さて、アジアン・オープン・トロフィーで楽しみにしていたことの一つに、ボーヤン・ジン選手の新プロお披露目がありました。
ショートの『グリーン・デスティニー』は、ヴィンセント・ジョウ選手と、サントラから同じ部分の曲を抜き出して使用していましたね。
ボーヤンは、大会直前に盲腸になって入院していたとか。
だから、まだ滑りこめていないので、完成形ではないと思いますが、
ヴィンスのプロのほうが、コリオが練られている印象でした。
で、ふと思い出したのですが、ヴィンスのプロも、ローリーの振付だった気が・・・
ボーヤンもローリーの振付らしいので、中国をルーツに持つトップスケーター2人に、同じ曲をおすすめしたということなのか?
ヴィンスが、もう一度『グリーン・デスティニー』を滑るとは知らなかったのかな。
一度、振付をお願いしてお支払いが終わったら、特に連絡しないものなのでしょうか?
ウィキを見たら、ジェフリー・バトルの名前もあったから、中国武術的な脚色は、ジェフが味付けしたのかしら?(←根拠なし)
二人の『グリーン・デスティニー』を見比べてみたのですが、
(注)ヴィンスは、ネーベルホルン杯の2季目傑作演技、ボーヤンは、今大会の病み上がり初戦演技 なので、単純な比較はできません。
ヴィンスは、指先やつなぎの所作に、中国武術のエッセンスがたくさん。
プログラムに溶け込んで、作品を完成させています。→Vincent Zhou_2021 Nebelhorn Trophy FS - YouTube
最初のジャンプに向かうときに、審判席の前で「抱拳礼」という挨拶をするんです。
香港映画ばっかり見てた私には、おなじみのポーズなのですが(笑)、
右手のこぶしを左でつつんで、「私はあなたを攻撃しません」という意味だ、と教わりました。
しゃれてますよね。
この礼は、演技後に観客に向けてもやっています。
ほかにも、こういう腕づかいや、
こういう腕づかい、
ステップシークエンスの中に、「鶴のポーズ」みたいなのも入ってます。
滑りながら肘をそっと触るしぐさも、繊細で好きです。
フィニッシュのポーズは、ボーヤンもヴィンスも似ている気がしました。
ボーヤンは、オリエンタルな雰囲気がしない、洋風の『グリーン・デスティニー』なのかな。
フリーのボレロは、「クラシックギター演奏版かも」っていう予想は当たっていました。
でも、途中からは、正統派ボレロに近い音でした。→Asian Open 2021 FP - Boyang Jin - YouTube
『ボレロ』は、体力が必要な曲で、自分にパワーがないときに背中を押してくれる曲ではないと思います。
自分の内側から、エネルギーを徐々に高めていくような曲だと、私は思います。
だから、病み上がりのボーヤンには、かなり演じるのが大変だったと思います。
イナバウアーのシーンは、盲腸のお腹を心配してしまいました。
前半の『祈りと踊り』も、ものすごく滑るのが難しそうな曲だと感じました。
でも、選んだのには、何か理由があるんでしょうね。
新しいボーヤンに期待です。
そして何より、母国開催のオリンピックシーズンが、ボーヤンにとって、幸せなものでありますように。
それにしても、中国が団体戦を視野に入れているなら、
ハン・ヤンも補欠で控えておくべきだと思うのですが…。
もしくは、男子の団体戦から個人戦へのぶっとびスケジュールを見ると、
男子シングルには、期待していないとも思えます。
どうなんでしょうか。