世界選手権2017の男子ショートプログラムは、神演技続きの歴史に残る試合でした。
風格まで感じさせた宇野昌磨のノーミス演技、ビートルズナンバーにマッチしたパトリック・チャンの復活の滑り、あの場面で4回転なしのプログラムを堂々と演じきったジェイソン・ブラウンなど、いくつもの感動がありましたが、私がもっとも心を揺さぶられたのは、ハビエル・フェルナンデス。指先から手足の角度まで、1秒たりとも目を話すことができない、すばらしい演技でした。
アジア勢、ロシア勢にやられっぱなしのヨーロッパのフィギュアスケート界にとって、フェルナンデスは希望の星。
そんな中、British Eurosportの解説者が「ハ~」「ンガ~ッ」「なんてこった!」と、感嘆の声と共にお送りする実況にとても共感できたので、ざっくり訳してみました。
すみません。動画のリンクが削除されてしまいました。なぜか、どこにもSPの動画がアップされていません。
解説 Chris Howarth& Simon Reed
彼は世界選手権の2度の覇者です。一度は上海(2015年)、そして昨年のボストン。
3年連続の偉業を成し遂げられるでしょうか。
スペインの誇り、ハビエル・フェルナンデス。
演じるのはもちろん、「マラゲーニャ」。傑作と言えるプログラムです。
(と、ここまでは冷静)
最初にコンビネーションジャンプ。
ファンタスティック! クワドトゥループ+トリプルトゥループ。
ぅぉぉおお!! な~んてスタートだ!
すばらしい!!
とても軽やかな足取りです。
続いて、クワドサルコウ!
ぉぉぉお~でかした!
彼、気合はいってるよ!
(ステップに魅了されて、しばし無言)
(客席から大歓声)
(まだまだ解説席は無言)
トリプルアクセル。(ほっと一息)
ジャンプはすべて終わりました。さぁ、ここからは静かに鑑賞しましょう。
(プラシド・ドミンゴが高らかに歌いあげるオペラをバックに、コンビネーションスピン)
(歓声と手拍子に合わせてステップ)
(演技が終了して大歓声が響く)
ど~んなもんだ! ってんだ。
なんてすばらしい午後なんだ。
(なんてすばらしい試合が、今、この会場で繰り広げられているのでしょうか)。
この2度のチャンピオンは、果敢に攻めてタイトルを手放そうとしません。
チェン、羽生、宇野昌磨が、いかにすばらしい演技をしようとも。
なんてすばらしい試合でしょう。
(再びスイッチが入って)
この演技は、正気の沙汰じゃないよね、サイモン。
人間技とは思えないよ。
グェッ(興奮でのどがつかえた模様)。
ものすごい演技としか言いようがない。
一発ぶちかまして、別の世界、別の次元に行っちゃったよ。
今までの人生で、こんな演技は見たことないね。
ガーッ(深いため息)
息を飲むほどすばらしかったよ。
すっげーなぁ。
ジャンプは高く、フェルナンデス、君に目が釘付けになったよ。
ハビエル、こんな君は見たことがない。
これは、いいかい、彼は2度のワールドチャンピオンだけど、でも、ショートプログラムの出来がこんなによかったことはあったかい?
(サイモン)ないね。
彼のこれまでのショートプログラムのベストスコアは、数ヶ月前のヨーロッパ選手権での104.25。
そのときの5つのエレメンツは、今日よりよくなかったと思う。
サイモン、いや、率直に言って、断言してもいいけど、ハビエルの演技で今日のこれよりいいのは見たことないよ。
気合が入ってたよね。
これまでは、ジャンプに何かしら問題があったけど、今日はまったく問題がなかった。ものすごく集中していた。
スピンは極上。プログラムが傑作なんだよ。だって、彼はすべてのスケートを、今までになく気持ちよく滑れていたからね。
マジですごかったぜ。
(キス&クライが映って)
おぉ~まったくぅぅ(ため息)。
すごいことをやってのけたね。夢のような午後だよ。
(「一緒にやろう」。「ふあぁ~、OK(脱力)」.。
「移動しなくていいよ」。(解説席の話?)
宇野が104.06でリード。
僕は、ハビエルが超えてくると思うね。
あぁ~。109が現在の暫定的な点数です。
(アナウンスの声 ハビエル選手の得点は109.05)
世界最高得点に近いね。
(声を張り上げて)109.05点。でかした!
現在の世界最高得点は、羽生結弦の110.95です。
ハビエルは、羽生に対して存在感を示したと思うよ。ここからは、ハビエルがトップに立ちました。最終日まで、彼がこのままトップを維持してくれるでしょうか。