オオナゾコナゾ

種子島ぴー/九州出身、東京在住。夫と二人暮らしです。旅行のこと、フィギュアスケートのこと、香港のことを中心に、右から左へ流せなかった大小の謎やアレコレを、毒も吐きながらつづります。

社会にインパクトを与えた宇野昌磨の競技引退会見

宇野昌磨さんの競技引退会見から5日ほど経ちました。

不思議と、悲しいとか残念という感情がわいてきません。

 

浮かぶのは、昌磨の晴れやかな表情だけです。

 

 

スーツ姿で登場した“宇野昌磨”は、

晴れやかなだけでなく、今まで見たこともないような表情をしていました。

 

12月の全日本選手権抽選会で毎年目にしたスーツ姿とも違って、

“正真正銘の社会人”のようでもあり、“解脱(げだつ)した人”のようでもあり、目の中に星が光っている“キラキラ星人”のようでもあり、なんだか“別人”のようでもありました。

 

記者会見を見た人に会うと、皆一様に、「昌磨くん、よかったね」と言います。

「かわいかったねー」という声も多いですが、

とにかく、あらゆることをひっくるめて、「よかった」と、みんなが感じたのが伝わってきました。

 

あの表情で人前に立てたことが、彼の競技人生の集大成だったのではないか。

と、思ったりもしています。

 

もしも。

昌磨が引退会見で目に涙をためながら、「年齢的に体力の限界です」なんて言っていたら、私はつらかったと思う。

 

すべて出し切って満足して、自分をほめて、体格について質問されたときでさえ、笑顔で身長が高くないことをプラスに捉えてみせて、

自分への悔いも、他人への恨み言も一切ない、競技人生の締めくくりだったと思う。

 

あれは、アスリートにとっても、どんな仕事をしている人にとっても、定年を迎える人にとっても、憧れの締めくくり方だと思います。

 

実は、静かに、社会にインパクトを与えた競技引退会見だったようです。

 

今後も、いろいろな人が触れるかもしれませんが、

まずは、あの伊藤みどりさんと元体操選手の田中理恵さんが触れています。

 

伊藤みどり54歳が、国際大会を連覇。宇野昌磨と坂本龍一の美学を胸に「私の生きざまを伝える」(野口美恵) - エキスパート -

宇野昌磨さんの引退会見を観て「幸せな人生の区切りで良かった」

(中略)「こんなにも爽やかな引退会見。世界王者にもなったのに、とても謙虚に振り返っているのも、昌磨くんらしいですね。周りは『まだ戦える』と思うかも知れませんが、このツヤツヤした笑顔を見れば、競技人生でやり残したことがないのだと分かります。浅田真央ちゃんの引退会見も、こんなすっきりした笑顔でしたね。人生の区切りを幸せな気持ちで迎えられたことが本当に良かったです」

 

そういう伊藤みどりさんも、素敵です。

今年も国際アダルト競技会に出場。部門優勝されました👏👏(スターエリートのアーティスティック部門で2年連続)

 

youtu.be

 

滑っているときの表情が、しあわせの塊みたいで、鳥肌が立ちます。

これが本当の「スケートが好き」「スケートを愛する」ということなのでしょうか。

 

坂本龍一さんの最後のピアノ・ソロ演奏(会)の姿勢や曲に感銘を受けたことに触れながら、

「私も、年々歳を重ね、怪我も痛み、レベルの高いスケートは出来なくなってきています。でもスケートがなくなったら、何のために生きているのかな、とも思いました。54歳になった今年もアダルト競技会に出るか、出ないか、自分の人生を振り返っていろいろと葛藤をしていましたが、迷いが吹っ飛んだんです」

 

何がすごいって、引退して30年経った今でも、彼女よりすごい3Aを跳べるスケーターは現れていない「生きる伝説」なのに、

3Aや2Aが跳べなくなっても、国際大会にキラキラの笑顔で出場して、「私、スケート大好きなの」って言えるところ。

 

私は、何にしろ、自分がベストでできていた時期を過ぎたら、積極的に人前に出て行く勇気はありません。

きっと、一生好きでい続けているものに、出会えていないのかも…と思わされました。

 

(それにしても、「伊藤みどりアダルト大会に出場」と、数カ月おきに目にしている気がして、時間が過ぎるのが速すぎて怖い)

 

体操の田中理恵さんは、

会見での宇野について田中は、「全力で取り組んできた自分を褒めたいという言葉はすごく印象的だった」と語り、「次はプロのスケーターとして輝いてもらいたい」と望んだ。

元体操日本代表の田中理恵、宇野昌磨の引退に「羨ましい」 | RBB TODAY

 

共感したのは、記事内の次の部分。

中山秀征から「田中さんから見ると、このあとまだ続きがある、次のステージ、プロというステージがあるというのは、逆にうらやましい?」と振られると、「そうですね、羨ましい」と回答。「自分の好きなスケートがまだ表現できるという環境がある。体操もそういう環境が出来たら」と本音。競技が終わったら引退ではなく、体操のショーをやってみたいとも述べた。

 

現役を終えて、実生活にそのまま生きる競技種目って、なかなかないですよね😨

「体操のショー」っていう発想は、おもしろいかもしれません。フイギュアスケートは、プロとしての道がありますが、それにしても、この数年で、予想外のショーが次々にカタチになっているので、インスピレーションの源になるといいですね。