こんばんは。ジュニアグランプリ バンコク大会。
男子フリーの垣内珀琉選手の演技が、
とてもとてもとてもとても、素晴らしかったです。
スケーターの演技を見ながら、
一緒に“音”を感じられる瞬間は多くありません。
友野くんの「Halston」以来かな。
ステファン・ランビエールが珀琉くんに選んだ曲は、
「イ・ジョルニ」+「ヴァイオリン協奏曲第2番第4楽章」。
ジュニアでこういう曲を滑るのは、難しいと思うんです。
普通は滑れない。
集中力が続かなくて、単なるバックミュージックみたいになってしまう気がします。
だけど、彼は見事に曲の世界観を表現していました。
まるで音楽にお辞儀をしているような、
音楽に敬意を払っているような滑り。
「イ・ジョルニ」は、「彩りの日々」という意味があるそうなのですが、
曲の世界に溶け込んで、その世界の中で動いているようでした。
演技を見ながら、自分の心が細かく震えているのを感じました。
ステファンは、
「振付をするスケーターのことを知る過程が楽しい」と話していましたが、
珀琉くんからこの曲を引き出した感性はさすがとしか言いようがありません。
(ステファンからの「I'm proud of you.」よろしく~)
後半、力強い曲に転換してから次々に繰り出すジャンプも、
ツルツルと心地よく、爽快感がありました。
しかも、ノーミス、パーフェクトな演技でした!
冒頭の4回転トゥも素晴らしかった(回転不足がついたのが惜しかったー)
キス&クライで涙がこぼれる姿も素敵。
シーズン直前にトリプルアクセルの練習中に怪我をして
一つ大会を棄権してますよね。
ここまでの道のりは、簡単ではなかったと推察します。
おめでとう!すばらしい演技を見せてくれてありがとう!
SPから順位を一つ上げて4位。
3位と僅差でしたが、この大会で一番印象に残る演技でした。
実況解説も、ただただ見入っていたようです。(抜粋)
That was special.ワーオ(絶句)
Amazing ! This is a high-high quality skater.
特別な演技でした。口あんぐり。
すばらしい!とても質の高いスケーター。
彼の姿勢は完璧で、動きと振り付けはシンプルですが、
とても美しく演じられています。
ただもう驚くべきものでした。たいへん質の高い滑り。
背筋が強く上半身をまっすぐに保っている。
それが、安定性のあるハイクオリティなジャンプの秘訣です。
確かに、垣内選手の安定性あってこその“この曲”なのかもしれません。
ジャンプ着氷後の美しいエッジの流れが、音符の行間を表現できる。
そして、私は、珀琉くんの腕の使い方も好きなんですよね。
肩が柔らかいのかな。
滑る喜びにあふれる表情、自然に笑みが浮かぶところも好きです。
そういえば、「ジュニア合宿で高橋大輔先生の指導を受けて、 テンションが上がった」とインスタに書かれていました。
大ちゃん先生の影響力は、本当に広範囲です。
衣装のことも解説がほめていました。
あと、周囲へ感謝と敬意を払う人柄のすばらしさも。
こういう演技に出会えると、
フィギュアスケートの大会って素晴らしいと改めて思います。