こんばんは。種子島ぴーです。センター試験を受けられたみなさん、お疲れさまでした。雪の影響は大丈夫だったでしょうか。
さて、TBSの「第45回JALホノルルマラソン」をご覧になりましたか?
浅田真央ちゃんの言葉で印象的だったのは、
「小さいころ、楽しんでスケートをしていた気持ちを思い出した」
「引退して目標がみつかっていないときに、ホノルルマラソンのお話をいただいて、私も助けられた」の2つでした。
左ひざへの影響は心配ですが、彼女にとっては、走ってほんとうによかったんだろうなと思います。
彼女が笑っている顔を見ると、なぜか幸せな気持ちになるから不思議です。
絶世の美女というわけではないんですよね。うまく言えないけれど、「美人ではなくて、浅田真央」。
これは天性のものなので、他の選手が「第二の浅田真央」を期待されても気の毒ですよね。
フィギュアスケート商業界は「第二の浅田真央」を求めており、私たちは「浅田真央そのもの」を求めていると言いますか・・・。難しいですね。
そんな中、ニューヨークタイムズに、まぁそうだよねっていう記事(ロイター配信)があったので、訳してみました。一部、意訳しています。
女子フィギュア再建のため〝次の浅田真央〟を探して
(引用元)
Figureskating: Searching for the Next Asada, Japan Rebuilds - The New York Times
日本のフィギュアスケートファンは、引退した浅田真央の代わりになる女子選手がいないという異常事態の中で、来月の平昌オリンピックを迎えます。
オリンピック銀メダリストであり、3度の全日本チャンピオンである浅田は、愛情を込めた「真央ちゃん」という呼び名で知られていますが、彼女が2017年に引退すると、国内の熱狂的なファンもメディアも途方に暮れています。
「たくさんのスケーターがいるけれど、真央の後継者と言える人はいません」と、日本で開催されたグランプリ・ファイナルを観戦していた41歳のヤマグチヒロコさんは話します。
「彼女には、何かがありました。彼女のスケートを見ていると、エネルギーをもらうことができたんです」
問題は、選手不足ではありません。
12月の全日本選手権では、6人の女子選手が、表彰台のトップと2つのオリンピック出場権をかけて戦いました。そして、最終的には19歳の宮原知子が優勝しました。
オリンピック2枠目は、国内でもどちらかというと無名であった17歳の坂本花織が、初めてのシニアシーズンで全日本2位になって射止めました。
「日本スケート連盟は、技術だけを気にしている」と、早稲田大学スポーツマーケティングの教授であるマツオカヒロタカ氏は言います。
「しかし、テレビその他は、誰にスポットを当ててプロモートするかで動いているように思います」
浅田は、ジュニアの頃から人々をひきつけ注目を集めるようになり、長い間、フィギュアスケートの代名詞でした。彼女の引退はトップニュースになり、テレビは引退会見を生放送したのです。
「彼女の人気が沸騰したのは、3つの要因が重なったからだと思います。すなわち、
・長いキャリアを通じてのとてつもない成功
・やわらかで、かわいらしく、若々しい外見
・人前に出るときの注意深く、精選された人格とメディアに頻繁に登場したこと」
マサチューセッツ工科大学で日本のスポーツを研究しているマイケル・コー氏は、ロイターのe-mailインタビューに対して、このように回答しました。
「浅田真央は、〝いい子〟〝親しみやすい隣の女の子〟といったイメージがありますが、これは、貞節で謙虚で従順で良妻であるという日本のステレオタイプな女性像から来ています」
お言葉ですが、私が好きなのは、彼女の強さ、闘志です。by種子島ぴー
後継者候補
宮原は、長らく、浅田の後継者と目されていましたが、2016年に腰椎を骨折し、試合と公共の場から1年ほど離れたことで、人気が薄まってしまいました。
それでも、メディアが取り上げた「彼女が頑張ってリハビリに励んでいる姿」は、忍耐力を重視する日本文化の琴線に触れました。
彼女の抒情的で流れるような演技「メモリーズ・オブ・ゲイシャ」と「マダム・バタフライ」は、5位に終わったものの、グランプリ・ファイナルの観客から、「日本人の感情を表現している」と評されました。
坂本は未知数のままですが、全日本の結果が出た時のリアクション、歯を見せて笑う元気なキャラクターは、彼女を魅力的に見せました。
「坂本にどの程度のインパクトと人気が出るかは、オリンピックでどのような活躍をするかによるでしょう」と、マツオカ氏は言います。「彼女は、明るくはつらつとした印象を与えます」
坂本より一つ年下にもかかわらず、シニアでのキャリアはちょっぴり長い樋口新葉は、オリンピックに出ることが広い方面から期待されていましたが、かわりに世界選手権の出場者に選ばれました。
ダイナミックな演技で知られている彼女ですが、昨年末に向けて勢いが薄れ、メディアの報道によれば、〝全日本スケート連盟がオリンピック選考でより重視していた〟全日本選手権で4位に終わってしまいました。
しかし、樋口はまた、ソーシャルメディアで批判にさらされています。
曰く、「自分のスケートの才能は生まれついてのものだと言った」「最も憧れているスケーターは、浅田真央ではなくキム・ヨナであると言った」と。
「女子スケーターに対する社会のある種の期待があり、そこからはずれると、彼女たちは間違いなく、社会から批判を受けます」とホー氏。
「本当に才能があっても、それを自慢するべきではない、という考えです」
マツオカ氏も、「樋口の感情をあらわにする傾向が、スケート連盟にではなく、メディアによって傷つけられるかもしれない」という点に同意します。
しかし、彼は、日本のフィギュアスケートのより大きな問題は、連盟が「選手たちをどう訓練してどうプロモーションを展開するか」という国家としての計画を持たないことだと言います。
今のところ、選手たちは、選手自身とコーチや所属する企業に、ほとんど任せっぱなしにされています。
「日本スケート連盟は、選手個人任せにするのではなく、スケート人気をどう維持し、上げていくのかをもっと考えるべきです。そうすれは、いつか浅田真央のような選手が現れるかもしれません。さもなくば、浅田真央の後には、何もなくなるでしょう」
(終了)