリリングなところも演技の“華”。
演技に切れ目がなく、一筆書きのようになめらかなのに、
どの瞬間もどの一瞬も、ゴージャスかつ強い。
生命力をたたえた表情。
歌詞を全身にまといながら創り出す世界観。
これ以上の演技は考えられない。

だけど、「これ以上の演技は考えられない。」という演技を、
坂本花織は何度も何度も、「今この時だ!」という適時に見せてきてくれた。
それがすごい。
どう考えてもすごい。
適時に最高の演技ができるだけの、どれだけの練習を積んだのか。
目の前で起きているミラクルな時間、
この演技の輝きを一瞬たりとも見逃さず、
記憶に焼き付けておこうと凝視した。

154点くらい出ると思った。
揺れるスカートのひだも、背中で踊るチョーカーのキラキラも
ずっと忘れない。
