オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

心に沁みすぎて泣いた、友野くんのフリー。ネーベルホルン杯男子

こんばんは。

ものすごい雨の中、ネーベルホルン杯男子フリーを観戦するために、

ずぶ濡れになりながら、ダッシュで帰宅した種子島ぴーです。有料配信のお金を支払い済みでしたし(笑)

 

第一グループ最終滑走のアレクサ・ラキッチ選手(カナダ)から、

演技のレベルがググっと上がってきた印象。

 

中でも、トップ3のアダム・シャオ・イム・ファ、友野一希、島田高志郎選手は、

入魂のすばらしい演技でした。見てよかった😭😭

 

島田選手の激流にのみ込まれていく快感『死の舞踏』

島田高志郎選手は、第二グループの2番目。

待ってました!!の『死の舞踏』です。

 

 

オープニングのポーズが、少し変わっている気がしました。

前の手長蜘蛛のようなポーズが好きだったのですが、

バランスが取りづらかったのかな。

 

顔を上げた瞬間、映像のせいか、アイラインを引いているように見えたのですが、どうでしょうか。

ビターな目つきが、魅惑的でした。

 

 

最初の4Sは、スコーンと決まって、きれいに流れました。加点1.94。

最近の島田選手は、着氷が本当に美しい。

 

続く4Tで惜しくも転倒したのですが、流れるように立ち上がって、

プログラムもピアノの音も断ち切ることなく、死の舞踏は続きます。

 

要所要所に入った演劇的コリオも、わくわくする。

ゴージャスで繊細な衣装も素敵すぎ。

4T以外は、完璧でした。見ながら、拍手、拍手、拍手。

 

高志郎くんの創り出す激流に、のみ込まれていくような快感。

 

演技が終わって、ひと呼吸おいて、私も我に返りました。

 

役柄が憑依したような高志郎くん

 

総合得点でパーソナルベスト247.43(←247.17)を出して、

暫定1位に立ちました。

高志郎くん、ステファン、大歳トレーナー、おめでとうございます。

 

 

心にしみすぎて泣く、友野くん『Halston』

続いて、友野一希選手の登場。曲は、『Halston』。

 

 

余談ですが、Halstonって、一世を風靡した後、悲しい結末を迎えたファッションデザイナーの名前なんですよね。ネットフリックスで、ドラマを見たことがあります。ステファン・マッシオが、彼へのトリビュートで作曲したそうです。

 

その切ない音楽に乗って、言葉で説明できないのですが、

友野くんの演技が、とんでもなくいいんです。

 

心にしみる曲ですが、派手さはない。

集中力が切れたら終わりの作品だと思うのですが、

友野くんの集中力が、ものすごかった。

 

静かな音楽の中で、日本庭園の鹿威し(ししおどし)みたいに、

4T+2Tとか4Tがスカーン、スカーンと決まっていく。

 

4回転サルコウがパンクした以外は、ノーミスに近いと思うし、

パンクしても世界観が崩れなかった。

 

「もう、なに、友野くん、しっとりした曲のほうが合ってるじゃない!!」と、感動しながら見てました。

 

 

これ、泣きますよ、心にしみすぎて。

音楽が、同じ旋律の繰り返しなのに、演技が豊か過ぎて全く飽きない。

まだ、全員滑ってませんでしたが、「神様、今回は友野くんが優勝でいいんじゃないですか」って思いながら見てました。

 

そういえば、演技開始前のたたずまいが、

高橋大輔氏の全日本の『In the garden of souls』を思い出させました。

演技後も、こっちの世界に戻ってくるまで時間があって…友野くん、これまでと違うと思う。

 

キスクラの平池ゴルゴ13は、本日は、ブラックジャケットにブラック手袋。

もう少し得点が伸びるとよかったが、PCSは全体1位でした。

 

 

演劇的演技がすごい、重厚感あるアダム『Horizons』

続いて、アダム・シャオ・イム・ファ。

曲は、昨シーズンと同じ??『Horizons』。

 

 

冒頭のパフォーマンスが、ものすごく力が入った熱演で、すごいです。

コリオというより、一人芝居的な?

 

 

「毒リンゴを食べてしまった人」というか、

「邪悪なエイリアンが体内に入ってしまった、くっ、苦しい」みたいな。

 

4回転を4本入れてきたので、技術構成点が一番高いのと、滑りが骨太でゴージャス。

見ている私も、丹田(おへその下あたり)に力が入ってくる感じ。

ジャンプは、アクセルに苦戦していたかな。

でも、他のジャンプは、軸がぶれても、空中で修正して降りてこれるのがすごい。

 

コリオシークエンスの側宙が、息を呑むほど美しかったです。

マリニン君のラズベリーツイストと、アダムのアダム空中大車輪が、

今のところ、双璧です。

 

アダムも、プログラムにものすごく入り込んだ演技を見せてくれるので、

フィニッシュでは、解脱した人みたいになっていました。

そういう演技を見せてもらえたら、観客冥利につきます。

 

 

ということで、ネーベルホルン杯2023男子は、

金メダル アダム・シャオ・イム・ファ 279.57

銀メダル 友野一希 265.78

銅メダル 島田高志郎 247.43

 

おめでとうございます。

素敵な演技を見せてくれてありがとう。