宇野昌磨選手が、男子シングルの先陣を切って、来シーズンのプログラム曲を発表した。それを受けて、ライバルたちとその関係者は、対策を練っていることだろう。
ショートは「冬」をイメージして、ビバルディの「四季」より「冬」。フリーは、シニア一年目で滑った「トゥーランドット」。これは、なかなか賢明な判断だと思う。
フィギュアスケートファンとしては、選手たちがどんな新しい曲で滑ってくれるのかを、楽しみにしていると思う。でも、4回転競争が激化する中、ジャンプも習得して曲の解釈も深めて、、、なんていうのは、あと9カ月では時間が足りないのではなかろうか。
例年、世界選手権の頃に作品として完成させてくる選手が多いことを考えても、新作に取り組むのはリスクがある。
だから、フェルナンデス選手は、せっかく完成させた「マラゲーニャ」を3年でもなんでも持ち越すべきだし、羽生選手だって、SPが「パリの散歩道」だったとしても責められないと思う。むしろ、「4年ぶりにオリンピックで"パリ散アゲイン"の感動を!!」とかって、スポーツ新聞のタイトルになってよいのでは。
今頃、クリケットチームが必死にマーケティングもしながら戦略を練っていると思うけど、
まさか平昌だからって、SPが「アリラン」でエキシがpsyの「江南スタイル」だったらドン引きますよ。
ボーヤン・ジンも、フリーの「スパイダーマン」は持ち越してほしいところ。演技中はマスク禁止だと思うけど、彼の躍動感あふれる「スパイダーマン」のステップシークエンスは、マスク着用で見たいところだ。
一方、ニーノ・ロータの「道」というフリーの罰ゲームからは、ぜひとも解放してあげてほしい。「ボーヤンが高橋大輔の名作を真似した」とお怒りのファンもいるようだが、私はボーヤンを擁護したい。あれは、振付師ローリー・ニコルからの百本ノックのようなシゴキだと思う。
きっと、先シーズン始めに、
ローリー「今年は表現力を磨く年よ。ダイスケの『道』を真似ることで学びなさい」。
ボーヤン「えー、まじっすかー」。
みたいな会話があったと思う。まさか、
ローリー「ダイスケの『道』を真似ることで学びなさい」。
ボーヤン「ちょりーっす。あの曲いいっすよね。僕も好きなんすよ」。
なんてことがあったら、ボーヤンのポジティブ精神が逆に怖い。
一方、アメリカスケート界の期待がモリモリ、モリモリ、モーリモリ高まっているネイサン・チェンはどうでしょうか。スコット・ハミルトン氏も、「羽生もショーマもすごかった。でも、一番ひかれたのは、すべてにおいて劇的に変化したネイサンだよ!!」とのたまっておりました。アメリカとしては、なんとか表彰台に上がらせたいところでしょう。
ネイサン君は以前クラシック・バレエをけっこう本格的にやっていたということで、昨シーズンはショートもフリーもクラシックバレエ系でした。
(ビデオ重いです)
でも、ひそかにクラシック以外の表現を特訓し始めているのではないかと思うので、ショート、フリーどちらかをクラシック系、もう一方をコンテンポラリー系かミュージカル系にするような気がします。
話はそれますが、バレエ経験がないのに「ドン・キホーテ」であれだけのポジションを魅せていた町田樹は、あらためてすごかったと思う。まっちー!!