オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

この銀メダルが、昌磨とファンの新しい扉を開きますように

こんばんは。男子フリーが終わりました。

温かいスープを飲んで、ほっこりお風呂にもつかって、心が落ち着いてきました。

 

久しぶりに、ほんとーーーに久しぶりに、

「結果がわかるまで演技を直視できない」という経験をしました。

 

ミハイル・シャイドロフが、ノーミスの演技でこぶしを握り締め、

アダム・シャオ・イム・ファが、

神演技だったフランス杯を上回る得点を叩き出し、

 

ここで、宇野昌磨は、どんな演技を見せるのか。

 

アダムの神演技を上回ったら、まさに“神”だと思いました。

 

 

しかし。

冒頭の4Loで転倒。

1本目にタイミングの難しいループを持ってくることに、

観戦者として不安はありましたが、

「うわっ」と、思わずバナータオルで顔を覆ってしまいました。

 

 

続く、4Fがパンクし、「うっ」。

怖くなって、スクリーンに背を向け、

観客の反応を耳で聞くのが精いっぱい。

 

だけど、観客の反応からは、

エレメンツが成功したのか失敗したのか、わかりづらい。

 

後半の『Spiegel im Spiegel』は、音だけ聴いていると、

なんか、寂しい…ものすごく寂しい気持ちになりました。

 

演技が終わって、スクリーンを見ると、

冒頭のジャンプ2本の転倒以外は、プラス評価。

ずらりと並んだ“グリーン”を見て、

「おお、あの後は大丈夫だったんだ」と、安堵して演技を再生しました。

 

4回転2本の後の3Aは、高さと飛距離があって、かなりすばらしかったです。

私が見れなくなった後からは、すばらしい展開でした(笑)

 

 

前半の表現は、ショーのときほど凄まじくはなかったけれど、

後半は、すごかったと思う。

 

水中か無重力空間にいるような研ぎ澄まされた音楽の中で、

高難度ジャンプを次々と決め、美しいスピンとステップで引き付ける。

 

時間が止まっている中で、昌磨だけが動いているような感覚を覚えました。

 

 

ステップのレベル2は、スローモーションの世界のようだから?

表現力の見せ場であるステップで、

点とレベルが取れないのは、

素人の私にはよくわからないけど、残念だしもったいない。

 

結果は、アダム・シャオ・イム・ファ選手の圧勝。

宇野昌磨選手は、銀メダルでした。

 

でも、演技の後、笑顔だったし、

「うん、うん」とうなづいていたので、本人はある程度、納得していたのだと思います。

 

 

「二年連続で世界タイトルを獲った自分が変わらなければ、

フィギュアのジャンプ偏重は変わらない」と、

自分のモチベーションの拠り所を探すだけでなく、

スケート界を変えたいという大志を抱いてスタートした今シーズン。

 

新しいことに挑もうとする人、改革を進めようとする人は、

大きな壁や困難にぶち当たるものですが、

 

ぶち当たっても、模索中でも、銀メダル。

すごいことだと思います。

私には、とてもできそうにありません。

 

今はまだ、観客である私も、結果にどう反応すればいいのか、わからない。

そしてたぶん、宇野昌磨選手本人も、手探りの状態だと思います。

 

試合後のインタビューで、

「ジャンプ以外のことを頑張ろうというのが見えた」「いい滑り出しだったと思う」「この試合を通じて、ショート、フリー共にいい演技だったと思う」「今シーズンやることが見えた」と話していたので、

ここからスタートなんだと思います。

 

私は、銀メダルでよかったな、という気持ちもあります。

ショートで今季世界最高得点を叩き出したとき、

演技はすばらしかったものの、なぜか私の心はあまり動きませんでした。

 

たぶん、昌磨の顔に笑顔がなく、

「このくらいは予想通り」と思っているように感じられたからだと思います。

(私が勝手に感じただけです)

 

ジャンプも表現も…という中で、

ジャンプも表現もすごいアダム・シャオ・イム・ファ選手が優勝したことに、

複雑な思いもありますが、

 

金メダルをここで昌磨が獲ってしまったら、

今後がつまらなかっただろうな、というのが、正直な気持ちです。

 

このすばらしい銀メダルが、

宇野昌磨選手と私たちファンにとっての、

新しい扉を開くことを願っています。

 

宇野昌磨選手、銀メダルおめでとうございます。

NHK杯を楽しみにしています。

 

 

アダム・シャオ・イム・ファも、シャイドロフも、

すばらしい演技をしてくれて、ありがとう。